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仕方のないこと
男が庭で穴を掘っていると、いつのまにか背後に女の子がやって来ていました。
「おじさん、わたしにも穴を掘って」
見ると女の子の腕の中で猫が眠っていました。いや、眠っているのではありません。どうやら死んでいるようです。
「この子はマリアっていうの。わたしの親友なの」
「わかったよ」
男は穴を掘ってあげました。
「こんなに大きくなくてもいいのに」
しばらくしてできたのは、深い穴でした。
その大きさは1メートル以上もある大きなもの。
「大きく掘ってくれたのね」
「そりゃあ。大切な猫なんだろう。ちゃんと埋めてあげないとな。それにさ」
男はその穴を埋めました。
目撃者は消さなければならないからです。
男は、最初に掘っていた穴の穴掘りを再開させました。




