空中喫茶香月〜あなたの迷い、月香るお茶で紐解きます〜

記憶を失くした満月（みつき）が迷いこんだのは、月灯りの中に浮かぶ不思議なお店。
そこで出会った美形の双子・柳と燕は、この世とあの世の『ハザマ』を管理する死神だった。

気ままで、飄々としている柳。
気さくで、人当たりの良い燕。

彼らが営む『香月』は何らかの理由でハザマに来てしまった客の迷いを晴らし、在るべき世界（現世か幽世か）へ送り出す場所だった。
満月自身も迷いこんだ客であるものの、ここへ来た理由をどうしても思い出せない。
自分は何者なのか。
なぜ、迷いを抱えているのか。
そんな彼女に柳はしばらくここで働くことを提案し、ひとつの条件を課す。

記憶を取り戻した満月が、行き先にあの世を選んだ場合、彼女の魂を柳に狩らせること。

満月はその条件を受け入れ、香月での生活が始まる。
個性豊かなハザマの住人と、さまざまな事情を抱えた客たち、
月明りに浮かぶ幻想的な世界、
記憶を呼び起こす、美しいお茶。
なにかと満月に執着する柳と、それを楽しむ燕に翻弄されながらも、
客やハザマの住人と接するうちに、満月は得意のお菓子作りを生かしながら、自身の力を開花させていく。
やがて双子の秘密が彼女の運命を動かし――

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心に傷を抱えた主人公が、店を訪れる客の迷いを特別なお茶で紐解いていくうちに、
自分の記憶とも向き合っていく物語です。
綺麗でずるくて愛が重めな死神×奥手な主人公の淡い恋のお話としてもお楽しみいただけましたら。