宇宙船地球号
これは別の宇宙の物語である。
地球は環境汚染の進行により、地球人は住めなくなった。そして、人類は火星移住を計画した。それもこれも、火星に新しく水が発見されたことが大きな理由である。
つまり、もともと火星に住む計画は既に立てられていた。だが、まさか自分がこの年で火星に移住するために、宇宙船地球号に乗ることになるとは思わなかった。
今進行中の、人類火星移住計画は、これから200年300年のことを考えての計画である。
というのも、環境省は、科学チームの見解を総括した結果、人類が地球に住める期間はだいたい200年から300年までの間であるという発表を公にしたからである。
それゆえ、2010年からの火星に人間を運ぶ計画が開始された。
現在2020年11月27日である。私はその宇宙船に乗ることになった。
ひろあき「もうすぐ火星だね」
エリカ「そうね。」
ひろあき「地球はもう見えなそう。」
一方その頃、艦長室では不穏な空気が流れていた。
艦長「どうなっている。」
船員「おそらく、重力場に移りこんでしまったものと思われます。」
艦長「厄介なことになった。まさかこんなところでブラックホールに入っちまうとは・・・」
船員「機内アナウンスではどう流しましょう?」
艦長「そんなこと自分で考えろ!」
船員「ひぃっ・・・!!」
艦長「くそ!!」
投げ捨てるように艦内通信機を叩きつけた。
機内アナウンス
「これより当船は、一時停泊します。」
機内アナウンスが鳴り響く。
アナウンスが流れてから突然辺りが揺れ動いた。
乗員A「うわぁなんだこれ!!」
乗員B「あっちから黒い塊がやってくるぞ!!」
乗員C「どうなってるのよ!!」
悲鳴の後、しばらくしてから揺れもなくなった。全てが静まり返った。
ひろあき「あれ・・・??」
誰の声も聞こえてこない。エリカもどこかに消えてしまった。
なのに、なぜ僕だけが今ここにいるのだろう。もしかしたら、本当は消えているのではないだろうか。実は世界などもともとなかったのかもしれない。僕はずっと今まで一人で、ここにいただけかもしれない。