あの現象
どうやらこの銃は電磁加速式投射銃のようだ。
奴等の戦車の装甲を貫く事は出来るものの無力化には至っていない
とき既に一つ分の弾倉を使い切った。
残りは二つ分であるものの運んで来て貰っているので少しずつ増えている。
中尉と他二人が囮として前で戦ってくれているものの建物の瓦礫を盾にしながらなので、次の砲撃でいつ崩れるかが分からない
「装填完了」
弾倉の交換が終わったら再び射撃態勢に移って敵戦車に対し攻撃を再開する。
しかし中々沈黙しないものの砲塔に命中した一発が弾薬庫に被弾したのか一撃で吹き飛んだ。
残りは3両…内1両はもはや貫通痕だらけで動けているのが奇跡的である。
「中尉から伝言です!砲塔を狙えだそうです!」
俺はすかさず砲塔後部をしっかり狙い定めて残りの弾倉分を使い切って、敵戦車を1両まで減らした。
随伴機械歩兵も中尉の囮班が掃討を終え、穴だらけの敵戦車に接近している。
どういうわけか攻撃してこなくなった。
その様子に俺は走り敵戦車の上によじ登った。
「気を付けろよ、中から何が出るか分からんからな」
中尉の注意はさておいて上部ハッチを開けた瞬間に前車内部に引き摺り込まれた。
ハッチは自動で閉まりロックが掛けられていた。
「また会ったな、これで二回目だ」
アキュロス語を理解しているグーペンリュート兵は極稀だ。
しかし二回目と言われると何か引っかかる。
「お前が死にかけていたところを記憶だけ過去に送った。今日は生きている。だがもう時間だ。和平の糸口を作ることすら今回も叶わなかった…だからもう一度私とて」
辺りが光に包まれると同時に過去に送り出していたのは彼だった。
更に身に覚えのない記憶が流し込まれていて、グーペンリュート軍もどうやら主戦派と共存派とで揉め事が起きている中でアキュロス帝国と戦争をしているのが判明した。
次起きる頃にはまたあの場所だろうとそう思っていたが…見知らぬ施設の中で目覚めた。
「さあ始めるよ、基礎的な戦闘訓練と身体の特性を理解しておこう」
ガラス越しからアナウンスしているグーペンリュート兵が居た。
それに加えて個人通信で聞き覚えのある奴の声が
<今回も成功したようだ…互いに潰し合う世の中を無くそう、俺達の手で変えて行くんだ>
アナウンス通りに身体を動かし変異アーマーの調子を確かめる。
「良いね!」
射撃武器の確認も終えて量子マテリアルアーマーの耐久値を確認しようとすると他の技術研究員が驚いていた。
「いっ……1極アーマー強度だと!?」
「何ッィ!?機動要塞級くらいはあるぞ!?」
「主任!これなら主戦派を黙らせれそうです!帝国内部に潜伏させて密かに協力を仰ぎましょう」
俺を記憶転送させた奴が首を縦に振って各々の作業に取り掛かっていた。
「私も全力で取り組む、またいつものの場所で会おう」
そう言って俺はまた再び視界が光に包まれた後、全ての元凶となった青い船の残骸の民間調査団の一人として屈んでいた。
手に持っているのはブラックボックスデータだ。これを持ち帰る事によって帝国防衛軍が編成される…EmpireDefenseForce、略称もとい通称EDF誕生の大元だ。
「大手柄だぞ新人君、早速持ち帰って分析だ!」
「はい!」
そう返事して例の時間が始まる。
ここから始まる20年の戦いが…