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転生したらやることなくなってたので自由気ままにチートライフ  作者: 朱染 雷音
〜序章〜 転生とチート
5/13

5. セブン

「そろそろ着くころか。

 何もなく無事に着いていればいいんだが」


「そうね、そろそろのはずよ。

 でも心配要らないと思うわ。

 私たちに着いて来てくれた子が連れて行ってくれているし、

 何よりあの子には守ってくれるものがいるわ」


「そうだな、あれにも驚かされてしまった。

 あの子には本当に驚かされっぱなしだったな」


「ほんとね。

 結局生まれてから2日で少年と呼べるくらいの見た目まで育ってしまったわ。

 既に喋れる様になっていたし、

 女神様に言葉やスキル与えてもらったと言っていたし。

 驚きすぎて開いた口が塞がらなかったもの」


「俺たちの話もまじめに聞いてくれて、

 強くなったら俺たちを探してくれるとも言ってくれた。

 生まれて2日とは到底思えなかったよ」


「何はともあれ、あの子を送り出すのが間に合ってよかったわ。

 あの子は何が起こってももう大丈夫でしょう。

 私たちは自分の心配をしなきゃね。

 この状況をどうにかしないと」

 

「そうだな。

 えっと、30人くらいか?

 ずいぶんとなめられたもんだな」


「そうね。

 私たち二人を相手にこの程度なんて。

 ほんと舐められてるわ」


「ま、誰に喧嘩を売っているのか、

 すぐに理解できるだろう」


「理解できるまでの時間があるのかしら?」


「ははっ。それもそうだな。

 んじゃ、一仕事やりますか」


「ええ、いきましょう」









~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



丁度その頃、クロスの方はというと・・・



クロスは馬車の幌の中に居た。


御者は両親に付いて来たという騎士だった。

名前はブルータスと言っていた。


両親は自分たちは命を狙われていて、とても危険な状態にあると話していた。


俺を連れてはいけないので師匠のところに預けるから

この人についていくようにと。


俺は両親の言葉に従うことにした。

この世界のことについて何も知らないし、

チートを貰ってはいても、生まれてまだ2日で戦闘も覚えていないし、

足手まといにしかならないと思ったからだ。


両親の師匠の元で強くなって、冒険者として旅をしながら親に会いに行くと約束した。



そんな事を考えていると、ヒヒーンと馬が嘶き、馬車が停止した。


「ブルータスさん、もう着いたのですか?」


「そうですね。もうすぐと言ったところです。

 お師様は結界を張っていらっしゃると伺っておりますので、

 その結界を抜ける方法をご両親より言付っております。

 その方法を実行いたしますので、クロス様も馬車をお降り頂けますでしょうか」


「わかりました。今降ります」

と、俺が馬車を降りようと、幌から頭を出そうとすると、

白い閃光に包まれると共に、

ガキーンという音が聞こえた。


視界が回復すると、

そこには真っ白な馬が佇んでいた。

いや、正確には、真っ白に見えながらも、

光の加減で金色に見える部分もある。

所謂プラチナと言えるだろうか。

そして、額に金色に光る角が生えている。

ユニコーンだった。

そしてそのユニコーンには、頭絡や鞍など乗馬に必要な道具が既に取り付けられ、

その馬具の留め金はすべて十字架になっていた。

それは俺のネックレスのデザインにとても似ていて―――――



『ご両親殿から襲撃があるかも知れないと聞いて警戒していましたが、

 よもや貴方が襲ってくるとは。

 まぁ、可能性は考えていましたが。

 それでも一番可能性の低い襲撃方法とは思ってもみませんでしたね』


「なっ!? ユニコーンだと!?

 ランクAの魔獣がなぜこんなところに!

 喋るユニコーンなど聞いたことも無いぞ!」


『貴方の質問に答える義理は無いですね。

 私の主様を殺そうとは・・・愚の骨頂です』


ユニコーンはそう言い放つと、


鍔迫り合いとなっていた大剣(鑑定によるとクレイモアだそうだ)をはじき返し、

返す角でブルータスの胸を突き刺した。


「がはっ」

ブルータスは口から血を流し、息絶えた。


ユニコーンは頭を振り、”それ”を振り払うと、

俺のほうを見た。


その流れをずっと見ていた俺は、なぜかとても冷静で。


ユニコーンをみていると、なぜか安心するのだ。

それは、俺のつけている、ユニコーンと十字架でデザインされたネックレスに感じるものと同じもので。


って、あれ?

俺のネックレスがなくなっている。


・・・まさかの?


『主様、驚かせてしまって申し訳ありません』

と、頭を下げてきた。


「主様って、俺のこと?」


『そのとおりです、主様』


「あー、確認なんだけど、もしかして俺のネックレス?」


『あぁ、そのとおりでございます。

 私を認識して頂けていたのですね。

 とても嬉しいのです。主様』


「うん、ユニコーンだったり、十字架のデザインがまるっきり一緒だったからわかったけど、わからない。

 えっと、君は何がどうしてそうなったの?」


『私は今も主様のネックレスです。

 それは変わりません。ですがあえて私を表すのならば、

 "九十九神"と呼ばれる存在となるでしょう』


「九十九神ってあれだよね?

 この場合は、長年使い続けた道具に神や精霊が宿るっていう九十九神のことだよね?」


『その通りでございます』


「えー、でも待ってよ。

 使い続けるって言っても、君も俺も前世で生まれて22年しかたって無いよね?

 九十九神って最低でも百年は使い続けたものがなるんじゃなかったっけ?」


『はい。それについても理由は多々あり、疑問は尽きないと思いますが、

 今はこの場を移動した方がよいかと思います。主様

 襲撃が他に計画されていないとも限りませんので』


「確かに、確かに言う通りなんだけど・・・

 あー、もう、後でちゃんと説明してもらうからな!」


『それはもちろんでございます!

 ここにくるまでにもずっと主様とお話したいと思っておりました。

 今回のことがあったので必死に我慢しておりましたが。

 私のほうからお願いしたい位でございます!』


「お、おう、そうか」


『はい!ところで主様、不躾ながら一つ、いえ、二つお願いがございまして・・・』


「ん?なんだ?」


『はい、まずは私に名前をつけていただけないかと』


「む、名前か。確かに、ネックレスと言えどもユニコーンになれて

 意思があって会話できるなら名前が無いと辛いな。」

ふーむ。

名前、名前ねぇ・・・


ユニコーン・・・ 

十字架・・・

・・・教会?


「ところでお前って、従魔とかになるの?」


『私の位置づけは現在インテリジェンスウェポンとなっています。

 これらが主を選んだ際には、主様の"使い魔"という位置づけとなります。

 正直"従魔"と"使い魔"の差はそこまで無いのですが、

 少し長くなるのでその説明はまた後程でおねがいできますでしょうか?」


「うん、なるほど。

 あと、確認なんだけど・・・性別は?」


『一応私の精神はメスで認識しております』


「なるほど」


 だったら・・・


「うん、お前の名前はこれから"セブン"だ」


『セブンですか!素敵な響きです。

 主様、ありがとうございます』


「おう!

 で、もう一つのお願いって何?」


『それは、ですね・・・』




「えーと・・・?」


『わわ、私に乗ってください!』


「の、乗る?

 ってーと、背中に乗って移動するって事か?」


『そ、そうです!

 是非私に乗って頂きたいと思います!』


「なんだ、そんなことか」


『そんなことなんて酷いです!』


「え!?」


『私たちユニコーンにとって、主と言うべき方を見つけるのですら奇跡に近いのです!

 そんな私たちにとって主に背に跨って貰う事は、

 人間で言う生涯を共にする事と同義なのです!


 私たちは自分の背に主を乗せることに誇りを持っています!

 背に人を乗せると言うのは、"私は死ぬまでこの方の物だ"と

 "私の命は主様と共にあるのだ"と言う意味を持つのです!

 背中に主様を乗せることは私の誇りであり夢なのです!』


「そ、そうか、ユニコーンがそんな種族だとは知らなかった。

 色々と聞きたいことも増えたんだが、とりあえず、

 あー、ここを移動しようか」

 

なんでユニコーンの事そんなに知ってるのかとか、

俺が主でいいのかとか、なんでそんなに忠誠心高いのかとか

聞きたいことは山ほどあるけど、あるけど!



「で、俺はついて行けばいいと言われて師匠様の所までの道のりを

 教えてもらえてないんだが、セブンは聞いているか?」


『はい。

 もしものことがあった時のためにと言うことで、

 私もお伺いしております。

 まずは、そこの獣道の前で、"あぶらかたぶら"と唱えるそうです』





「・・・・・・え?なんだって?」





_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/



はい。出落ちキャラでしたねー。ブルータス


ま、ブルータスですし。


次回は御師様とご対面!!


セブンの由来、わかる人いるかなー?


ユニコーン・・・

教会・・・






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