戻ってきて
ふと、思い付いた詩です。
君に僕は声を掛け続ける
お願いだから、戻ってきて
と……
腕に力を込めても
その手を握っても
反応は無い
君は、夢の国に居るのかな
それとも、混沌とした闇の中かな
それならば
僕が夢から覚める魔法を使わせて
僕は身を屈め君に口づけをする
お願いだから、戻ってきて
と
魔法なんかこの世には無い
それを分かっていても、僕はもう一度
その安らかな呼吸をしている唇に魔法をかける
君は穏やかに眠ったままだった
僕の目から、涙が一滴、握っているその手に落ちた
冷たかったかなと慌てても、君の反応は無い
僕は願った
全ての信仰の源に
神様、イエス様、マリア様、仏様、お釈迦様……
何でもいいんです
どうか、彼女を目覚めさせてくださいと
その手を両手で包み込む
仄かに温かい君の手
僕は願う
只々、願う……
読んで下さり、ありがとうございました。