表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
モノクロサーカス団  作者: シエラ・レイ
2/15

ノーントライス大学

第二部、読んだ方いるかもしれませんが、後半大分編集しました!

初めましてな方もどうぞ楽しんで読んでください!



ノーントライス大学ーー

ノーントライスシティは全部で5つ大学ある。

その中で3番目に大きな大学。

ここでは主に学ぶ事は研究。様々な対象を研究し、授業もそれに沿った内容を行なっている。


犯罪者の心理を研究する警官希望の者、専門分野を学び研究者として名を馳せようとする者、ただ自分の求める知識を研究したいがため研究所の教授希望など様々だ。


ルカリアはモノクロサーカス団のため心理学と経済を学んでいるが…。


「私は何故か教授志望コースにされた…」


そもそも私は人に教えることが下手なんだ。

原因は全て団長のせい。


あいつ、本当に何考えてるんだ…。

だいたい、モノクロサーカス団に必要なスキルだけでいいんだよと言ったのはそっちじゃないか。


これ以上不満言っても仕方ないと心に思い、ルカリアは“ある場所へ”向かう。


【ノーントライス大学・校内(教授室)】


教授室へ向かうと、ある人物に話しかけられた。


「あら、おはよう!ルカリアさん!」

「おはようございます、ステア教授。」

「ここに来たということは、先生のところへ?」

「そうなんです、課題「ルカリアさんは勉強熱心ね、じゃあ私はこれで。」


(…“課題”とまでしか言っていないぞ?せっかちなやつ)


彼女はステア教授。

ステア教授は、保健を教えてる先生。

医療系の女教授。

穏やかで生徒思いで、平等に生徒をちゃんと扱っている。

生徒だけではなく、親にまで人気があるらしい。


教授室は一人ずつ個室で分けられている。

集まるときは別室で会議をするらしい。


私の“担当教授”によると


(集まるときはいつも校長がいるからね、先生同士は基本ない。何か生徒が校則を犯したり、修学旅行の計画とかで話し合うだけさ。)


と、話してくれた。


私はその“担当教授”に用がある。

先程課題と言ったが、提出でも教えてもらうこととかそんなものではない。


ノックするーーーーーー


反応なしーーーーーー


またノックするーーーーーー


反応なしーーーーーー


ノックーーーーーー


反応なしーーーーーー


ドアの横にある番号を見る。


(仕方ない)


私は番号を入力した。

入力するたびにいつも思う。

何故この番号なんだと、私へのいじめかと思ってしまう。


“0253”


そして扉が開いた。

やっぱりーーーーーー


いた。


「…あぁ、今日もいい天気だ。」


この、目の前にいる男はーーーーーー


「そんな顔をしなくていいよ、ここでは“生徒と先生”の中じゃないか。」


窓の鏡で私の顔を覗き込んでいる。

団長より悍ましい存在ーーーーーー


「おはようございます、先生。提出物があります。」

「おや?ルカリアさんはいつも提出期限を守っているじゃないか?何かわからないことあったかな?それとも次の予習分かな?」


目の前にいる男は、こちらを見て穏やかで淡々と話をしてくる。

学生達曰く、イケメンで優しくて授業もわかりやすくてそれでも理解出来ない奴がいてもマンツーマンの時間とって教えているらしい。


そんなの表向きの顔に過ぎない。


私は「失礼します」と言って教授の部屋に入る。


パタンッ。


その瞬間ーーーーーーーーーーーー


「で……………」

「何用かな?成績優秀で期限内で早く提出するルカリアがここにいるってことはモノクロサーカス団の事かな?」


その男は急に低い声になり、穏やかな顔から冷静な態度へ変わった。

こいつの目付きがいつも嫌なんだ。


「そうだ、フィレーナから渡された。団長よりと……ヴァレッサ兄さん。」

私は、ヴァレッサ兄さんに例の黒い封筒を渡した。

「そうか…では拝見しよう。」


ヴァレッサーーーーーー

昔、私がいないときヴァレッサ兄さんがモノクロサーカス団のリーダーを務めていた。


時に父でもあり、兄でもある。

だが皆“兄”として彼を見ている。

双子のミルフィーエルフィーは“父”と呼んでいる。


過去、ヴァレッサ兄さんと共に仕事をしたことあるが何故悍ましいかというとーーーーーー


「なるほど……………。団長は懸命に判断した結果私に振り、調査の依頼をこちらに回したのか。だがフィレーナが解決できるはずだが何か言わなかったのか?」

「いや何も?」

「なるほど。この内容よりルカリアを見て、からかいたくなってこの事は眼中になくなったんだろう。」

「内容を見せていただけるなら私でも解決策を考える。それと、フィレーナはそんな仕事放棄する奴ではないと思いますが?そちらの書類には書いてないのですか?3人しか知られない書類なのでてっきり何か書いてあるのかと思いましたが?」

「……残念ながら団長のお言葉しか書いてないな。」


モノクロサーカス団では黒い封筒は上3人が見る代物。

団長、ヴァレッサ、フィレーナーーーーーー

てっきりフィレーナも当たり前に関わっているだろうと思ったけど違った。内容見ただけか…?


(それにたまに、めんどくさいからと言われて書類を黒い封筒で提出したことあるんだが…)


「では失礼しました、またな。」

私はそう言ってヴァレッサ兄さんの教授室から出る。


「ルカリア、待て。」

私はその声を聞き、扉の前で足を止めた。

「なんだ。」

「1つ頼みごとをしていいか?」

資料を見ながら兄さんはそう私に依頼をする。

「……材料集めか?兄さんがやればいいじゃないか?私は兄さんと違って悪趣味じゃないんだよ。」

だいたいヴァレッサの頼み事はわかっている。同じことを私に何回もやらせる。だから話したい先がわかっていた。

「兄の頼みだ、今ちょうど資料を読んで欲しくなった。」

「お前がやーーーーーー」


バサッ


顔を右へと向けると、どうやら先程投げられたナイフがほぼ目の前で扉に刺さって停止していた。

そうこいつはーーーーーー


「しまった…君の眼帯に当てるつもりだったが…腕が鈍ってしまったかな…。次の日イベントショーまでには感覚を戻さないと…。」


「学校でこんなことやるのか!?お前何っーーー」


バサッ


2本目、今度は1本目とは対称的に顔の左横を目掛けて投擲される。


「君は、現在モノクロサーカス団のリーダー。」


3本目、話しながらナイフがまた身体の横へと目掛けて投げられた。


「君はリーダーの立場で、そうやって我々に歯向かうのだな?いくら団長に可愛がってもらってるからと。私はね、言うことを聞けない“家族”が嫌いなんだよ。他が団長と血が流れてもね。君はもうモノクロサーカス団の一員。モノクロサーカス団に入ったからにはやってもらうことを手伝ってもらうよ。それとー」


「レアの件だがーーーーー、あれはどういうことだ?」



4本目、私の顔面に投げられーーーーーー


グサッーーーーーー


私は顔を遮るように手をかざした。

ナイフは手のひらに刺さり血が滴り落ちている。


「レアの件は私が厳重注意した……。だけどまさかCansell《取り消し》までして仲間を騙すとは思わなかった……。だからその場で注意した。暴走する前に丁寧に扱った方がマシだと思ったからだ……。」


言いながら手のひらに刺さったナイフを抜き取り兄へと投げ返す。

そこそこ強めに投げたつもりだか、兄は平然と掴み取り私を見つめる。

(何が鈍っているだ…!!百発百中じゃないか…!!)


「何が厳重注意をしただ…。結果何回も破っているじゃないか…。これでレアは何回目だと思っている?」

「……30回目。」

「わかっているじゃないか。団長の言う事すら聞けない奴だ。生前、我々モノクロサーカス団を知っていた者。君へ異常な程の“愛”を持ってしまっているんだ。残念だがルークに暗示をかけて記憶消滅をお願いした。」


…仕方がない。私の不注意でルークにまで迷惑をかけてしまった。

やはりリーダーとして、甘かったんだな。

団長がなんとかしてくれると思ったが、団長でも聞けないのは実は知っていた。

ここまで言われるのは仕方がないか…。


「申し訳、ありませんでした。以後気をつけて改善いたします…。」


ヴァレッサは黙った。

ルカリアはずっと頭を下げてヴァレッサがいいと言うまで上げなかった。

(いつまで黙っているんだよ…。ルークがいてくれれば何考えているかすぐわかってたが…これも仕方がない…。耐えるしかない。)


「ルカリア、顔を上げなさい。」


ルカリアは許してくれたと思い頭を上げた。


違うーーーーー


5本目のナイフがみぎーーーーーー


「うぅう!!!!!!」


ヴァレッサは許したんじゃない。

ルカリアの右目に正確に狙いを定めて投げてきた。


(なっーーー!!!!!)


「あぁ、ちゃんとタイミングを見計らって投げられた…。よかった、安心したよ…。後は細かく修正していけばイベントショーに向けて披露できるかな?」


(何がイベントショーだ!!!!モノクロサーカス団のイベントはまだ先!!!!クソっ!!!!!)


「い…うぅゔっ…!!!!」

「あぁ、痛かったか?何故痛いんだ?おかしいなー」

「ゔあ…ゔぁれっ……」


「君は、本当に悪魔から生まれた者なのか?」


ヴァレッサは生前人間。

ルカリアは、初めから悪魔から生まれてきた者。

痛みはほとんど感じないが、何故痛いかというとー


「やはり死神殿の加護をもらうと色々と助かるところがあるのか…、本当に影響あるのか?」


(まさか、こ、これはーー!!!)


「護身用に死神殿にナイフを一本頂いたんだよ。あぁすまない!一般のナイフに紛れ込んだみたいだ!また君の右目で試せるとは光栄だ。」


(これでは回復が間に合わない!!あの死神野郎!)


ルカリアは右目に刺さったナイフを懸命に取ろうとするがあまりの痛さに抜く事も恐ろしくて出来なかった。

ヴァレッサが持っていた護身用のナイフは、死神が一般的に所持しているナイフで悪魔族、もちろん死神族に対しても効果のある代物。

ちなみに人間にこんな物が刺さると痛いどころじゃない……。すぐに命を奪われる。


「どうした?…あぁ、見えなくて取れないのか?わかった取ってやる。」

(やめろ!!!!!)


ルカリアは必死に抵抗しヴァレッサへ攻撃をしようとしたが、目もやられて能力発動できない為すぐに手を掴まれて思いっきりナイフを抜き取られる。


「ああぁあああぁあああ!!!!!!!」


ヴァレッサ常に顔色を変えない。

痛がっているルカリアを見ても見下して口角を上げて微笑んでいる。


「君は本当に物好きだな。前回罰として与えた右目の傷は調子よく治る所だっただろう?…リーダーとして自覚あるのかな?」


ルカリアは右目を押さえ、荒く呼吸しながらヴァレッサを見上げていた。

体は麻痺して動けなくなり、立ち上がる事すら難しい。


「っ……っ……うっ、ぐぅ…。」

「何か話したらどうだ?私は言ってくれないとわからないんだよ、ルカリア。」

「……す……こ………まっ…て…」


右目のあまりの痛さに喋ることもできない。しかし、伝えないと次に何をされるかわからない。


(本当はこいつが悪魔なんじゃないかと時々思ってしまう。…死神の加護を頂けたくらい人間だった頃は残酷だったんだろう…。)


3分くらい経つと何とか痛みが引いてきた。

言葉を発することもできるようになった。

ルカリアはヴァレッサに話しかけた。


「……リーダーをやめる。そうした方がいいだろう。リーダーとして自覚なんて初めからない。そもそも元人間達の管理なんてはなから私ができるわけなかったんだ、それだけだ。団長にそう言ってくれ。」


ヴァレッサしばらく考え、ルカリアを見た。


「誰か立候補がいるのかな?」

「ルークは?」

「あれはダメだ、優し過ぎる。まだ君の方が良い。」

「前から思った事を聞いても?」

「何だ?」


ヴァレッサはいつもルークの話になると微笑みが絶えない。

他の連中は興味ないような目をしていて、ルークの時だけ目まで微笑んでいる。


「ルークは貴方のことを“過去の遺物”と言っていた。昔からの馴染みかもしれないが、ルークを甘やかし過ぎるんじゃないかと思っている。前リーダーである貴方がそんな風で良いのかと思うんだが…?」


ヴァレッサはまた考えた。

しばらくしかめっ面な顔をしたが、すぐに顔が元通り微笑んで答えた。


「ならリーダーの命令を聞こう。ルカリアと同じ対応をする。そうすると、私の実験になってもらうことがあるが?…このナイフでまた投げる事があるかもな?」


ルカリアは驚いた。

そんなことしたらルークは元人間だからすぐに死ぬ。

過去に何があったかわからないが、ヴァレッサはそこまでルークの事を気にしていないのか。

何故リーダーをルークにしなかったか。

何故副リーダーにしたのか。


昔ヴァレッサがリーダーだった時、次のリーダーを選ぶ時期があった。

選び方はみんなの意見で決まる。

その時、実は大半が“ルーク”がいいと希望していたんだ。

しっかり者で、お調子者な所があるが、洞察力が優れていて、能力もチームの中では1番有能だった。


「それはそうと、君も団長の命令を歯向かうのか?元々団長本人からのご希望だよ。辞退なんて、団長が悲しむ。」


そうだった。

あの時話し合いがうまく纏まらなくて最終的にヴァレッサではなく団長が決断した。


結果、リーダールカリア、副リーダールークと決まってルカリアチームが出来た。

理由を団長に聞いたら、男連続でリーダーはつまらないからという理由だけだった。


「あぁ!もういい!わかった!!」

なんだかバカバカしくなった。どうでもよくなった。

人間ごっこや騒ぎも疲れて、ルカリアはやけになった。

「今まで通りでいい!今まで通り!リーダーも辞退しない、最後までその時が来るまでやり続けるよ。ったく、悪趣味が。」


ルカリアは立って、右目の治療をした。

治療箱は本棚に紛れ込んであるのでそこから取り出した。

乱雑だが右目の眼帯を外して眼帯テープを貼り直した。

(念の為、ヴァレッサ兄さんの部屋確認してよかった…。)


「僕にとって悪趣味という意味は、言葉辞典から言わせてもらうが、品が悪い趣味、また道徳に反したことを人に嫌がることを平気でやると出る。僕は決して悪趣味ではないと思うのだが?……僕が対象にしているものはちゃんと条件つけているだろう?」

「あぁー、はいはい。んで?材料調達の件、今回は何人だ?」


ヴァレッサ兄さんは左手で2、次に4と示した。

これは、最悪2人、最高4人と示している。

用は、生きた人間を生け捕りにしてこいという事。


「承知致しました、ヴァレッサ兄さん。」


そう言い残し、私は教授室を後にした。


最後まで読んでいただきありがとうございます!


今回は大学編が出てきました!

新しい登場人物でステア教授出ましたが、あまり大したことありません。

一般的にいそうな、優しくて穏やかで明るい先生だと思ってください(⌒-⌒; )


そして、ルカリアとヴァレッサの対話が出てきました。

レイさんからは「クズい」と言われましたが、皆さんはいかがでしたか?

私はヴァレッサがいじめたつもりありませんがこんな感じかなと考えてました( ̄▽ ̄;)


ヴァレッサについて少し説明します。

今回「死神の加護を…」と出ました。

生前、ヴァレッサは人間でした。ですが死神に気に入られ加護をもらいました。

団長の手で復活しましたが、目を付けていたのは死神です。

またいつかお話で出てきます^ - ^


そして護身用のナイフ。

これは加護を与えてくれた死神さんからの頂き物で、昔ヴァレッサがリーダーだった頃、よく使っていました。

生身の人間だとすぐに死にます。

悪魔族、死神族は痛みの感覚があるくらいです。死にはしません、回復が遅れるだけです。

ルカリア痛そうでしたね…。


そしてルカリアが悪魔族の者と出ました。

ルカリアはずっと今まで小さい頃から生きてきました。

訳あって団長が引き取りモノクロサーカス団へ連れて来ました。

傷があってもすぐ回復します。

頭にナイフが刺さっても、普通のナイフであれば痛みを感じません。

今回ヴァレッサが投げた普通のナイフの傷はすぐに回復します。

ですが特別なナイフ、護身用は回復が遅れ痛みを感じてしまいます。かわいそうですね…。

それでは皆さん、次の話でまた会いましょう!


ありがとうございました(°▽°)!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ