裏組織に捕まる
ペラペラと世間話を話していたが、どうにも意識がたまにぼんやりする。冷や汗が滲み出て、必死に拭うがダラダラと頬を伝うばかりだった。
「あ、あのさ」
「やっと効いてきたか。さすがは血蠱蝸、体力が伊達じゃないな」
「え?」
「自白剤だ。俺はお前は信用していない。嘘をついていると思ってンだよ」
冷酷な言葉に、固まるしか無かった。先程の飴は毒入りだった訳だ。
「ひどいよ…わたしは、あなたを、信用して」
「血蠱蝸の常套手段だろ?ソレは」
意識がぐにゃりと歪み、どこからか雑踏がした。殺意。それだけが働かない脳みそには理解できた。
敵だ。
『──どうする?蹴散らせば?』
ニヤニヤとバカにした己の声がした気がして、無抵抗のまま殴られ気絶した。
「コイツ、本当に血蠱蝸なんだろうな?何でヤク盛られてんだ?」
「さあ、他の組に捕まってたんだろ」
「おい。起きたぞ!気をつけろ」
たくさんの声がして、瞼を開けると──蛍光灯の下、死体たちがこちらに銃を向け威嚇しているではないか。
「うわああっ!ゾンビ!!」
「ぞ、?なんだ」
「死体が動いてるっ!」
「失礼な。我々は霊だ。お前に一度殺された、なあ!」
(ええっ?!また?!)
血蠱蝸は何十人、人を殺めてきたのか。彼らはテレビで見るマフィアそのままの格好をして、血まみれで、肢体が欠損している者もいる。
ゾンビにしか見えないが彼らは霊と名乗った。
「霊になって良かったぜ。お前に危害を加えられるんだからな」
「あ、あのー、それがあ。人違いなんです」
「馬鹿言え。その首輪。アヒメの眷属印だ。お前は血蠱蝸でしかない」
アヒメ。八髏非女ではないのか。
「え、えー。あの、私は死んだんで」
「この世において肉体など付属品でしかない。言い訳するな!」
怒鳴られてジョンボリ、と拘束された足を小さくジタバタさせた。椅子に括りつけられ、徹底的に捕まえられている。
「マフィアさんたちは私を捕まえて何をするんですか?あの、殺すんですか」
「まふ?ふん、アヒメ…玉虫色の蜥蜴どもに復讐してからお前を処刑する」
この世界にマフィアという単語は存在していないらしい。
「玉虫厨子?」
「玉虫色の蜥蜴だ。ヤクで頭イカレてんのか?」
「はい。さっき自白剤を飲まされて、頭がぼんやりしてて…」
キヒの姿はいない。薄情な、と毒づくも彼は最初から血蠱蝸を恨んでいた。当然の仕打ちかもしれない。
「この世界には玉虫色の蜥蜴、四ツ目の犬、銀毛九尾の狐…五つの守護獣が守っているっつー伝承があるんだ。分かったか」
「はあ、四神みたいですね」
確か、方位ごとに四つの守護獣がいたはずだが。
『冥々四ツ目』の主要キャラを守護獣にしました。
深い意味はありません。





