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愚行。


ピシャッ。ピシャッ。水の跳ねる音がする。

「その人は美咲を保護し、看病をし、安静になった後に、私の元へ美咲を連れて来てくれたのです。20年経っても、あの頃の美しい美咲の儘だった。記憶の中にいる美咲そのモノだ。」


近藤は神木を見つめ、貴方に総てを見届けさせる事が条件でした。と続けた。


『私に見届けさせる?何故です?その人とは誰なのですか?』

得体の知れない感覚が神木を蝕む。


「御名前は云えません。そうだ…。貴方に星月天乃ほしつき あまのさんと云う知り合いの方はいらっしゃいますか?」


天乃?何故、天乃が?

天乃は神木の幼馴染みの名前である。


「天乃さんに此処で見聞きした事の総てを、お話してくれませんか?」

近藤は視線を落とす。

「そうしてくれなければ…。美咲は…。海の泡になり消えてしまうのです…。」


そう告げて、近藤はカーテンを力強く開いた。


神木の瞳に映し出された異様な光景。カーテンの向こうには、浅いバスタブが在った。薄赤い色の水で満たされている。そのバスタブの中に、近藤美咲は居た。


美咲の姿を視た神木の内に…。

感じた事の無い嫌悪感が満ちていく。


【何て…。愚かな事を…。】

神木の口からは言葉が消えていた。


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