私と戦え
「撫子さーーん!お久しぶりです〜!会いたかったです〜!」
ルックラルクに入った途端目の前がブラックアウトする
声的に菊ちゃんだと思うが
こいつ・・・こんなに胸があったのか・・・・けしからん
じゃなくて!息出来ないからとりあえず退かす
「お久菊ちゃん。島に行ってから二週間経ってたなんてちょっとびっくり」
「そうですよ〜全く連絡くれないから心配で〜」
今にも泣きそうな菊ちゃんを
引き剥がしてくれる楓っぴ
楓っぴは無表情でこちらを見てから
ほんの少しだけ微笑んだ
「もう死んだのかと思ったけど、無事ならいい。よく帰ってきたな」
「え、どしたの楓っぴ。気持ち悪い」
私も真顔で返すとさらに鉄拳が帰ってくる
二人にムギちゃんのことを軽く説明し
また島に行く準備をしていると
楓っぴに呼び出される
「少しだけ私のわがままに付き合ってくれるか?」
「わがまま?別にいいけどどしたの?」
「・・・私と戦え」
楓っぴの言葉に私は?マークを三つほど浮かべてから
手をポンと打とうとして空振って拳が太ももに当たる
「なるほどわからん!」
「わかんねぇのかよ・・・つかなんで空振りしてんだ」
「なんで楓っぴと戦わないといけないの?」
「・・・・お前が負ければ島に行くことを許可しない。島に行きたければ私を倒していけ」
「え!?なんで!?てかそういうの普通最初にするべきじゃね!?」
「お前が勝てばなんでも言う事を聞いてやる。どうだ?」
「よし乗った!絶対負けないかんね♪」
即決してしまったとはいえ
一般人相手に本気を出すわけにもいかない
なんで今頃になってこんなこと言ってきたのやら
楓っぴは指の関節をポキポキと鳴らしている
周りをちらってみると心配そうにしているムギちゃんと菊ちゃんと
面白そうにニコニコしているちーちゃんと
興味なさそうにお茶を飲んでいるまりりん
そしてルックラルクの店員全員だ
ここまで外野が多いと少し緊張しそうでしない(しないんかいと自分で突っ込む)
「ルールは簡単、相手がギブと言うか気絶したら勝ちだ。文句は?」
「ないよ。全力でかかってきな!」
「それじゃ〜戦いを始めてくださーい♪」
ちーちゃんの合図と共に私は身構えようとすると
楓っぴの蹴りが一瞬で私の腹に決まる
本気を出すことに躊躇はしていたが油断していたわけじゃない
共感覚で動いた筋肉すらも見聞きできる私が
全く反応出来ない速さの蹴り技だったのだ
「宣言してやる。お前を足だけで倒すってな」
楓のいきなりの戦闘に撫子かなりの苦戦!?




