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愛があれば大丈夫  作者: Miho
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 万理も3年前の事故で家族を失ったが、要も同じだった。住む家も仕事もあったが両親と愛する義妹のいない生活は苦しかった。その為仕事に打ち込んだ。最低限の睡眠時間で働き、身体が良くなってからの2年間、要は生きているようで心は死にかけていた。そんな中での万理との再会だったのに、易々と万理を逃がしてしまった。言葉を交わす事もましてや3年前の事を説明する事も出来なかった。

 

 万理は変わった。要の知っている万理はただ無邪気で可愛い女の子だったのに、昨夜見た万理は髪を短く切って、前よりも痩せていて、大人の女性だった。あの後1人きりで苦労して生きてきた万理が可愛いだけの女性ではいられなかった事を想像して、要は1人涙を流した。

 

 要は何度もA&W日本支社に電話して万理との面会を申し入れたが、結局万理は捕まらず、日本での住居にも行ったが会う事は出来なかった。

 アーロンにも面会を申し込んだが、スケジュール上2週間先まで無理だと言われた。明らかに避けられている。仕方なく東野家の弁護士に万理に関する調査を依頼した。そこで始めて万理がウィリアムズ家の養女であることを知った要は、万理がアメリカで1人きりでは無かった事に安堵した。弁護士の報告で今週末義母であるナンシー・ウィリアムズと義兄でA&Wカンパニー副社長のアンソニー・ウィリアムズが来日することを知って、万理を捕まえる方法を思案した。


 その頃万理は落ち着かない日々を過ごしていた。まさか日本にいる事を責められる事は無いだろうが、もう1度要本人の口から財産のことで釘を刺されて、赤の他人だと思い知らされたなら、多分自分は立ち直れない。そんなことを言われる前にLAに帰りたかった。明日来日する義母と義兄が1週間後に帰国する時に自分も一緒にアメリカに帰るつもりだった。

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