甘さは移るもの
今回は白碧目線でお送りします
「一人を逃がし囮になった、賢明な判断です。ですが惜しい。結局は皆死ぬのだから」
女はそう言って手のひらからナイフを出す
こいつ、ロボットか。通りでいけすかねぇ奴だと思ったんだ
こいつは壊すしかない。腕でももぎ取ればなんとかなるだろう
『駄目だよ!俺は皆が殺し合わない世界を作りたいんだ!』
・・・・ちっ、椿の野郎の甘さが移ったのか?
俺は絶対に母を許さない
どんな犠牲を作っても絶対に止めてみせる!
俺は小手調べに跳躍しながら膝蹴りしようとする
しかし手のひらからナイフを出していてその手で防ごうとしたので
咄嗟にブレーキをかけ下からアッパーカットをする
だが、流石はロボ、俺のパンチにビクともしなかった
「私とあなたの戦力差は目に見えています。さっさと死んでください」
ロボはそう言って両腕から大量の針が飛んでくる
あまりに距離が近過ぎて避けることもできず
自分の体に針が刺さっていくのが分かる
ちっ、力じゃ負けちまうか、だったら電源を切るしかねぇ!
「図に乗るなよ・・・・このガラクタが!」
俺はそう罵倒してから顎を蹴るように宙返り
見事にヒットした感覚があり、俺はさらにバク転して距離を取る
椿が北雪の入試の時にロボの電源を切った場面は何度か見えていた
なので電源の場所は分かる。確か首の後ろだ
しかし、相手は何故か目を泳がせていた
「私が・・・・ガラクタ・・・・?」
「なんだてめぇ、気づいてなかったのか?いや、そういうわけではなさそうだな」
俺は小さく舌打ちしてから少し駆け寄る
何かブツブツと言っているようで、少し聞こえてきた
「マスター許してください・・・・ガラクタですみません・・・・・」
「・・・・マスターってのは蓮 宝玉のことか?」
「何故マスターのことを・・・・」
「さぞかしガラクタだの不用品だの言われてきたんだろ?」
「あなたに・・・・あなたに何が分かる!私はマスターに捨てられたくない・・・・ここで死んでもらう!」
ロボはそう言って強引に迫ってくる
俺は避けもせず首を掴んで絞める
ロボはそれで苦しむはずないが苦しそうに俺の手を掴む
やはり。こいつは・・・・
「お前は元々人間で、強制的に改造させられたんだな。記憶も消されてただ俺たちを殺す為だけに動いているのか」
「だから・・・・なんだというのです・・・・」
「それだけの人生なんてつまんねぇ。俺がお前を救ってやる殺す事がない時代にしてやる。お前が苦しむ必要なんてないんだ」
「・・・・白碧・・・・何故この私を助けようとするのです」
「ふっ、椿の甘さが移っちまったな」
俺はそう言って手を離す
ロボは少し咳き込んだがすぐに立ち上がった
その瞳に、もう戦う意思はなさそうだった
「・・・・マスターに逆らっても大丈夫でしょうか」
「大丈夫だ。俺がついてる」
「ありがとうございます・・・・私宮沢 逢、あなたに尽くさせてください」
彼女はそう言って長ズボンを少しめくる
その左足には火傷の跡があり、○の模様がついていた
俺もズボンをめくる
そこには○の模様がついていた
実は相手は戦争の生き残りの一人だった、というオチでしかも白碧もその人のパートナーだったという話でした
何故最後に印をお互い気づいて見せ合ったのかとか逢がどういう事情なのかはまた後ほどになります
というか、この話書いてて二人の性別を忘れかけました(意味深)




