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レオリード ② 〜まもるべきもの〜

魔力を切り離したあと、アランは王宮を去り彼女が王宮で暮らすと知り


「彼女のことは俺に任せてください」


王宮で暮らすのなら何不自由のないように、心穏やかに過ごせるように、すべての手配を任せてもらった


彼女の体調を管理する医師は女性しか考えられず、王宮医師で女性であるリーリアを


彼女を任命すると同時に、魔道術師団長(総長)からの申し入れがあり、魔力面のことは彼に任せることにした。


護衛の騎士たちも女性を中心に、そして王家に忠実な者たちを


「彼女を軽んじる者は必要ない」


「いざというとき、身を挺して彼女を守るように」


この二つを遵守できる者を、騎士団長とともに面談を行い選んだ。



彼女の世話をするメイド選びには、それ以上に慎重に


彼女が気兼ねしないよう年の近い者が良いと思うのと同時に、メイドたちを纏め上げることのできる者も必要


アランのときの二の舞は踏みたくない


(『死にぞこない』など、仕える相手を軽んじる者など必要ない)


心乱すようなこととは、無縁でいて欲しい


(余計なことを、彼女の耳に入れたくない)


そのためには、職務に忠実で信のおける、王宮に長く勤めている者が必要だった。


ひとまず年が近いものは、新たに上級メイドとなった者から選ぼうと、メイド長と話し合っていたとき


「わたくしに、シスツィーアさま付きの責任者をお任せください」


話を聞いた王妃さまから、キーサが遣わされた


「キーサさま!?」

「良いのか?」


キーサは王妃さまの輿入れのときに同行してきた後、この国の貴族と婚姻し、数年前夫を亡くした際に王宮を辞した元王妃付きの侍女であり、俺とアランの乳母でもある


まさか引退したキーサが再び職に就くとは思わず、メイド長も驚きを隠せていない


「王妃さまより直々にお願いされました。それに、わたくしもアランディール殿下とミリアリザさまを救ってくださった方の、お役に立たせてくださいませ」


にこりと微笑むキーサからは、アランを護り献身を尽くした彼女への敬意を感じられた。


(たしかに、キーサなら)


王妃さまからの絶大な信頼を得ている腹心とも呼べる存在で、俺も気心知れているし、人となりも申し分ない


それに、キーサが仕えてくれることによって彼女のことを王妃も認めていると、歓迎していると周囲の者に知らしめることもできる


「彼女に真摯に仕えてくれるか?」

「もちろんでございます」


迷うことなく即答するキーサ


「彼女が王宮で過ごすことに負担に感じることがないよう、心穏やかに過ごせるようにだ」

「お任せください。シスツィーアさまが王宮内で引け目を感じることなく過ごせるよう、わたくしが支えますわ」


メイド長も元々はキーサの部下だったからか、反対する素振りもない。若いメイドたちも、王妃さまの後ろ盾のあるキーサの指示には従うだろう


(それに、キーサなら王宮のことにも詳しい)


彼女はどうしても注目を浴びる。


キーサが仕えてくれたら、かつて王妃さまが輿入れしてきたときの経験を活かして、彼女が王宮に馴染む助けにもなるし、いまだ床に就いたままの王妃さまからの好意を無碍にするわけにもいかない


「分かった。キーサ、彼女に仕えてくれ」

「ありがとうございます」


そうして、キーサとメイド長の意見を元にメイドたちを決めた。





(あとは、彼女が使う部屋、それに物だな)





部屋は客室で良いとしても、ドレスや装飾品はそうもいかない





(まずは)




家具の手配は間に合わないからと、王宮にあるものから選ぶ





だからせめて、彼女の身に付ける物はすべて新しいものを





費用もすべて、俺の私費から出すつもりだったけれど






最後までお読みいただき、ありがとうございます

次話は明日3月23日投稿予定です。

お楽しみいただけると幸いです。

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