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ぱんだ おにいさんと せんとうに いく

ぱんだは とっても きれいずき です。

きょうも、だいすきな ささを たべたあとには、ゆっくり おふろに はいります。

ですが、どうぶつえんの おふろは せまいので、ぱんだは だだを こねました。


もっと おおきな おふろに はいりたいよー


しいくいんの おにいさんは、ぱんだの ねがいを かなえてあげようとおもい、ぱんだを せんとうに つれていきました。

しかし、せんとうにいくまでには ながいみちのりが まっています。

どうぶつえんから せんとうにいくには、おうだんほどうを いくつもわたらなくてはいけません。

くるまで つれていくことも かんがえましたが、しいくいんの おにいさんの くるまは せまいのです。

おにいさんが むりやり のせようとしたところ、


せまいのは いやだよぉ。からだが ぎゅうぎゅうだよぉ


とぱんだが なくので、しかたなく おにいさんは ぱんだと いっしょに あるいていきました。

ながいながい みちのりを、ぱんだと おにいさんは あるいていきます。

しかし、すぐに おうだんほどうに ぶつかるので、とまらなくては いけません。

とまるたびに、すわりこむ ぱんだ。

しんごうが あおに なると、おにいさんは ぱんだを わたらせようと しますが、いちど すわったぱんだは なかなか うごきません。

あっちへごろごろ、こっちへごろごろと おうだんほどうを まえに ごろごろしてしまいます。

そうこうするうちに、すぐに しんごうは あかになって しまうのです。


それでも、なんとか みっつの おうだんほどうを こえて、ぱんだと おにいさんは せんとうに たどりつきました。

おばあさんは ぱんだをみて、めを ぎょろぎょろさせながら、


からだに いろを ぬったり えをかいてる ひとは おことわりだよ、


といいました。

ぱんだが それを きいて かなしそうな かおを したところで、おにいさんが いいました。


せんとうの おばあさん、これは いれずみではなくて、ぱんだです。いつも せまいおふろなので、きょうは せんとうに いれてやっていいですか。


それを きくと おばあさんは とたんに やさしいかおに なって、


そうかい、ぱんだかい。いつも せまい おふろとは かなしいねぇ。ゆっくり はいっておいき、


といってくれました。

だついじょに はいって、おにいさんは ふくを ぬぎます。

ぱんだも おにいさんを まねようと、おなかを つまんだり、せなかを つまんだりして ひっぱろうと しますが、ぱんだは ふくをきてないので ぬぐことは できません。

なんとか おにいさんの まねを しようと、ちからいっぱい ひっぱってしまい、ぱんだは、


いたいよぉと 


いいました。

ぱんだは おようふくを きてないから、そのまま はいって いいんだよ、とおにいさんが ぱんだをなだめます。


はだかに なった おにいさんに つれられて ぱんだは うまれて はじめて せんとうに はいりました。

なかは ゆげが もわもわとして、とても あたたかいです。

ぱんだは せんとうが あまりにも あたたかいので、ゆぶねに はいるまえに きもちよくなって、ゆかで ごろごろ してしまいました。


そのあいだに おにいさんは さっさと からだを あらいます。

そして、ごろごろしている ぱんだを じゃぐちの そばまで ずるずると ひきずっていき、しゃわーで おゆを じゃぶじゃぶ かけました。


じゃぶじゃぶ

じゃぶじゃぶ

ごしごし

ごしごし


あたたかい おゆを かけられ、かゆいところを おにいさんが かいてくれるので、ぱんだは きもちよくて たまりません。

ごろごろと しながら、やがて うとうとと してしまいました。

ふうっと おにいさんが ひといきつき、ぱんだを あらいおえましたが、ぱんだは すっかりゆめのなかです。

ゆぶねに つかっている ゆめをみているのか、ときおり まえあしで おゆを かくような しぐさをしています。


しかたが ないので、おにいさんは ぱんだを そのままにして ひとりで ゆぶねに つかりました。

うとうと

おにいさんも すこし うとうとしたあと、もういちど ぱんだを みましたが、ぱんだは いっこうにおきません。


ぐーぐー

ぐーぐー


やがて おにいさんは すっかり のぼせてしまいました。

あがりたくなったので、ぱんだを おこそうと しましたが、ぱんだは ぜんぜん おきません。


ぐーぐー

ぐーぐー


さて こまった。

おにいさんひとりでは ねているぱんだを つれてかえることは できないのです。

おにいさんは しばらく ぱんだを ゆすったり かるく たたいたり していましたが、ぱんだは きもちよさそうに くちを むにゃむにゃ させるだけです。

そのうち、せんとうが へいかんの じかんに なって、いりぐちに いた おばあさんが よびに  きました。


きょうは もう おわり ですよ。


おにいさんは こまって おばあさんに いいました。

ぱんだが きもちよすぎて おきて くれないのです。

きもちよさそうに ねむる ぱんだと、ぱんだが ねむるほど このせんとうは きもちいいのだ とほめられたことに きを よくした おばあさんは、いいました。


そんなに ここが きに いったなら、ずっと いたらいいよ。


そうして、ぱんだと おにいさんは、せんとうに すむことに なりました。このせんとうは「ぱんだせんとう」として ひとびとに したしまれ、すえながく あいされつづけました。


おしまい

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