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この乙女ゲーはバグってる。  作者: 江川ショーコ
7/13

放課後に

「まさかと思うけどいつもあんなことされてるわけ?」


 放課後になり放送室を出てから数時間が経った。無駄に広く感じる学園の敷地を案内しているさなか、一二三が聞いてきた。


「あんなことって?」


 何を指しているのかが全く分からずに聞き返す。


「セクハラのことだろ。忘れてんの?」


 何を言うかと律が答えた。どうやら“あんなこと”というのが分かっていなかったのは私だけだったようだ。


「ああ。まあ、おふざけだし。気にしてないよ。」


 そう答えると3人が苦い顔をした。まるで誰かをあわれむような、私に対して何を言っているんだと抗議するような。そんな目を向けてくる。


「・・・バカじゃないの」


「せんぱ~い!」


 ボソッと小声で呟いた一二三の言葉は元気な挨拶でかき消された。挨拶をしたのは後輩ポジションの攻略対象、奏夏樹だった。夏樹は駆け寄ってくると思い切り私に抱きついてきた。今日はよく抱きつかれる日だなぁとしみじみ思う。


「センパイ、僕に会いに来てくれたんですか~?」


「いや、転校生を案内してるだけだし、くっつくな。」


 口で言おうとも離れやしないので私は力ずくで引き離す。口を尖らせてブーブー言っているがそんなことは無視だ。


「誰?」


 一二三が夏樹に指をさして言ってきた。目は私を向かず夏樹を見ている。


「リン、人に指さしちゃダメ。こいつは奏夏樹。後輩。」


 指摘されると一二三はすぐに手を引っ込めた。


「よろしくお願いします、リンさん。」


「勝手にリンって呼ばないで。リンって呼んで良いのはトオルだけだから。ボクは鈴一二三。覚えなくても良いから。」


 だからもう少し愛想と言うものを・・・と、私に言われたくないであろう注意をしようとしたとき、


「センパイは調理室に行かないんですか?今日はマフィンらしいですよ。」


 と、夏樹が言ってきた。どうやら食物部は活動するらしい。


「行きたいけどな~。案内があるし・・・」


 そう言いつつ3人に目をやると


「行けば良いんじゃないかい?まだ案内されてないはずだったし。部活動の様子も見てみたいよ。」


 ネイロがそう言ってきた。確かネイロはヒロインと同じ食物部に入る。ヒロインから部活を見に来ないかと言われて行っていたはずだ。そのシナリオを変えて良いのか分からないが、早くから食物部を体験させ、ヒロインと交友を深めてもらうのは大事だろう。今のところ私に関わりがなく、ヒロインと仲良くしているのはネイロだけなのだから。律と一二三も特に異論はないようだ。


「じゃあ、承諾も得たということで調理室へレッツゴー!」


 そう言って、マフィンを楽しみにしながら調理室へと向かった。

短いですかね。すみません。

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