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転生したらやることなくなってたので自由気ままにチートライフ  作者: 朱染 雷音
~第一章~ 冒険者と十字教
11/13

11. 冒険者ギルド

読んでいただいている皆様、大変お待たせ致しました。


年末年始で、インフルエンザ→ノロウィルス→風邪でノックアウト状態でした・・・

これからまた書き始めますので、よろしくお願いしますです。



「お、ここが冒険者ギルドか!」


「ええ、そうなるわね」


俺とヨミは現在ノウス迷宮都市の冒険者ギルドの前に来ていた。


この世界は、一つの大陸とそれを取り囲む4つの島で構成されている。

大陸はセータ大陸と言われ、そしてその大陸を囲むように、

左上から時計回りで"ノウス","ノイス","サイス","サウス"という島がある。


セータ大陸には5つの迷宮、各島には1つずつ迷宮が存在している。


セータ大陸にある迷宮はそれぞれ、

"ノス","イス","サス","ウス"そして"セータ"の5つ。


そして今居るのがノウスの島の大迷宮のある都市、ノウス迷宮都市だった。


御師様曰く、セータ大迷宮から一番離れた"ノウス"か"サイス"の魔物が一番弱いのだという。

逆にセータに近いほど魔物が強いようだ。

迷宮自体はどの地域でも奥に進めば進むほど強くなるらしく、

御師様でも最後まで探索できた迷宮は無いと言っていた。



さて、ここで俺達がなぜノウスに居るのかというと、

ここノウス地方には、翼人族が主に生活しているらしい。

そしてサイスには獣人族が主にいるそうだ。


俺達二人は改めて一緒に冒険者として活動することにしたのだが、

ヨミは獣人族の生まれである。


獣人の多い地方では、ヨミを知っている者たちに出会う可能性が圧倒的に高く、

魔王と呼ばれたヨミが近づくことは危険すぎると判断し、

ノウス地方での探索から開始することにした。


「いよいよ冒険者か!

 わくわくするな!


 ・・・・

 ツクヨミ!」


ヨミの名前は知られているため、

転生前の名前と合わせてツクヨミと呼ぶようにした。

間違えてヨミと呼んでも誤魔化せるようにである。


「私は以前活動していたから・・・

 嫌な思い出しかないけれど・・・」


「あー・・・

 こ、今度は俺と二人なんだし、

 前みたいに楽しくやろうぜ!」


「まぁ、そうね・・・

 前みたいになることは無いと思いたいわ

 (アンタなら・・・ね)」


「御師様のところで修業もしたし、

 そうそうやられることは無いだろ」


「そうね。

 あんたが規格外だってのがよく理解できた3ヶ月だったわ・・・」


「・・・そうなんだよなぁ

 俺もまさかここまでとは・・・」


そう、御師様のところで修業した期間は三ヶ月である。


なんでかって?

俺の成長チートがマジでチートだったんだよ。


_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/


成長促進 R3

 成長を促進する

  (SLv=促進値)


成長値増加 R5

 成長値が上がる

  (SLv=成長値)


経験値増加 R5

 経験値が増える

  (SLv=経験値)


_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/


この三つが規格外だった。

まず、入手経験値なのだが、これらのスキルは全てレベル5である。

なんと、1ポイントの経験値を得ると、1×5×5×5で、125となるのだ。

そう、125倍なのである・・・


経験値だけでも125倍になるのだ。

この世界のひと月は全て30日構成で、12ヶ月で1年なのは元の世界と一緒だった。

なので、1年は360日である。

3ヶ月・・・90日修業したとして・・・

俺はなんと、普通の人が30年かけて取得する経験値を

3ヶ月で取得してしまったのである。


経験値取得量がおかしいからなのか、

物覚えもすごくよかった。


普通の人が数年修行して取得するような技術を

1週間程で覚えてしまうのだ。

御師様も終始苦笑いだった。




そして次に鍛錬値である。


なんと、鍛錬値の増加量は、

25倍だったのである・・・恐らく経験値増加だけ適用されていないのだろう。


そして、あのスキルを思いだして欲しい。

あのスキルだ。


"完全健康体"


こいつの効果を覚えているか?


そう、寝て起きたら、その日の取得鍛錬値が倍になるという・・・




その通り、鍛錬値は50倍になるのだった。


そして更に、鍛錬値によるステータス増加量なのだが・・・


恐らく成長値増加が発動しているのだろう。


ステータスが5づつアップしていた。


・・・俺の今のステータス、おかしいんだよね。

俺まだレベル1なのに。


え、どうなったかって?


・・・こうなちゃったんだよねぇ


_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/


名前【十字に愛されし者】

クロス・クルクス・スタヴロス


種族

四人族


年齢

1歳


職業

従魔術師 Lv.1


HP 4938/4938 [+1625]

MP 5390/5390 [+2125]


力 3768 [+1625] (14090/21200)

防 3818 [+1675] (14090/21200)

魔 4750 [+2125] (890/26000)

抵 4750 [+2125] (890/26000)

器 3548 [+1625] (16340/18950)

敏 4655 [+1625] (12890/30000)

知 4748 [+2125] (890/26000)


魅 1635 [+1625]

運 1635 [+1625]


職業スキル

 従魔術[1] R2

  従魔契約

  従魔解放


固有スキル

(ケルト)

 インターネット[3]

  検索

  地図

  通販


スキル 

 鑑定[5]      R2

 成長率増加[5]   R5

 成長促進[5]    R3

 経験値増加[5]   R5

 ステータス隠蔽[5] R4

 ステータス確認[5] R4

 感覚強化[5]    R3

 空間感知[5]    R3

 火魔法[5]     R1

 水魔法[5]     R1

 風魔法[5]     R1

 土魔法[5]     R1

 雷魔法[5]     R1

 光魔法[5]     R3

 闇魔法[5]     R3

 召喚魔法[5]    R4

 空間魔法[5]    R4

 転移魔法[5]    R4

 鷹の目[5]     R2

 魔力感知[5]    R3

 剣技[5]      R1

 スラッシュ

  連続突

  連続斬

  二刀装備可

 短剣技[5]     R1

  連続突 

  連続斬

  短剣二刀装備可

 鞭技[5]      R2

  強打

  空震

  巻き付け

  2鞭装備可

 投擲技[5]     R2

  連続投擲

  同時投擲

 解体技[5]     R2

 弓技[5]      R1

  ショット

  同時射撃

 大剣技[5]     R1

  パワースラッシュ

  攻撃範囲拡大

  大剣防御

  チャージスラッシュ

 威圧[5]      R4


装備スキル

 魔力回復速度10倍



アビリティ

 完全健康体    R5

 即死無効     R5

 瞬間解体     R5

 インベントリ   R5

 クールタイム1/5  R3

 剣スキル威力上昇 R2

 命中率上昇×2   R3

 投擲速度上昇   R3

 射撃速度上昇   R2

 魔力操作     R3

 剣攻撃威力上昇  R2

 全属性魔法耐性  R4


固有アビリティ

 全魔法強化    R4

   

称号

 十字に愛されし者

  十字に関するものの恩恵を受ける

   ・クロスワールドの加護

     全ステータス +10

      特殊効果

       一度足をつけた場所に転移できる。

       1kmで1MPを消費。

   ・スタヴロス家紋章

     全ステータス +5

   ・クルクス家紋章

     全ステータス +5

   ・異世界の十字架

     全ステータス+10

   ・古の大賢者(スヴァスティカ)

 全ステータス+10

   ・魔王(ラウブル)(ぼうりょく)

 全ステータス+10

   ・ケルトの妖精

 全ステータス+10


 出藍:古の大賢者(スヴァスティカ) R4

  古の大賢者シルヴィアの弟子となり、師匠を超えた者の証

   ・全ステータス+50


 マジックマスターR4

  全ての魔法を極めた者の証。

   ・全ステータス+100

     固有アビリティ

      全魔法強化(威力,効果,範囲が1~2倍)


 最強のLv1R5

  過去最強のLv1となった者の証

   ・全ステータス+100

     

     


加護

 祝福の女神アテナの加護

  祝福の女神から祝福された証

  全ステータス +15

  

  

装備

 祝福のネックレス

  装備条件

   クロスのみ装備可能

  効果

   MP+100

   防+10

   魔+100

   抵+100 

   知+100

   魅+10

   運+10

  特殊

   インテリジェンスアクセサリ(セブン)



_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/


はっはっは!


やっちまった感しかないよね!!


御師様の覚えてたスキルとアビ、俺も全部覚えちゃった。

そして称号が・・・


Lv1で、御師様超えちゃった・・・


正直、こんなステータス鑑定でもされたらアウトすぎるので、

ステータス隠蔽を掛けた。


_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/



名前

クロス


種族

半人族 竜獣人,白翼人のハーフ


年齢

25歳


職業

従魔術師 Lv.1


HP 4938/4938

MP 5390/5390


力 3768

防 3818

魔 4750

抵 4750

器 3548

敏 4655

知 4748


魅 1635

運 1635


職業スキル

 従魔術[1] R2

  従魔契約

  従魔解放



スキル 

 鑑定[5]      R2

 感覚強化[5]    R3

 空間感知[5]    R3

 火魔法[5]     R1

 水魔法[5]     R1

 風魔法[5]     R1

 土魔法[5]     R1

 雷魔法[5]     R1

 光魔法[5]     R3

 闇魔法[5]     R3

 召喚魔法[5]    R4

 空間魔法[5]    R4

 転移魔法[5]    R4

 魔力感知[5]    R3

 剣技[5]      R1

 スラッシュ

  連続突

  連続斬

  二刀装備可

 威圧[5]      R4


職業アビリティ

 従魔術師の心得

 

アビリティ

 インベントリ   R5

 剣スキル威力上昇 R2

 魔力操作     R3

 全属性魔法耐性  R4


固有アビリティ

 全魔法強化    R4


 マジックマスターR4

  全ての魔法を極めた者の証。

   ・全ステータス+100

     固有アビリティ

      全魔法強化(威力,効果,範囲が1~2倍)


 最強のLv1R5

  過去最強のLv1となった者の証

   ・全ステータス+100

  

装備

 祝福のネックレス

  効果

   MP+10


_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/


ヨミと御師様と三人で話し合って決めた結果だった。


色々と理由があって、ステータス値を隠すのは問題があることが分かった。


なので、種族とか転生者とか称号とか、見られたらヤバいものだけを隠した。

武器スキルも、基本的には剣しか使わない予定なので、隠している。


ちなみにヨミはステータス隠蔽でこうなっている。


_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/



名前

ツクヨミ


種族

獣人族 黒猫,狐のハーフ


職業

火魔法使い Lv.31


年齢

23


HP 884/884

MP 511/511


力 592

防 468

魔 248

抵 248

器 386

敏 940

知 651


魅 32

運 20



職業スキル

 火魔法[5] R1


スキル

 従魔術[4] R2

  従魔契約

  従魔解放

  従魔等縮

  従魔召還

  従魔送還

  従魔合成

  従魔念話

 隠密[5]  R2

 雷魔法[5] R1

 闇魔法[5] R3

 短剣技[5] R1

  連続突

  連続切

  短剣二刀装備可

 投擲技[3] R2

  連続投擲

 解体技[5] R2


職業アビリティ

 火魔法の心得 R1


アビリティ

 高速移動   R4

 命中率上昇  R3

 投擲速度上昇 R3

 解体技術上昇 R3

 解体速度上昇 R3

 料理     R2


_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/


ヨミの場合、まず一番見られてはならない"魔王"の称号は速攻で隠蔽した。

次に転生者。

職業、スキル等は隠蔽していない。

隠蔽しなくても普通のステータスとなったからだ。


ちなみに、ヨミも転生者なので、固有スキルを持っているのだが、

こいつがまた恐ろしかったりする。


_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/


殺虫闘気 R5

 虫系のモノに対し、必殺のオーラを放つ。

 倒せるランク>SLv,効果範囲=10m×SLv

 使用者のスキルレベルより低い虫系のモノは即死する。

 SLvよりもランク以上のものは全ステータス1/SLvとなる。


_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/


地球に居た頃から"虫は滅びればいい"とよく言っていたのだが、

まさかスキルに反映されているとは。

しかもこのスキルはMP消費がない。

さらに驚くべきは、このスキルで虫を倒しても経験値が取得出来ること。

虫が外傷なくそのまま残るといったことだ。


そして既にスキルレベルは5になっていた。


そしてこのスキルを、逃亡生活の際に駆使していたのだろう、

隠蔽してはいるが、こんな称号が付いていた。


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 虫殺し極R5

一定量の虫又は虫系の魔物を滅した者の証

  全ステータス +20

 固有アビリティ

  対虫特攻極

虫系のモノに対する攻撃力が10倍になる。


_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/


ヨミ、ずっと発動し続けてたんだろうなぁ・・・

ちなみにヨミ曰く、この攻撃力10倍が付いたおかげで、

殺虫闘気の敵のステータスダウン効果が、1/50になったらしい。


対虫に関してだけ言えば、俺以上にチートだと思う。


ヨミさん、マジ魔王。


あ、隣から殺気を感じる・・・。






ところで、修行中に教えてもらったのだが、

魔法や従魔術などの職業スキルは、その職業になって、

少しでも経験値を取得した後は、職業を変えても使用できるという事だった。


ただし、職業アビリティだけは職業に依存するため、

どの職業に就いて置くかは結構重要であるとのこと。

なにせ、職業アビリティの"○○の心得"の効果はこうなっているからだ。


_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/


火魔法の心得

 火魔法の威力、成長が1.5倍になる

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/


なお、剣士の心得も同じような効果だが、

こっちの場合は1.2倍と少なくなっている。

これは、剣士の上位職が存在しているからだと思われる。

ちなみに、剣士(ソードマン)剣達(ソードマスター)剣聖(ソードエスカトス)と職があるらしい。

エスカトスとか・・・くっ静まれ俺の左腕・・・!


ようするに、何かに特化する際は、対応する職業に就かない手は無いというわけだ。


・・・皆も気付いただろうか。

心得のせいもあって、職業スキルの成長は"125×1.2倍or1.5倍"で、150or187.5倍だったりする・・・。

あはっ。



そんなこんなで、御師様の修行を終えてしまった俺たちは今に至る、というわけである。


「ま、まぁ、俺が規格外なのは置いといて、

 そろそろ、登録しちゃおうぜ!」


「・・・そうね。そうしましょうか」

と言いつつ、ヨミは俺にジト目を向ける・・・。


「あははー・・・」

と俺は愛想笑いを浮かべ、


俺とヨミは冒険者ギルドの扉を開けた。


・・・外観でわかってたけど、すんげぇ広い。


地球の政令指定都市の市役所くらいありそうだ。


受付が10個くらい有り、受付の右手には奥へ続く廊下と、

上下階へ続く階段があった。

・・・地下もあるのね。さすが迷宮都市。

また、建物1階の半分は飲食スペースになっているみたいだ。


と、とりあえず、受付受付・・・

って、受付はすべて女性が座っていた!

しかもみんな美人さんです!

ここの世界のギルドは、よくわかってるわー。

他のギルドがどんな感じなのか知らないけどね。

うんうん。


「あてっ」ペシッ!


・・・頷いていたら頭を叩かれてしまった。


「なにすんだよ!」


「・・・わからないとは言わせないわよ」


あっ魔王様だ!


「すいません!」


「・・・いくわよ」


「はいっ!」


俺に同意する以外の選択肢なんてありません。


「えっと、冒険者登録しに来たんだけど」

と、ヨミが受付に座っている人に話しかける。


この受付の人は、火属性の適正がとても高いのだろう。

髪、羽、目までもが赤色だった。

そして髪型はボブカット、雰囲気がとても凛々しそうで、

かっこいい感じでとても美人である。


言い忘れていたが、この世界の人は見た目に属性適正の色が確実に現れるらしい。

色が反映される部位は、

"右目","左目","髪","角","頭翼","背翼","尻尾"の7箇所があったりする。

ただし、角、尻尾を持つのは獣人(例外として背翼を持つ獣人もいる)、

頭翼、背翼を持つのは翼人族のみとなっている。


姿を見ただけで、どの魔法の適正があるのか分かるというのが、

この世界の厳しいところである。



「あ、はい、では、えーと、まず登録に当たって、

 一人1000ペルタが必要となります」


ペルタとは、この世界のお金の単位だ。

1ペルタが銅貨、10ペルタが鉄貨、100ペルタが銀貨、

1000ペルタが紙幣となっている。

この世界では既に貨幣が全共通になっていた。

ちなみに、そのまま日本円に換算してもらって問題ない。

物価も大体日本の通りだったりする。


「はい、二人で2000ペルタ用意しています」


「では、必要事項を紙に記入して頂きたいのですが、

 代筆は必要ですか?」


「「いらないです」」

 

「それでしたらまず、こちらの紙にお名前と種族、

 現在の職業、副職もございましたら副職もご記入ください。

 あとは任意となりますが得意な事や出来ることなどがありましたら、

 ご記入していただければ、パーティの紹介などもしやすくなりますよ」


「あー、当分は二人でパーティを組む予定なので・・・」


「お二人・・・ですか?」


「あー、まぁ、もっとメンバーが居た方がいいのはわかるんですけどね

 やっぱり初対面の人とは組み辛いといいますか・・・

 とりあえずは二人でやってみようと考えています」


「まぁ、それは人それぞれだと思いますが、

 無茶だけはしないようにしてくださいね?

 いつもそうやって新人さんが帰ってこないことが多くて・・・」


「あはは・・・まぁ俺たちは元冒険者だった人に鍛えてもらってるので、

 何も知らない新人よりは大丈夫だと・・・思います。

 っと、はい、書けました」


「はい、記入漏れは・・・大丈夫ですね。

 それでは、冒険者として登録させて頂きます。

 

 登録後は、パーティも登録しておきますか?」


「「はい、よろしくお願いします」」


「では、冒険者カードの作成に時間がかかりますので、

 その間に・・・

 いつもは冒険者についての説明をしているのですが・・・」


「あ、説明をお願いしてもいいですか?

 御師様からは戦闘訓練とかしか教えてもらってないので」


ヨミは一度聞いているが、俺は初めてなので、

お願いすることにした。


おや、受付の人・・・"リーナ・インバ―ンス"と名札が付けてあった。

名札は木の板に書かれていて首から紐で下げられていた。

それにしても・・・ス○イヤーズ?ニアピンすぎるだろ!


「あ、はい、わかりました」


・・・説明は少々長かったので、箇条書きにしてみた。


1.冒険者は冒険者ギルドカードを所持すること。

  ギルドカードは身分証となり、無くすと2万ペルタで再発行となる。

2.冒険者にはランクがあり、下から、D,C,B,A,S,SS,SSSとランク分けされている。

  Bランク、Sランクへのランクアップにはそれぞれ試験が用意されている。

  SSSランクだけは、4つの国(各種族の国が存在する)の全ての国王に認められたSSランクの者にのみ、

  与えられるランクである。

3.依頼の受注は原則同ランクまでとする。

  緊急時はその限りではない。

4.依頼の受注には受注金が発生する。

  依頼成功時には受注金は返還されるが、依頼の失敗時には違約金として扱うものとする。

5.ダンジョンへはBランク以上の者のみ探索できる。

6.冒険者同士の争いはギルドは関与しない。

7.犯罪を犯した冒険者は冒険者資格を剥奪し、犯罪奴隷として奴隷商人に引き渡すものとする。

8.冒険者の怪我や死亡についてはギルドは一切責任を負わない。

9.2年以上の冒険者活動がなかった場合はギルド登録が削除される。


という事だった。


「では、ギルドカードの方が出来ましたので、

 お渡しいたしますね。

 ギルドカードに血を1滴垂らして頂ければ登録完了となります」


カードを受け取る際に、リーナさんの指に触れてしまった。


「っ!」

リーナさんはビクッと体を震わせた。


「っと、すいません」


「あ、いえいえ、こちらこそ、すいませんでした! 


 ・・・今の感覚・・・なんだったのかしら・・・」


すいませんでしたの後に何か呟いていたが、よく聞き取れなかった。




まぁいいや、血を一滴ね。

俺もヨミもナイフを使って親指を傷つけ、ギルドカードに付着させる。

するとギルドカードが光った。


「はい、ありがとうございます。これで冒険者登録が完了いたしました。

 これであなた方の情報がギルドカードに設定されました。

 お二方ともランクDからになります。

 冒険者活動、ご健闘をお祈りしております」


「ありがとうございます。

 えっと、インバーンスさん」


「皆様にはリーナと呼ばれてますので、クロス様もリーナとお呼びくださいませ。

 インバーンスって、長くて呼び辛いですよね?」

とってもまぶしい笑顔でそう言われる。


「えっと・・・

 わかりました。リーナさん。私も様付じゃなくていいですよ」

初対面なのに名前呼び許されるとは・・・


「いえいえ、クロス様はクロス様です」


「えーっと・・・まぁ、いいか。

 これからしばらくはここでお世話になると思うので、

 よろしくお願いしますね。リーナさん」


「こちらこそ、よろしくお願いします。

 くれぐれもお気をつけて。

 って、なんだかお二人とも大丈夫そうな気がするんですけどね。

 不思議です」


 

俺たちのステータスがおかしいのが分かるのだろうか?

なんか滲み出ちゃってんのかな。



「すいません、最後に一つ伺いたいんですが、

 この近くに評判のいい宿屋とかって、知りませんか?

 出来れば安めでご飯がおいしいところ・・・とかあったら

 教えて頂きたいんですが・・・」


「それでしたら、このギルドの右隣に宿屋がありますので、

 そこにしたらいかがでしょうか。

 冒険者ギルド経営の宿屋ですので、

 冒険者のランクに応じて割引などのサービスをおこなっております。

 また、宿泊頂いているお客様の場合、当ギルド内の食堂でのお食事代が割引となります。

 結構冒険者以外の方でも食べに来る人が多いほどご飯は美味しかったりします。

 

 また、冒険者ランクがB以上の方になると、

 当ギルド左手にある借屋に宿泊出来るようになります」


「その宿屋はいいですね。

 あとは借屋・・・ですか?」

 

「はい、借屋とは、長期滞在に特化した宿屋だと思って頂ければよろしいかと。

 契約単位が月単位となり、前払いのみ有効となっていますが、

 単純に家を買うよりは安いですし、部屋の鍵はギルドカード認識、

 また数ヶ月単位で契約頂ければその分お安くなるといったサービスがあります」


「なるほど、迷宮探索者が多いからこその借屋ということですね」


「そのとおりでございます。

 あと、冒険者ランクによって借用できるお部屋のランクも変わり、

 SSランクになった方は、一軒家の借用も可能となります。

 ただ、借用できる一軒家は、王都には4軒、各都市に2軒しか作られておりませんので、

 早いもの勝ちということになっております」


「なるほど、そんなものがあるんですね。

 ちなみに、この都市にはSSランク冒険者って誰かいるんですか?」


「あー・・・この都市には現在1人いらっしゃいます」


と、これまで笑顔だったリーナさんが、とても言い難そうに顔をしかめる。


そしてリーナさんはカウンター越しにチョイチョイと手招きしてきたので、

顔を近づけた。


リーナさんは小声で、

「実はその方、"マーダック"という方なんですが、

 正直評判がとても悪い上、大の女好きなんです。

 あまり係わり合いにならないほうがよろしいかと」


と、話していると・・・


ギルドの扉がバンッと乱暴に開かれ、

「おーう、マーダック様が素材売りに来てやったぞぉ

がはははは」


と、言いつつギルドに入ってきた。


・・・噂をすれば何とやら。


リーナさんの方を見ると、苦虫を噛み潰したような顔をしていた。

そして、他の受付嬢達は全員下を向いている。


あぁ、物凄くテンプレな予感しかしないのは、気のせいではないだろう。



とにもかくにも、二人の冒険者生活がこれから始まる・・・。



_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/


いよいよ冒険者生活、スタートです!


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