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旧友との再会 ➁ 

シールスたちが王宮に招かれたのは、青々とした空が広がるとても夏らしい日


会場となったのは、王宮内でも王城に近いサンルーム


燦燦と降り注ぐ太陽の光を遮るように樹々が木陰を造り、ガラス張りの室内は暑いかと思われがちだが空調が整っていて快適に過ごせるし、それでいて、まるで庭にいるかのように錯覚させる部屋だ


レオリードがシスツィーアの落ち込みを少しでも晴らそうと計画した、生徒会で一緒だった者たちを招いての『打ち上げ』


もともとはレオリードが『香夜祭』が終わったあとの慰労会として計画していたのだが、シスツィーアの誘拐やその後のアランとのこともあり、立ち消えていた。


そこでレオリードは在学中の者たちが参加しやすいようにと、夏季休暇のはじめに『香夜祭』に携わった者たちを招いくことにしたのだ。


シスツィーアが参加すると、どうしても注目を集めてしまう。


そうなれば、シスツィーアが居たたまれないだろうと、レオリードは余興が始まると、シスツィーアと仲の良かったシールスをこっそりと別室に案内させたのだ。





「久しぶり。元気にしてた?」

「え、ええ。シールスは?変わりないかしら?」

「うん。母さんたちも変わりないよ。少しやせた?」

「そうかしら?ずいぶん、贅沢させてもらってるのよ?太ったと思うけれど」

「うーん。けど、なんか顔はすっきりしてるよ」


王城にいる音楽隊の演奏が聞こえるなか、会場と同じお菓子と軽食を広げたテーブルを挟んで


最初はふたりともどことなくぎこちなかったし、シスツィーアはなんだか気恥ずかしくてシールスをまともに見ることもできなかったけれど、話しているうちにだんだんと、そんなぎこちなさは消えいき


「え?それじゃあ、今年の『香夜祭』も協力することになったの?」

「そう。去年と同じように多くの者たちで作り上げようって話になってね、去年参加した生徒たちは、今年も声を掛けてもらった」


シスツィーアが退学したことはシールスももちろん知っているけれど、お互いの近況報告が終わると、なんとなく話は学園のことになって


(アランは学園に通っているのかしら?)


本当ならアランが生徒会長となり『香夜祭』を開催する


けれど、シスツィーアはアランが学園に通いはじめたとは聞いていなくて


「えっと、その、どなたが取りまとめ役を?」


(去年はレオンが生徒会長だったけれど、今年はどうなるのかしら?)


本来ならアランが生徒会長だけど、アランが無理なら誰かがしてくれているはず


そんな思いで尋ねると、シールスは飲んでいたお茶を置いて


「ん?ああ、いまは第二王子殿下の名代として侯爵家の方が行っているよ。去年は会場設営を任されていた」

「ああ!あの方ね。えっと、サリスト侯爵令息・・・・・だったかしら?」

「そう。今年は三年生だし、生徒会の役員のなかでは爵位も一番高いから適任だろうって。第二王子殿下も」


コンコン


シールスの言葉を遮るように、人払いされた部屋に扉がノックされる音が響く



「誰かしら?」


レオリードが来たのなら、扉の外から声をかけるだろう。それに、シールスを呼びに来たにしては、まだ時間にも余裕がある。


シスツィーアが首をかしげながら立ち上がろうとすると、「ガチャ」と音が響き


「お邪魔するよ」


のんびりとした声とともに現れたのは、ここにいるはずのないアランだった。

最後までお読み下さり、ありがとうございます。

次話もお楽しみいただければ幸いです。


Ep27ですが、誤字の修正と最後に少し書き足しました。

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