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※皇子のなりかわりはもう受け付けません!

第一章①〜転生先は戦争真っ最中!?〜

私は三島瑠夏(みしまるか)。ごく普通の女子高校生、いや少し普通ではないけれど女子高生だ。

中学校を卒業し、お嬢様学校に入学した私は毎日楽しく過ごしている。

きっとこれからもそのはずだった...なのにっ!!!

「一体何なんですかぁぁぁぁぁっっっ!!!!????」

放課後の掃除時間に立ち寄った教会に近づくといきなりブラックホールのような巨大な穴が現れた。

「ちょっ!!!誰かいませんかぁ!!???」

普段立入禁止の教会に入った私も悪いと思うけれど、一体これはどういう状況なの!?

吸い込まれそうになりながらも必死に近くにある柱にしがみつく。

この穴に吸い込まれたらとんでもないことが起きるような気がする...

それどころか、命の危機だって感じてきたところだ。誰かを呼ぼうと窓の外を見たとき、

「えっ!!!???」

誰かがいる!ちょっと助けてくださいよっ!!

影しか見えないけれど誰かがいることははっきりと分かる。

するとその人が近づくのと同時に徐々に穴が大きくなっていき、吸い込む風の強さも

だんだんと大きくなってきた。私の周りにあったきれいな花やグランドピアノ、マリア像が

すべて吸い込まれていく。ほんとに窓の外の人、助けろって!!

腕がしびれてきた。もう少しで体力の限界だ。

ついに教会の重い扉が開き、周辺にある木までを揺らす。何かが飛んでくるっ!!

「う゛っ...」

そこで私の記憶も途絶えた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

重たい音が頭の中に響く。焦げた匂いが鼻につく。若干足首が痛む。

ドラゴンのような鳴き声が聞こえる。

ん?ドラゴン?私は夢を見ているのか。そろそろ起きないと学校に間に合わなくなる。

次遅刻したらまた掃除当番になってしまうんだっけ。よし、起きるか。

「...おは」

目の前は黒く染まった焼け野原。たくさんの人が真っ赤な血を流して倒れ込んでいる。

空を見れば絵本で見て大きなドラゴン。周りには西洋の雰囲気を持った兵隊。刃物と刃物が

ぶつかった金属音が鳴り響く。

「...えええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!?!?!」

状況が把握できない。

「まって、ここはどこ!!?さっきまで私、掃除をしててー、」

記憶を辿っていく。

「教会に現れた謎の大きな穴...大きな穴?そうだった!!

私はあれに吸い込まれて...てかどこなのよお!」

変わり果てた風景に目を晦ませ、得体のしれない恐怖が湧き上がってくると自然と涙が出てきた。

「私、なにか悪いことでもしたのかなぁっ、、」

涙が止まらなかった。とりあえずここは危険だ。少し離れたところに身をおいたほうがいい。

とりあえず背後に見える大きなお城のような場所に向かって私は走り続けた。

走り続けると中庭のような場所にやってきた。

「とりあえず一旦、落ち着こ...!!!!!」

地面を見ると何かを引きずっているかのような血の跡があった。

「ひっ!!!!」

その血の跡が気になった私は恐る恐る辿っていくことにした。

すると、壁に当たった。え、行き止まり?そんなはずがない。

だって血の跡が...壁に手をついてみると

「わぁっ!!!」

壁が一回転回った。そう、これは隠し扉だったのだ。そこには中庭とは雰囲気が

また違った感じの庭園があった。真ん中に噴水がある。そういえば血を落としたのは誰だったのだろう。

「おいっ!!!貴様は誰だ!!追手なのか!?」

「えっ!!!??」

よく見えないが、噴水にもたれかかっている誰かが...いる。

「質問に答えるんだっ...お、お前は追ってなのか、?」

「いえっ!!違いますっ!!!迷い込んだものですっ!!!」

「ここに...迷い込むだとっ!?」

ひっ...すごく怖い声をしている。けれどどこかで聞いたことあるような青年の声だ。

「わ、私は追手でもあなたの敵でもありませんっ!!ただ本当に迷子になっただけで...」

そこにいる誰かが私に向かって手をのばす。

「そこのお前、僕のところに来い。」

腕しか見えなかったがすごく細くて透き通った肌の色だった。だから血が流れているのすぐに分かる。

「っ...お前、一体何者だ?というか、僕と同じ顔をしている...」

息を呑んだ。とても整った顔立ちにガラス細工のようにきれいな瞳、筋が通った鼻筋に、少し赤く染まっている唇。おまけにすらっとした手足。身長は私と同じくらいに見えるがどこか堂々とした雰囲気がある。きれいな金髪をした少年に私はすごく見とれた。世の中にこんな人がいたんだ。

「会ったこと…ありません、!しかも滅相もございませんっ!あなたのような美少年が私と似ているとか、」

返答が遅れてしまった。なんだか不思議と懐かしい感じがするのは気のせいだろうか。よくよく相手の顔を見れば少し私に似ているところもあった、ような。パーツは私のほうが断然劣っているが、何かを感じる。

「それより怪我がっ!!!!」

彼の体を染める真っ赤な血はいつまでたっても止まらない。

「ふっ...お前は敵じゃないようだな」

笑った...男子の笑った顔を見るのはいつぶりだろう。すごく綺麗。

「お前、名はなんという?」

「え、えーと、瑠夏、ルカですっ!!貴方様は?」

「エヴァンレニ...この国の第2皇子だ。」

「...は?」

これが彼との出会いだった。

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