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僕が見た人達  作者: 真咲
4章 心臓争奪編
19/37

17話

ご覧頂きありがとうございます!

ドラゴン〇ールを見てきた真咲です

「おい!おいっ!しっかりしろ!」


「うぅぅ……つっ」


後藤祐樹の呼びかけに僕君ちゃんは意識を取り戻す。


小山小次郎に首を絞められ、大河内サヤ襲来の衝撃で飛んだ意識が明確に快復していく。


「よかった……起きたかっ!」


後藤祐樹の瞳は僅かに潤い、頬が紅潮している。


「あ……ああ、突然保健室が爆発して、何が」


「サヤが突っ込んでったんだよ」


「大河内さんが?」


「あぁ、お前が殺されるーって言って1人で先にいっちまったんだ」


「そうか……助かった。それで……大河内さんは?」


僕君ちゃんは周りに命の恩人である大河内サヤが居ない事を確認して後藤祐樹に確認する。


「まだ外で戦ってると思う……でも、音がしなくなったからもしかしたらもう終わってるかもな」


「……そうか。大河内さんならそうそう負けないだろ……って、なっ?!」


意識を完全に快復させ、辺りを見回した僕君ちゃんの視界には廃墟と化した北星高校が映し出される。


既に学校だった頃の面影はなく、塵と化した校舎が風に運ばれ空に舞っていく。


「ああ……やばいよな」


「いや……いやいや、やりすぎだっ!大河内さんはそんなに大暴れしたのか!?」


「いやいや、違う違う小山って先生が暴れてたんだよ」


「小山……」


「ほら、60代くらいの」


「あぁ……多分僕の首を絞めて奴のことだろ。あの先生そんなにヤバい奴だったのか」


「とにかく外に出てみるか?もう戦い終わってるだろうから」


「……そうだな」







「素晴らしいな……それは」


「そんなにいいものでもないですよ」


「剣自体が強力な魔力を帯びている……私の右腕がここまで反応したのは初めてだよ」


小山小次郎は余裕すら感じさせる笑みを浮かべる。


「右腕……その右腕は一体なんなんですか?」


「なに……私が異世界に召還された時に右腕を切り落とされて繋がれたのがこの右腕だよ」


「……ひどい」


「同情なら辞めてくれ、もうすぐこの右腕から解放されるからね……それよりもその聖剣とやらの力を早くみせて欲しいね」


「……そうですね、私の魔力が尽きる前に決着を付けましょう」




「おいっあそこっ!サヤぁー!」


「大河内さん……いや待てっ!もう1人いる!」


「おお、やべ、まだ戦いは終わってなかったのか」


「隠れるぞ、巻き込まれたら死んじまう」


「ああ」


「気付かれてはなさそうだな」


「危ねぇ」


「……っ!!あれはっ!」


「どうした?」


「大河内さんが持ってる剣あるだろ?」


「ああ、長さ的に銃刀法違反だな。それがどうかしたのか?」


「あれは大河内さんの元愛剣でエクスコネクターって言うんだけど大河内さんが唯一人を傷付けた武器なんだ」


「サヤが誰かを斬ったってことか?」


「ああ、幸い死傷者はでなかったが……大河内さんはその事を後悔して世界を救った後はもう二度と使わないって決めてたはずなのに……」


「それだけやばい敵ってことか……」


「どうだろ……安全な状態のエクスコネクターは人と人との架け橋になれる能力を持ってるから」


「どういうことだ?」


「わかりやすく言えばお互いの意識や思想を完璧に伝達出来るようになるってことだよ」


「うーん……わからん」


「つまるところニュー〇イプみたいなもんだ」


「つまりよくわからんってことか」


「……ああっ大河内さんが仕掛けるぞ!」




一瞬にして小山小次郎の視界から大河内サヤが消える。


「速いですねっ!!」


右腕の膨大な重量によって小山小次郎の動きは制限され、素早く動くことが出来ない。


中距離から圧倒的な物量で敵を制圧するのが小山小次郎本来の戦闘スタイルであり、いわば固定砲台のような戦い方である。


一撃の火力と弾数で相手を近付けずに制してきた小山小次郎にとって攻撃が直撃したにも関わらず超人的なスピードで戦い続ける大河内サヤのような戦士との戦いは初めてのことであった。


それ故に、簡単に背後を取らせてしまう。


「はあああ!!」


背後からの一閃。


大河内サヤは一切の躊躇いなく小山小次郎を背後から斬りつける。


しかし、斬られた瞬間に小山小次郎が感じていたのは痛みでも恐怖でもなく、違和感であった。


小山小次郎は斬られた。


それは確かであり、小山小次郎自身斬られた感触は残っている。


しかし、そこに痛みはなく、少しの切り傷すら背中には付いていない。


「うっうううう!!なっ……なんだこれは」


「私の心ですよ」


小山小次郎の脳に直接流れ込んでくるのは大河内サヤの想い。


僕君ちゃんの首を絞めているのを見て腹がたった。


ビーム……ちょっとカッコイイな。


先生も異世界に行ったことがあるんだ……異世界のお話聞きたいな。


戦いなんてもう辞めたい。


皆で仲良く出来たらいいのに。


どうして先生は私と戦ってるんだろう。


何か理由があるのかな?


「ああああああああああ!!……はぁはぁ無礼な能力ですね、人の心にずけずけと」


「まだまだこれからですよ、先生」


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