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血蠱蝸☆血蠱蝸(副題、それは。チャラにする明日)  作者: 犬冠 雲映子
ジンジャでの生活

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シハはタブーを冒した

 無事に神社へ戻り、404号室の団地で手に入れた鞄からモバイルバッテリーを探し当てたが……もう壊れているだろう。

「……。そういやさぁ。これを持ってた人も化け物になっちゃったのかなぁ」

 モバイルバッテリー。免許証。ノート。筆記用具。その他諸々。


「さーね。日本から来たモンは絶対に、決まって穢鬼になるのか? 成れの果ては冥廊のモンじゃなくてか? おかしいだろーが」

「キヒさん! そ、そうだよね! ありがとう!」

「ハアァ〜〜?? なんで励ました事になってんだ」

 カーッと忌避は嫌悪感を丸出しにした。ただの感想を述べただけだたったらしい。


「警備員さん。あの場所で過ごしているうちに化け物になったのなら、職業病だったのかな。それとも外に出たくて」


「けーびいん? あれが? あれは人間なんかじゃねえ穢鬼のカシラ、坐人(おわすびと)である『山の魍魎』だ。目が縦だったろう。ああいうのはそう呼ばれてんだよ」

「いや、ぜーったいに警備員だった。じゃないとスマートフォン持ってませーん!」


 睨み合って、あちらがハーッとため息を着いた。スマートフォンね。と小馬鹿にして。



「お前はタブーを冒した。まあ、あれじゃあけーびいんサンが大変だろうがね」



「タブー?」

 ああ、と頷いて、非常口を思い出す。そういや変な非常口であった。

 逆さま水族館のはずがあのドアと『非常口』や『NEXT』の文字が上下反対になっていなかった気がする。

 あの場所は触れてはいけない場だったのか?


 が、彼が言い放った言葉は違う。


「山の、神の類いから盗みを冒した(・・・・・・)。神として畏怖された者から盗みはタブーにあたる。アイツは取り返そうとしてオメーをずっと追いかけてくるだろう」


「あー、それはよく心霊スポットで聞くヤツ? ダメなんだね〜〜」

「あぁ?? 心霊スポット? 神社までは追いかけて来ないと思うながな」


 あの人は二度と人間に戻れないのだろうか? 黒い液体が関係しているのか?

 分からないなりに研究していくつもりだ。


「私も化け物になってるとか?? 人の真似がうまい、化け物?」

 不意に口から出た言葉に彼は眉をひそめ、ああ、とだけ言う。血蠱蝸だとまだ信じているのだ。


(そうだ。手記みたいなのがあったから、見てみよう)



 鞄からノートが出てきた。そうしてノートの表紙には冥廊について、と書かれていると甲が言っていた。あのサラリーマンはどうやら生きていた時期があり、迷宮を探っていたようだ。


 慎重に開いてみると、ボールペンで書かれた文字が現れた。良かったと安堵しつつ、目で追う。



『この世界は永久的に、合わせ鏡のようにできた世界であり。こちらの人間と僕たちの死は違う。合わせ鏡の連なる世界のようだった』

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