ep.6 牧野羊子
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1週間無事、李世界おじさん大池徴兵からの奇襲はなかった。
あれから結局会社には行っていない。無断欠勤というより毎日メールで"体調不良の為、本日は休ませて頂きます。"と会社にメッセージを送るだけ。数路は思考を巡らせる。
"なぜ会社から電話すら来ないのだろう。ちょっと一昔前なら無断欠勤や体調不良でも必ず電話が会社からかかってきたものだ。今や会社規定には欠勤、退職の旨はメールでかまわないとまで記載されている。徐々に人間らしが消され民衆の更なる家畜化が進んでいるんだと感じた。
数路と図書館で再会した同級生槙野羊子とは互いのSNSで繋がったがあれから何らメッセージも来ないまま。
"図書館はあれから行っていないので後日行ってみよう"数路はそう思った。タバコに火をつけ思考する。
"異世界的な小説や漫画やアニメは"スキル"というアイテムを使える。あの黒い霧を消すのは自分自身の異世界モノでいう"スキル"なのだろうか?"
"確か大池の首からぶら下がていた社員証を思いだす。そこには確か"異世界"ではなく、"李世界おじさん大池徴兵"と記載されていた。なんで"異"ではなく"李"なのだろう。しかし大池は"い"と発音していた。普通は"り"だろう。"李"という字をいろいろ調べてみよう。"
パソコンで調べた結果、ハングル語の発音で"李"は"イ"と発音することがわかった。
"なるほど、それで"いせかい"と言っていたのか"
数路はこの牧場主(中央銀行所有者)傘下の牧場(国)の牧師は"李"ということなのだろうと推測した。
"なぜ大多数の民衆は気づけないのだろうか..... やはり愚家畜化はすでにコンプリートされているのだろう"
数路は何か悲しく感じた。
"もしかしたら"得体の知れない違和感"というスキル能力によってここまで気づけたのかもしれない。大池の説明もあったからだが。気づいてしまったが故に大池にも狙われたわけだし。今わかっているスキル能力は"違和感を感じることで既成概念をうたがえるスキルと黒い霧を吸い込むスキルが使えるということだ"
数路は立ち上がりふぅーっと息を吐く。そして夕飯の準備に取りかかった。
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翌日、数路は牧野羊子を訪ねる為、図書館へと向かった。
図書館に到着。受付に尋ねる。
数路「牧野さんは今日、出勤なされていますか?」
図書館の受付「実は.......」。受付は何か言いずらそうな面持ち。
図書館の受付「先日、お亡くなりになりまして....」
数路「えっ!なんでですか?」
図書館受付「個人情報もありますのでお亡くなりになったとしかお伝えできません。本当に申し訳ございません。」
受付の方も哀しそうな雰囲気だった。
数路は度肝を抜かれた。なんで死だんだ。連絡するねとこの図書館で1週間前に約束をしたばかり。メッセージは送られてこなかった。何があったのか?
数路は思考を駆け巡らせた。とりあえず図書館を出て図書館前にある喫茶店に入ることにした。
若い女性店員「ご注文は如何なされますか?」
数路「コーヒーお願いします。」
数路はコーヒーを注文。
思考を張り巡らせる数路。
牧野羊子と先週話した会話を思い出す。
"「あちこちに見張り役みたいな人がこの図書館にも街中にたくさんいるのよ。ここの職員にも見張り役らしきな人も実はいるのっ!」"
"まさに".見張り役".があの場にいたのかもしれない。もしそれが暗殺だとしたら。数路は責任を感じる。あの時、此処は人間牧場だという話をしてしまったこと。もしかしかたら牧野羊子自身も此処は人間牧場と理解していたのかもしれない。そして今この喫茶店にも見張り役がいるかもしれない。明日にでも牧野羊子の実家に話を聞きに行こう"
心の中で手を合わせ牧野羊子へ合掌した。
"とにかく事実を調べないといけない。"数路はそう決心した。
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