՞⩌⌯⩌՞)野いちご……
「全く……竜也は暴れすぎだよ」あむんっ
僕はすっかり疲れたので、プリンを一口食べる。
「お前こそ数十本は倒したぞ」あむんっ
竜也も呆れながら、プリンを一口食べる。
それにしても部屋にあったリュックがまさか
無限収納出来るバックだったなんてびっくり
良かった〜プリン持ってこれて
「所でここに来てからずっとプリンを食べてるが、飽きないのか?」あむんっ
「え?プリンって無限に食べられるけど?」
「お前なぁ……」
僕達はてくてく歩いて、元の家から結構離れた所までやって来た。ジャングルはまだまだ
続いているけど、地面に生えている植物がちょっとずつ変わって来ている。
「おっ……あれ野いちごじゃないか」
「見えるけど……む」
確かにザネムの視線の先には真っ赤な色をした野いちごみたいなのが横たわって生えてる
しかしだ、まだ僕の舌はさっきのしもつかれ+αをしっかり記憶している。だからずっとプリンを食べながら歩いていたのだ。
「どうせ不味いに決まってんよ……プリンの方がいいや」あむっ
「そうか?じゃ俺が頂くとするか」
たったった、とザネムは野いちごに駆け寄り
摘み取ったそれを口に放り込んだ。あーあと
僕は思ったのだが
「あれ?」
「どしたよ、まさか味がしないとか?」
「それが……さあ」
彼は口の回りについた苺をぺろりと舐めて、
こっちににんまりと笑ってみせた
「美味いぜこれ」
「え?!」
びっくりし僕は思わずプリンの空容器を地面に落としてしまった
「そんな都合いいことあるわけ……」ぱくっ
「うっ……」それは夏の日の終わり、縁側で
好きな子と手を繋いだ様な衝撃だった。砂糖の様な下品な甘さでは無い、凄まじい味
「うっっっっまあああああああああ?!」
「だろ?」
残念ながらしもつかれ+αは吹っ飛んでしまい
脳内は直接注がれた様に野いちごで満たされ
「ん……でもこれって虚構じゃん」
「虚構でも美味けりゃいいよ」ぶちっ
「そうだね」ぶちっ、あむっ
こうして、しばらく野いちごを食べていた僕らだったが……それをよく思わない何かが近づいてる事に気づかなかった
「あら?」そこら中に生えていた野いちごを
食べ尽くし、膨らんだお腹を空に向けて寝ていると、何かが走って来る音に気づいた
「なんか走って来ない?」
「まさかぁ、ここに生物は居ない筈だぜ」
「でも何か」
僕は身体をひょいっと起こし、辺りをきょろきょろ見渡した。そして、視界に映ったのは
「し、柴犬……?竜也、柴犬がいるよぉ」
「はぁ?めんどくさいな」
舌を出して、こちらと少し離れた距離にいる
柴犬であった。テレビで見たことある様な普通の大きさの柴犬だ
「野いちごを食べにきたんじゃねぇの」
「え〜?みんな食べちゃったよ」
「じゃ、てきとーに何かあげとけ」
「わかった」
僕は竜也のリュックからプリンを一個取り出して、柴犬の目の前に置いた
「ほ〜ら、美味しいプリンだよぉ」
が、柴犬は目の前のプリンには目もくれず
本性を剥き出しにしたのか、僕の腕に噛み付いた!!!
「いっだああああああああああああ!!!」
「ど、どうしたよ!!」
すぐさま起きて、状況を確認する竜也、血は出ないけどじんじん痛む僕の腕、威嚇する柴犬
「噛み付かれたよぉ……いたぁい……」
「ちっ……やはり犬は犬か」
ザネムは柴犬を思いっきり蹴飛ばした。涙を流して、柴犬は逃げていった
「竜也ひどぉい……蹴らなくても」
「いや、ここゲームだしさ」
"経験値を1ポイント獲得しました。ザネム様はレベルアップまで後 388555ポイントです
「何か声がしたね」
「あ、ああ……まさか?」
何かに気づいた顔をして、ザネムはデバイスに
「ステータスオープン」と叫んだ
すると、空中に緑色のこんな四角が出た
「_____________________________
ユーザーネーム ザネム(レベル1)
攻撃力 3
防御力 1
かしこさ n
HP 4686868/4586432
次のレベルアップまで 388555ポイント
________________________________ 」
「やっぱさっきのは敵だったのか……」
「わ……」
それを見ていると、僕も出してみたくなり
同じくデバイスに語りかけた
「ステータスオープン!!」
すると、ザネムの四角の横に
「_____________________________
おなまえ まな(れべるひとつ)
ぼうりょく 3
まもり 1
あたまのよさ すっごいわるい
げんき 4686868/4675686
もっとつよくなるまで すっごいたくさん
__________________________________ 」
「え〜何これ!?」
「これはひどい……人により違いはあるとはいえ」
「て言うか"あたまのよさ すっごいわるい"
って何?!失礼すぎない!」
「さーて……もっと先に行ってみるか」
「あ、ちょっと!!!あんの体育教師、戻ったら絶対ぶん殴る」
僕はさっき噛まれた腕を押さえつつ、ザネムに着いていった