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夢王たちの宴■第25回■ゴルゴダシティの宮殿舞台で、ジェイ・ポラードはビブラフォーンになったアイラと意識が同調した。そして過去のドラッグウォーの記憶が。

夢王たちの宴ードラッグ戦争の痕でー■第25回■

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

●http://www.yamada-kikaku.com/ yamadakikaku2009ーyoutube



■第25回■


 舞台の上では、ジェイと「ビブラフォーン」ことアイラの演奏は{ハルフ

ォードの稲妻}の最終楽章にはいっていた。


観客はすべて感覚の世界に没入していた。


「気づいただろう、君と仏以外の人間はすへて恍惚状態にはいって


る。すなわち我々の竟識のみが実在する、いや実在していた人間の


それなのだ」


実在世界の名前は「スプローギン大佐」ある導師デルガは、道化師マリクに言う。


道化師マリクの実在世界の名前は「ドクター・シュッカ」である。



 この時、すでにジェイ・ポラードはビブラフォーン・アイラとの意識が同調し、


一つの共生意識になっていた。


「ジェイ、私がわかるわね」


「そう、払は、今になってやっとわかった。許しておくれ、アイラ」


「私達はやっと一つになったわ」


「そうだ。そして我々は、我々だけの世界を作れる」


「いけないわ、ジェイ、この曲を聴く人々たちにも喜びをあたえてあげて」


「何だって、どうするんだ」


「ジェイP359をすべての人々に与えるのよ。


そうすれば、各々の人々が、自分自身の夢世界を持てるのよ」


 ジェイは、実世界の過去を、思い出し始めていた。、、、



 

ポーランド、ワルシャワ大学。


研究室のドアを荒々しく開け、二人の制服の男がはいってくるのが、ジェイの目に映った。


制服から見ると、国家安全局の人間らしい。ベルトには銃が装着されている。


「ジェイ=ポラードだね」


背の高い方の男が言った。片ほほがビクビク動いている。


 「そうです。私がジェイ=ボラードです。あなた方はすぐさまこの研究室


からでていっていただきたい。私はソネ将軍から全権を委任されている」


男はにやりと冷笑し、冷たく言った。



「その、君のいう、ご本人ソネ将軍からの命令だ」


もう一人の細面の男がいう。


二人は、同時にボラードの両わきを押さえた。


「ジェイボラード、君を、わが国家に対する反逆罪で逮捕する」


「逮捕だと?わが国家に対する反逆罪だと?何かの間違い、、ではないのか」


「それは、お前、白身の胸に聞いてみることだな」


「まさか、「プロジェクト・JP359」の件ではないだろうな」


「そうだ。ご名答だ。その「プロジェクト・JP359」の件だ」


「プロジェクト・JP359」は、人間を助ける計画でありながら、反面、全世界を破滅させかねない


特殊な麻薬医薬生産計画だった。


 ワルシャワ大学科学部の研究者ジェイ・ボラード博士は、世界が足もとから崩れるような気がした。


(続く)

1975年作品 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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●http://www.yamada-kikaku.com/ yamadakikaku2009ーyoutube

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