半人妖って何ですか
「……あの、半人妖って何ですか? 妖怪?」
何となく意味は分かるが、常識外れな世界だ。全く意味合いは違うかもしれない。
「冥廊……内側にいる混ざりものじゃ。人間とそうでないモノで構成されている。人間とは異なるがのう」
「へえ、じゃあ忌避さんは半人妖?」
「妖異という。シハ、お前の認識でいうと妖怪じゃぞ」
「難しいな……覚えられるかなぁ。ってこの人、妖怪だったの?!」
今更怖がるシハにキヒは呆れつつ、額をかいた。
「ヨウカイがなんだか知らねーが。何でまた変装してまで内側に……俺ァ行きたくねーよ」
「妖怪が喋るなんて、ホント……ファンタジー……」
「てめー、話聞けや」
ハハハ! とそれを見て笑う八髏非女に、はあ、と彼はやる気をさらに失っていく。
妖怪が内側の世界では人類であり、人間は地球外生命体のような立ち位置らしい。はんぶんこされた半人妖は数こそ多いが、少しだけ地位が低く誰からも軽んじられやすい。
人間は未知の存在として妖怪から内心恐れられているんだとか。
八髏非女が分かりやすく説明してくれたおかげで、何となく彼らの社会が理解できた気がする。
「カミサマに教わるなんて論外。本来はそこのチュートリアル人に教わるはずじゃったのに」
キヒにジト目を向け、あざとく拗ねてみせる。
「ハ、チュートリアル人ってなんスか。原始人? はあ、俺は穏やかに過ごしていたいんですよ」
「昼寝三昧していたいだけじゃろうが。働けいっ」
「チェッ」
「キヒさんは働いているんですか! 知りませんでした」
するとまたカミサマは大笑いした。
「やるのう! シハ。コイツは神社でいう、巫女さんじゃ。社務所でお守りを売って、たまに落ち葉履きをしている──プッ、くくっ」
「巫女さん? 神主さんじゃなくて?」
「面白いから巫女さんにしておる」
「2人して何なんだよ?! ミコ? カンヌシ? だから何の用語だよ?!」
「いいのじゃ、お前は知らんでも。祭祀の者の立場として、ワシの言うことを聞きなさい」
二人は同化する能力があるという、いや、キヒの異能と言うべきか。
不定形なシルエットに近い容姿が物語るが、体の一部を武器に変えられたりモヤになれたりできる。妖異の特性として、個体によった特技があるという。
シハは今の所不明だが、キヒが同化できたなら似たような異能があるのではないか?
と、八髏非女は大真面目に語ってくれた。
八髏非女さん、以外にも優しい。





