案内の始まり
短いです。
それからは大変だった。
終始リンは私を頼り、頼られる度に女子から冷たい視線が注がれる。しかも冷たい視線を出しているのは今活躍中の若手芸能人だ。美人な人ほど真顔が怖い。そんな視線に耐えながらなんとか昼休みまでくることができた。
「俺、学級長の千賀律!天使に鈴!よろしくな!」
昼休みになってすぐ話しかけてきたのは律だった。なんでも、呼び出されていたのは校舎の案内をしてほしいと頼まれたかららしい。転校生2人に声をかけて、ネイロ、一二三、私の順で座っている。
「今から校舎の案内をする。分からないことがあったらなんでも聞いてくれ!」
「ちょ、待て待て、私の必要性は!?いる意味ないだろ!」
案内をするなら転校生だけで十分のはず。
「トオルはボクの世話係でしょ。一緒にいなきゃダメ。」
「ヒュ~、お熱いね~。」
横からネイロがチャチャを入れる。そのノリが凄く腹立たしい。1発殴ってやりたい気持ちを抑えながら律に目を向ける。
「あー、男ばっかじゃアレだから来てもらえると嬉しいんだけど・・・駄目か?」
アレってドレだ。申し訳なさそうに言われて、何も言えない。1年間友人として関わったために、攻略対象だからと断るのは私の心が許さなかった。
「駄目ではないけど・・・」
そう言った直後に
「じゃあ決まり!柊も一緒にな!」
と、ニカッと大きな笑顔を見せて律が笑った。絶対にこの男は私が断らないと分かって申し訳なさそうにしているんだ。そうに違いない。
仕方なく教室から出てまずは腹ごしらえと食堂に向かった。
このあとが長くなるので切ります。
校舎案内という名目で出ていないキャラを出していこうかと思います。
ご意見・ご感想、お待ちしております。