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【35】Rランクはお得


 やせいの フロートアイ があらわれた!


「奴の目が光った時には状態異常を飛ばしてくる。――が、その時には落ち着いて視線上からステップ回避すれば状態異常には掛からないはずだ。落ち着いていけ」


「はい!」


 気合いの入った返事をしたルシアが駆け出した。


 敵はフロートアイが一体だけ。


 自らへ向かって疾走してくるルシアへ向かって眼球を妖しく光らせ、状態異常攻撃を放つが、事前の注意の通りにルシアは容易く視線上から回避する。


 そのまま足を緩めることなく間合いを詰め、近づいたところで長剣を勢い良く振り抜いた。


 アクションスキル――【オーラスラッシュ】


 光の剣がフロートアイを容易く両断する。


 ただでさえ物理攻撃に弱いフロートアイで、おまけに一階層に出現するようなレベルの低い魔物だ。60レベルとなったルシアの【オーラスラッシュ】に耐えられるはずもなかった。


 床に落ちて肉体を魔力へと還元していき、同時、小さな結晶体を残す。フロートアイのドロップアイテムで、魔石だ。


 剣を納めたルシアがそれを拾い上げる。


「これが魔石ですね」


「ふーん、なかなか綺麗ね」


「魔石でも一番質が低いやつだな。魔石・小だ」


 物珍しげに魔石を観察する二人に、簡単に説明してやる。


 魔石は黒い半透明の結晶体で、内部に暖色系の光が渦巻いている不思議な見た目をしている。『万魔殿』は五階層ごとにダンジョンとしての等級が上がっていき、それに伴って魔物がドロップする魔石の質も違ってくる。


 五階層まではダンジョン初級、魔石・小を落とし、五階層のボスが「虹魔石・小」を一個落とす。


 十階層までが中級、魔石・中を落とし、十階層のボスが「虹魔石・小」を五個落とす。


 十五階層までが上級、魔石・大を落とし、十五階層のボスが「虹魔石・小」を十個落とす。


 二十階層までが超上級、魔石極大を落とし、二十階層のボスが「虹魔石・小」を十五個落とす。


 で、この「虹魔石・小」が限界突破アイテムとなるのだが、小があればもちろん中や大があるのが道理だ。それぞれどのような効果かというと――、


 虹魔石・小が一個でRランクの限界突破が一回。


 虹魔石・中が一個でSRランクの限界突破が一回。


 虹魔石・大が一個でSSRランクの限界突破が一回できる。


 ゲームではキャラガチャのダブりやログインボーナス、イベント配布などで虹魔石の中や大も豊富に手に入れることができた。


 しかし、現実のこの世界ではそれらの入手方法は使えない。ではどうするかと言うと、「錬金屋」に虹魔石・小を持っていきお金を払うことで、中や大も入手することができる。下位の虹魔石を纏めて上位の虹魔石へと錬成することができるのだ。


 その内訳は――、


 虹魔石・小が二十五個で中が一つ。


 虹魔石・小が百個、または中が四個で大が一つ――へと錬成することができる。


 つまり、俺やルシアがSRやSSRだったら、気が遠くなるほどの回数、ダンジョンを周回せねばならなかったが、Rランクであるために、二人分でもたった八回の周回で必要な虹魔石を確保できる計算になる。


 なお、十階層以降へ挑むのは現時点では戦力的にリスクが高すぎるために、安全をとって五階層までを周回することにしている。


 Rランクは確かにクソザコではあるが、このように育成面においては必要な素材が少なくて済む、という利点もあるのだった。


「魔石は武器の強化にも使えるしな。この機会にできるだけ集めておくと良いぞ」


「ですね」


 ルシアが魔石をアイテム袋に仕舞い、俺たちはさらに先を行く。


『万魔殿』にはゲームみたいに簡単に来れるわけではないため、この機会に魔石は大量に集めておきたいところだが……、


「でも、魔物が少ないですね。『魂の修練場』と違って、人も多いですし」


 というルシアの言葉通り、ダンジョンに入っている他の冒険者が多くて、獲物の取り合いになる、みたいな状況が発生していた。


 少し歩いただけで冒険者とすれ違ったり、魔物の湧き待ちをしている冒険者パーティーがいたりと、『魂の修練場』とは打って変わって賑やかだ。


「さすがにデカイ都市だし、入っている冒険者の数もそれなりだな。……魔石を集めるにも深い階層の方が人も少なくなるだろうし、良いかもしれん。五階層までは移動を優先するか」


「はい」


 というわけで、さっさと下の階層へ降りてしまうことにする。


『万魔殿』は階層の数もそれなりに多いが、何より一階層の面積も広大だ。それゆえか、四階層くらいまで降りると急激に混雑は解消され、五階層となると同じ種類の魔物でもレベルは上がるが、いちいち探す手間はいらないくらいに湧いていた。


 その五階層でしばらく狩りをする。



お読みいただきありがとうございます!

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