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老王の国講座。

基本、移動は白いドラゴン略して白ドラのラゴーに頼る。ただ悪天候や、風の強い山間などは徒歩である。しかし時折、人目を避ける為に馬車に乗っていた。人間の街に向かう時に多く、城に籠っていたアースノアでは本の知識でしか知り得ない両種族の溝というものだ。


人間の目から見て、他種族は脅威である。亜人から見て、人間は独善的、精霊は鼻持ち為らない高慢な存在。精霊から見て、人間は下等、亜人は野蛮な存在で。個人なら付き合えても町単位になると偏見からか付き合いが難しいらしい。


「ソラタは辺境だから分かるとは言え、スゥは本当に賢王の国の住人なの?」

『いや普通に王都民だケド』

「あの国は他種族嫌いで有名なのよ」

『そう…なの?』

「住んでて知らなかったの?自分の町でしょう」


貴方会った時から少しおかしかったわよ、とマユリリが人間より大きな目をアースノアへ向けた。パーティは今、人間の要塞に近い山道を歩いている。


『あー。多分、自分の町だからこそ気付かなかったんだよ』


彼等が森で出会った若い狩人は首を傾げてから、悩むように顔をしかめた。後ろで一括りにした美しい黒い髪がサラサラと肩から零れ落ち、とりわけ整った容姿を持つ精霊族に通ずる澄んだ空気を纏っている。もう三人と一頭は彼女が世間に疎いと知っている。知識だけは多いが、あの森でどう育てればこうなるのかと内心思っていた。


『確かにたまに街角に来る行商人ですら殆ど人間だったなぁ』

「入国の段階で手数料を取るからな。あの国は」


ケインツが吐き捨てるように横槍を入れる。アースノアは自国に亜人がいないのは土地柄的なものだと思っていた。だが、それが異質な事ならば何故そうなったのか。大貴族達の方針なのか老王が定めたのか。そんな事を考えていた。すると脳内に声が聴こえて「知りたいか」と面白がるような声を取り憑く精霊が紡いだ。しかし、アースノアより後方を歩いていたソラタが会話に加わり、神妙な顔で言う。


「もう60年も前の事ですが。ハイデル陛下が即位する前、彼の国は他種族が入り乱れ、腐敗した貴族の混沌とした国でした。陛下には正妃ではない腹違いの兄がおりましたが自国に仇なす咎人として暗殺されてしまいます。その実行犯が貴族に雇われた獣人でした。


兄の暗殺と同時期に国内に魔物が徘徊するようになり、国は更に乱れます。


即位したハイデル陛下は腐敗した貴族を一掃し、自身の魔力でもって魔物を封印し、今日賢王と唄われています。」

『耳にタコが出来るぐらい聞いたよ。陛下の亜人嫌いは兄を殺害されたからとは知らなかったけど』


城の奥書庫には古い家系図もあり、断絶した貴族のそれも見た気がする。………ーーーー、それにしては故意にその兄の情報が少ない気がした。成人した王族の情報だよ?

ソラタが微妙な表情をした後、緑の目を遠くを見るようにぼんやりとしたものに変え、視線を下げる。


「問題はここからだ。賢王が封印した魔物は王亡き後どうなると思う?」


王都には魔物や精霊を避ける結界が張ってある。……


「何となく察してくれたかな、スゥ


魔物はあの国以外に飛散するんだ、多分ね」


お父様エグいです。明るみになった予想が衝撃的過ぎて元日本の庶民は言葉もありません。黒の道化師がただひたすらに笑っている。こいつ、封印されている魔物の一体なんじゃないのか。結界の中で能力を使えるので違うとは理解していても疑ってしまう。私を拾ってくれた恩人なのに。












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