一話 序章
拙い文ではありますが、これから時間をかけて投稿していきたいと思っています。
少しずつではありますが、話を増やしていきますので感想・アドバイスたくさんして頂けると光栄です。
星空の下、一部だけ空を明るく照らす場所があった。
周りは木で囲まれ、人里離れた場所にある建物。
真四角の窓もない真っ白な建物、異様なそれは、燃えていた。
「ハッ、ハッ、ハッ、ハァッ……!」
そして走り去る男がいた。
白衣を砂埃で汚しながらも、ただひた走る。
「ハッ、ハァッ…!…ぅあっ!」
木の根に躓き転ぶ男の背後には、燃え朽ちつつある建物。
朽ちた壁から覗くのは、七人の子どもの影。
「ハァ…ッ、ハァ…ハァ…!すまない…。すまない…!」
呟きながら、立ち上がり、走り出す男。
依然、子どもの影は動かない。
逃げることも、泣き叫ぶことも無く、七人が円になって座っていた。
ただ一人、その中の少年が遠くなる背中を見つめていた。
「…っ。次こそは…!」
「……次こそーー」
男の言葉は、息切れに混じって虚空に消え、男を見つめていた子どもの呟きは、落ちてきた瓦礫の下に閉ざされた。
やがて星空を照らしていた灯りは小さくなっていく。
照らされていた事で消えていた星達は、いつの間にか帰ってきて、いつもの様に地上を見つめていた。