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愛があれば大丈夫  作者: Miho
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 そんな中、ナンシーとアンソニーが来日して、2人が滞在する1週間の間にA&Wカンパニー日本支社では顧客や会社関係者を招いてのパーティーの準備が進んでいた。

 万理はアーロンにパーティーに出たくないと言ったが、日本語が話せるアーロンはいいが、副社長であるアンソニーはほとんど話せないので、万理に通訳として付いてくれと頼まれ、仕方なく

出席する事になった。


 ドレスに身を包んだ万理は美しかった。会場であるホテルの美容室で髪をアップにし、少し濃いめのメイクをしてもらった。また露出は少ないが、膝丈のスカートから覗く長い脚は周りの男性の目を釘付けにした。そしてモデルのようなアンソニーの傍に寄り添う万理にパーティーに出席していた女性達は羨望の眼差しを送った。

 1時間も経った頃、重要な客とはほとんど挨拶を交わすことが出来たアンソニーと万理は少し食べ物を口にしていた。


『万理、疲れだろう?明日は母さんの観光に付き合うって言ってたけど、休んだ方が良くないか?』

『アンソニー大丈夫。そんなに疲れてないしママは私と東京で遊ぶのをとても楽しみにしていたから、何があっても行かないと』


 そんな2人に近付く人影…東野要だった。万理は会場に少し遅れて入ってきた要に気付いていた。ただ要は1人では無かった。派手な顔つきの振り袖姿の女性を伴っていたのだ。万理が要の事を見ないようにして、今までずっと避けていたのだ。今油断した瞬間に近付いて来た要から逃げることは出来ない。要もそれを見越して近付いて来たのだろう。万理は観念して要をアンソニーに紹介した。


『東野不動産の社長です』

アンソニーはわざとらしい笑顔を貼り付け

「初めまして。A&Wカンパニーの副社長のアンソニー・ウィリアムズです。この度は業務提携の話を飲んで下さって感謝します。

これからもお互い協力していきましょう。」

「初めまして。東野要です。こちらこそよろしくお願いします。」

2人は握手を交わしたが、アンソニーの手の力の入れ方は尋常では無かった。要はその瞬間万理とこの副社長の間に何かあるかと勘ぐってしまい、その青い目を睨み付けて威嚇するような態度をとってしまう。


 その時、要が一緒に会場入りした振り袖姿の女性が3人に近付いて来た。


「要様。こんな所にいらしたの?この方達を紹介して下さる?」

「聡子さん…A&Wカンパニーの副社長のアンソニー・ウィリアムズ氏と秘書の木下万里さんです。そしてこちらはうちの取引会社の石本建設の社長の娘さんで石本聡子さんです」


 万理の通訳で会社関係者の家族と分かり

「初めまして。アンソニーウィリアムズです。」とアンソニーが片言の日本語で名乗り、万理は会釈をした。

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