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さんまいめ  作者: taka
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明衣 part2

 じゃじゃん! 再び明衣だよ! 少しだけお話させて。


 あの夜、たった2人しかいないリビングでポツンと点いたテレビの前で青白いスポットライトを浴びながら、まるで意気揚々と身振りだって加えて、どこかの誰かからの言伝を伝えるみたいに、只々一生懸命話すおねぇちゃんの姿は不思議な言い方だけど、本当に嘘みたいに格好良かったの。

 色々話していく途中でお姉ちゃんはベッドの中で私が聞いた、死んだ後の事も教えてくれたんだけど……それって間違いなく嘘なの。だけど、不思議なものでお姉ちゃんが一生懸命、嘘を重ねる度にもしかして本当かもって気持ちとそんな訳ないじゃないって気持ちが入り混じって入り混じって……いつの間にか笑っちゃうの。

 雲の上の国にいる少し情けない顔をした総理大臣のウサギさんの話。笛ラムネを食べ過ぎてしまったとある男の子の話。蒲焼さん太郎を食べ続けて40年の稲川さんの話……

 夜だってことを忘れてしまうくらい、私は何度も何度も笑ったなぁ。


 あの夜、私は死んだ後の事を聞いたけど、おねぇちゃんの姿から私は生き方を教えてもらった気がした。

 人ってこうやって生きていくんだよ、って。綺麗すぎてそれこそまるで嘘みたいだけど、目の前の人を笑わせるって事はこんなにも素敵なんだよって事を教えてもらった。

 その事だけを私は5歳からだから……約12年間一度だって忘れたことは無かったの。


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