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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ちょうど5年前の私へ

作者: 正妻キドリ

 タンスにしまった茶封筒の中に手紙が入っていた。


 「5年前の私へ。あなたは人を殺します。」


 どうやら私は将来、人を殺してしまうようだ。


 この茶封筒は不思議な力を持っていて、過去の自分に手紙を送ったり、未来の自分からの手紙を受け取ったりすることができる。これを使えば未来を変えることができる。


 なんとも便利なグッズに思えるが制約もある。今からちょうど5年前にしか手紙を送れない。5年も年月が経てば、送られてきた手紙を忘れてしまうこともある。


 まあ、人殺しをするなんて絶対忘れないだろうけど。


 手紙はこう続いていた。


 「相手は、Bという男性です。あなたはまだ出会っていません。彼は会社の同僚です。


 あなたは彼と付き合うことになります。彼とは婚約前まで行きますが、彼が浮気します。それが原因で口論となり、彼を包丁で刺します。


 彼と関係を持ったことは私の人生の汚点になりますが、それ以外はとても順調でした。ですから、なるべく未来を変えずに殺人だけを回避してください。


 どうか、このことを忘れないでください。お願いします。」


 なんとも勝手なものだ、未来の私は。これからの5年間、私はそのことが頭をから離れないだろう。もし忘れたら社会的に終わる。忘れてほしくないのなら、定期的に手紙を送るべきだと思うのだが、たぶん未来の私はそんなことしないだろう。


 今の私がそんなことはしないから。


 「5年前の私へ。あなたは人を殺します。」


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