ケーキ
ケーキ食べたくて
今日は、ケーキを焼くことにした。
居酒屋だけど?という疑問は聞かない。
このファンファンに足りないのは、可愛らしさだ。
というわけで、粉をふるってる。
バターもきちんと量る。
砂糖も、、、うん、良し。
卵は採りたて。
「甘い匂いがするー!」
店員が、少しうるさいけれど、頭の中で、エルフに変換する。
うん、良い。
俺の混ぜる力とスピードのおかげか、あっという間に生クリームも泡立つ。
メレンゲも、お茶の子サイサイ。
ケーキの焼ける匂いが、店内に広がる。
頭の中では、ここはエルフのケーキ屋さんだ。
かわいいエプロンを付けたエルフ(自分)が、可憐なケーキを焼く。
ちょっとおっちょこちょいな店員のエルフも、楽しみにぴょこぴょこ飛んでる。
「うふふ、そんなに、はしゃいじゃ、ダメよ?」
「───おい」
目の前にモチがいた。
「顔が恐い」
思わず口走った。常連客に対して。
「こっちのセリフじゃボケ!なにが、ダメよ?だ!お前の頭の中が一番ダメだろ!この顔面凶器が!」
せっかくケーキ作ってるのに。
「まだ開店してないぞ」
「いや、昨日は悪かったと思って。その、新しい店員を紹介したくて」
「今、募集はしていな、、、」
エルフがいた。
いや、でもなんか、何かが違うような?
なんていうか、顔が普通だ。
エルフの美しさと華やかさが無い。
「あのっ私、ワラビって言います!エルフの外れってよく言われてて、、、」
てへへ、と笑うワラビ。
「いや、なんだ、その、俺が恐くてみんな逃げるんだが、お前は平気か?」
ワラビは、にこにこ笑ってる。
「はい!大丈夫です!私の父親に似てます!」
え?俺、オーガだけど?
「えっと、エルフとオーガのダブル?」
「いえ!両親ともにエルフの大ハズレと言われる顔面で。私は、割と大丈夫な方です。我が家では」
また、てへへ、と笑う。
「そんな風に両親のことを言うもんじゃねえ。大切に育ててくれたから、ここまで育ったんだろーが」
ちょっと、つっけんどんになっちまった。
あ、泣く?やべ
「はい!私の自慢の両親です!」
てへへ、じゃなくて、ちゃんと笑うと愛嬌があって、なかなかかわいいじゃねーか。
「うちで働いてくれるのか?」
「雇ってくれるんですか?」
モチが間に入る。
「はーい、契約成立~。いつから?」
「ワラビの都合の良い時ならいつでも」
「じゃあ、このまま働きます!」
すげーやる気。
「じゃあ、このクリームでケーキを飾るぞー」
「任せて下さい!」
ワラビのセンスは素晴らしかった。
植物の模様のあしらい方が、特にきれいで、果物の配置も完璧。
「お前、すげーな」
「私、こういうの大好きなんです」
得意そうに笑うワラビの鼻の頭にはクリームや砂糖。
「付いてるぞ」
「あっあわわわわ」
なんつーか、野花みたいだけど、ファンファンにも、ようやく花が1輪咲いたな。
「モチ、今日のケーキはサービスだ」
「じゃあ、丸ごとくれよ」
ファン特製アッパーカットをモチの顎に入れてから、ケーキをカットした。
作ろうか悩んでます