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夢王たちの供宴第一回■夢世界ひとつで、「神の左手」が探されている。それはこの入り組んだ「夢世界」を破壊あるいは解明させるのか?

■夢王たちの饗宴--ドラッグウォーの跡でー■第1回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com


●プロローグ


 そこは見渡す限りの荒野だった。風が砂ぽこりを舞いあげている。

旅人は,ゆっくりと顔をあげ遠くをかいま見た。


 あった。どうやらあれがゴルゴダシティの様だ。

光り輝くピラミッドがゆっくりと動いている。


 旅人は足を早めた。


ゴルゴダシティで「ビプラフオン」のプレイ

ヤーを求めていると聞いていた。

どうやら職にありつけそうだ。顔は、はころんでいた。


 門が見えた。門の下に3人の男がすわっている。近よってよく見

るとかなり若い。旅人はその若者達と目をあわさずに歩きさろうと

した。


「待ちな」

 声がかかる。旅人はすばやく通りすぎようとした。かかわりあい

になると恐ろしいと彼は患った。


「待ちなよ、聞きたい事があるんだ」

 その三人の中の小男が言った。


「なぜ手袋を左手にしているんだ」

 今度は大男が尋ねた。族人は答えに窮した。

彼の左手は「義手」だったのだ。


「私の左手はケガをしているむのですから」

「なんだってケガ?」小男の目が光る。


「手袋をぬいでみせてくれ」

 残った三人目、赤ら顔の男がいう。


「醜いのです。見せたくないのです」

 旅人はおびえながら言う。

「そうかわかったよ、それならこうだ」小男がわずかにうめく。


「ううっ」旅人は胸をかきむしるように倒れる。そして動かなくな

った。

「だめだぞ、こいつ本当に死んでしまったぞ」

 赤ら顔の男が言う。


「ムスカ、お前が手かげんせんからだ」

 大男が小男をたしなめる。


「ちえっ、心臓が止まっている」

ムスカと呼ばれた小男が言った。

「どうやら、こいつは違ったらしいな」

 大男が言った。そして、彼は手袋をしていた。


(続く)20210920改訂

1975年作品 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com

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