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短編

ピコン

作者: 小沢琉祢

ピコン

「え?」

聞きなれない音が耳元でしてびっくりした。

「どしたの?」

「いや、今ピコンって音しなかった?」

「え?しなかったけど…」

「じゃあ気のせいだわ。ごめん、なんの話だっけ?」

「えーめっちゃ怖い。てか気になる!!何ピコンって音って??」

「いや、なんでもないよー」

きっと気のせい。

大体あんな音が聞こえたの今日が初めてだし、気にしない方がいいよね。






ピコン

まただ。

もーこの音ほんとになんだろ?

何か警告なのかなあ?

でもこの音私にしか聞こえてないみたいだしなあ。

本当に謎なんだよなー





ピコン

いい加減にして!!!うるさいうるさいうるさい!!!!

本当に何とかできないのかな?

どうしてこんなにも邪魔な音がするんだろう。

『お時間です。起きてください』

え?

直後、目の前が真っ暗になる。

気が付いたら私は、真っ白な部屋にいた。

そうだ。

私、死ぬんだった。

「最後にいい夢、見れましたか?」

白衣を着た男性が言う。

「うーん…ピコンピコンという音がうるさくて、あまりいい夢じゃなかったですね」

正直に言ってみる。

「ああ、すいません。こっちに戻るまでの時間をカウントしている音ですので、なくすことは出来ないんです。音がうるさいというのはみなさんおっしゃるんですが、どうしようもないものですので…」

申し訳なさそうにしている男性を見てこっちの方が申し訳なくなってしまった。

「すいません。クレームですよね。夢を見る時間があるだけでも幸せだと思うべきですよね」

「いえ、言われなれてるので大丈夫です。最後をしあわせな記憶で過ごしたいという方は沢山いらっしゃりますので、音も消せるように善処します」

「そうですね。そうしていただけると後の方も喜ばれると思いますよ」

そろそろ終わりにしましょうか。

と言って男性が注射器を取り出す。

中身が最近開発された、安楽死用の薬だという事はもうわかっていた。

そうですね。お願いします。

そこから先の記憶は私にはない。

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