行き逢いの怪異
『ここは地獄なのかもしれない。ある廊下で遺体を発見した。どうやら、自分と同じく迷い込んで……何者かに殺害されたみたいだった。あまり書きたくないが、ズタボロにされて酷いものだった。僕もいづれ殺人鬼にころされるのだろうか』
『そう思ったら、死ぬのが怖くなった。自分自身の希死念慮とはそれまでだった、というのか。とりあえず食料がないかを探してみた。しかし何も無い。404号室の部屋しかないので、手当り次第にドアを開けていくしかない。なにもない』
迷い込み、死体を見つけ、彼は恐怖心に駆られながらも模索したようだ。
「食料なんてあるはずねえだろ。可哀想にな」
心にもない事を呟き、忌避はふうむと考え込む。
「精神疾患、とも言えなくなってきたな。リアリティがありすぎる」
「だから本当何だってば」
「けどよ。シュラインゲートか穢鬼か何かに出くわす前に現れたオンナはなんだったんだよ」
「……わかんない」
彼は迷い込み、死んだはずである。だがあの日存在していた。
「のう。7人童子というのを知っておるか?」
いきなり八髏非女が割って入ってきた。神出鬼没で、気配がないのは困りものだ。
「7人童子? なんスかそれ?」
「あちら側に伝わるこわぁい話じゃよ。七人御先、7人同行とも言われるがのう。名はそれぞれじゃ。……死んだ霊が7人、永遠にさ迷わなければならぬのじゃ。だがずっと同じメンバーでないぞ。1人引き込んではまた、交代してさまよい続けるのだ」
「ハア、じゃあ、それって」
あの不気味な無機質な塊がそうだというのか?
「ま、似たようなものでないか、とワシは推測しておる──そのオンナが成仏しかは、神のみぞ知るじゃが」
「……。その妖怪のせいで?」
しかし神様は何も答えなかった。ただ遭難記録を眺めているだけだ。
「シハ。お前の国では神は優しくも残酷でもあろう」
「えっ」
「そのモノにはその道理があっただけじゃ」
意味深な言葉を吐き、少女は風に身を任せるかの如く消えていった。
7人ミサキとは海で溺死した人の幽霊なんですね。
改めて調べて、そうだったの…となりました。





