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夢王たちの宴■第11回何トンもある戦車が、キャタピラが動き、ジェイの左手の皮膚上に乗りかかる

夢王たちの宴ードラッグ戦争の痕でー■第11回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/


 何トンもある戦車が、キャタピラが動き、ジェイの左手の皮膚上に乗りかかる。


その戦車のキャタピラが、ゆっくりとジェイの手の皮・哲、骨、筋肉やかきまわす。


手の細胞が、ジュクジュクと粘りつき、体液がゆっくりと流れだし、機械にまとわりつく。


いたさの感覚が、数倍にのべて、緩慢に神経組織を、かたつむりのように

這上がっていく。

普通の痛さは、もう感覚ガイで、むしろ、甘美な皮膚感覚が、体全体を覆っている


 スブローギン大佐が繰り返す。


そのスブローギン大佐の声も遠くの方から山彦のように聞こえてくる。


 「ジェイ、P359の中和剤の隠し場所をいえ」


 ドクター・シュッカ。

 「いいかね、楽しい経験だよ」

ジェイは、 しだいに記憶・意識が薄らいでゆく。


意識の中に顔が明滅する。突然だ。

 美しい少女の顔。少女? それは誰なのだ。 


■急に、ジェイの意識は覚醒する。

チューターだった。

「お助けします、ジェイ」

「君ははマスターに逆っていいのか]


『チューター853、何ヲスルノダ』

 マスターの声が暫いている。


 チューターの体が影のようにちじこまって見える。

「申し訳ありません.マスターより上位の方の命令なのです」


「上位者、それは一体?]


「ジェイ・ポラードです」

「ジェイ=ポラードだって、波は今、実在しているのか」

「いえ、それは」


 急に、ジェイの足元が振動する。


 ジェイのまわりの風景は、静かに崩壊してゆく。


クリアな色は、段々色あせてゆき、物体はその輪郭がぽやけてくる。


ジェイは一つの「夢世界」の終りを体感しているのだ。


 あるいは、一つの夢からの、、まどろみからの、、ゆっくりとした目覚めの様な気がした。

世界が、ゆっくりと、薄ぼんやりとした、わけのわからない環境へと変貌してゆくのだ。


 目の前のタワーもゆるやかに、天頂の方から、どろりと、何かが溶けた

かの揉に崩れてゆく。


 船体の方も、今、ジェイが立っている基盤でさえも、熱くなってくる。足が徐

除に床ヘ下へと沈んでいく。


 もう、今は、チューターの姿も、作りかけた粘土細工の様に変化してい

た。

 「ンェィ、さぼうなう……」


 チューターはわずかにしゃべったようだが、それは、もう言葉にな

ってはいなかった。


 目の前のすべての物が、風化し、フエイドアウトしていく。ただーの

体のみが、この世の中の厳然たるもののようにみえた。


 ジェイは、自分の体がはっきり感じるとともに、左手に痛みを感じてき

た。


 今、彼の手は、ワルシゃワで戦車でひきつぷされた手に反比して

きているのだ、


 神経緩和則を、ドクター・シュッカに打たれた時の、痛みが、

じんわりと、戻ってくるような気がした。気絶しそうになる。         


 ジェイが、気を失しなう一瞬、「タワーシッブ」は、はぽ形を失ない、

新しくジェイのまわりに、実体化してくる「夢世界」があった。


それは、ゴルゴダ・シティである。     


(続く)20200408改訂

夢王たちの宴ードラッグ戦争の痕でー

キング・オブ・ドリーム-あるいは創造者の夢■

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

●how to draw manga ●manga-training

http://www.yamada-kikaku.com/

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