さあ、ショーの始まりだ
椿視点に戻ります
杏さん達に着いて行くと莇さんが男一人に苦戦しているのが見えた
あれ?小原先輩は?と思ったが気にしない
「莇さん!応戦するよ!」
「邪魔しないでください!これは私の相手ですわ!」
「そうだ。せっかくのショーが台無しだろ?」
この争いをショーと呼ぶ男性は不敵に笑っている
どうやら、一対一がしたいらしい
でも男性恐怖症は完全に治ってないのに大丈夫なのだろうか
杏さんと皀さんは大丈夫と判断したのか別々に何処かに行ってしまう
俺は莇さんと仲がいい皀さんに付いて行く
「大丈夫なのかな?莇さん」
「あいつが大丈夫なら大丈夫なんでしょ」
ナイフを持ってる時の皀さんを見るとやはり戸惑う
でも、結構な信頼を持ってるようだ。
俺も信用しなきゃ。彼女の実力を
「さあ、ショーの始まりだ。楽しませてくれよ」
男はそう言ってポケットから拳銃を出して撃ち始める
莇さんは素早く動いてそれを避けると木の後ろに隠れる
そして木に隠れながら銃を撃ち始める
「なんだ?そんなのじゃ当たらないぞ」
男は余裕を持ちながら木に近づいて行く
そしてすぐそこまで来ると莇さんは木を掴みながら
ジャンプして回し蹴りをする
しかしその足を掴まれ、隠れてた木に思いっきり投げられる
「せっかくのショーなんだ。もうちょっと頑張ってくれよ」
男はそう言って座り込んでしまった莇さんの腕を掴み
男の目線に合うように掴み上げる
やはり莇さんは震えているように見える
恐怖症はまだ抜けてなかったんだ、やはり加勢した方が
「やめときな椿。あたいらが応戦したらきっと菫は嫌がるよ」
「でもこのままだと莇さんやられちゃうよ!」
「黙って見ててな」
「・・・・随分と信頼されてるんだな」
「私は、絶対にこの戦争を止める」
莇さんは初めて口を開き、そう述べた
その目は睨みつけるようだった
「笑わせてくれるな。お前の力で何が出来る」
「私はもう・・・・一人じゃない!信じてくれる人がいるんだ!」
莇さんはそう叫ぶと足で顎を蹴る
その拍子に男は手を離してしまう
莇さんは見事着地しさらにアッパーカットをかます
よろけた男の太ももに拳銃を向け、一発撃ち
そして倒れた際にスタンガンでとどめを刺した
「油断は禁物ですわ♪」
「・・・・流石だな・・・・楽しかったぜ・・・・」
男は不敵にそう笑ってから気絶した
莇さんはそこら辺の木に縛り上げた
「ご迷惑をおかけしました皆様。莇菫、ここに完全復刻ですわ!」
「莇さん男性恐怖症治ったんだね!凄い!」
「私を救ってくださった男の方のお陰ですわ♪もう一度会ってあの運命の人と会いたいですわ〜♡」
莇さんは頰を赤く染め、両手を頰に当ててそういう
俺は悪寒と寒気がした
もしかしてそれって男装した俺のこと?
この人男椿を女の俺として気づいてないのか!?
いや、別に困らなくもないけど運命感じてもらっても困る
少し誤解を解きたいが、まあそれは後でもいいだろう
このまま順調に行けばいいが・・・・そういえば
清水先輩と京塚さんをまだ見ていない
坂本さん達とも合流しながら探すとするか
でもこの時まだ俺は知らなかった
京塚さんが既に殺されそうになってることを




