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この乙女ゲーはバグってる。  作者: 江川ショーコ
4/13

ゲームの始まり?

 重たい気持ちで教室のドアを開ける。色とりどりの髪色が見に入り少しチカチカしそうだ。今私がなぜ重たい気持ちなのか、それは席の場所のせいである。


「はよ!柊!」


「おはようございます・・・」


 前の席の人物であり攻略対象、千賀律。関わらないでおこうと決めた昨日の夜に思い出したのだ。律の席はヒロインの春咲音歌よりも私の方が近い。しかも、何故かなつかれてしまっている現実を。


「どうした?声がちっせぇなぁ。それに急に敬語使い出して・・・距離感じるからタメにしろって!」


(まさか自分が悪役ポジになるかもなんてこと考えもしなかったから、普通に仲良くしちゃってた・・・これは軌道修正できるのか?)


「そういや、転校生がいるらしいぜ。それも2人。どんなやつだろうな!」


「さ、さあ・・・?」


 そんな無意味な話をしていると、教室の前のドアが開き、我がクラスの担任であり攻略対象、神野音楽が入ってきた。


「今日は2年生になって初の登校日です。皆さんも後輩を持つのですから気を引き締めて。それと転校生が2人います。入って。」


 楽はドアの方に目をやると攻略対象、天使ネイロとリンが入ってきた。教室の生徒から黄色い声が上がる。2人とも中性的故に男子生徒もざわざわしていて落ち着きがない。2人は自己紹介を促され、


「天使ネイロだよ。キュートな女の子に見つめられて緊張しちゃうな。」


(いや、緊張してるやつの台詞じゃねぇだろ。つーか、男も見てますが?)


「鈴一二三。ヨロシク。」


(端的すぎるだろ。もっとなにか喋りなさい、話しかけづらいでしょう!)


 と、心の中のみでツッコミをしつつ、顔に反応は出さない。楽が席順の紙を見ながら、


「天使くんはあそこ。」


 ヒロインの隣の席を指差し、ネイロに告げる中、律がこちらにヒソヒソと話しかけてくる。


「なんか・・・2人とも凄くね?」


「そう?普通じゃない?だってこの学校の芸能科だし。」


「まあ、そうか・・・」


「学園長が目をつけたんだから実力はあるよ。」


 そんな話に気を取られていて気付くのが遅れた。後ろからいきなり腕と首をおさえられ、いつのまにか後ろにはリンが立っていた。


「この子・・・ボクのなんだけど?」


 教室中が凍りついた。完全に皆は勘違いをしている。


「どういうことだよ。」


 話を遮られたせいか、律が怪訝な顔をする。


「せ・わ・が・か・りな!お前の所有物みたいに言うな。いきなり後ろから抱きつくな。あと、リン、教室で勝手な行動しない。現場でも大事になってくることだぞ。」


 “世話係”という部分を強調して言った。私の言葉を受け、楽が丁寧に説明する。


「鈴くんは世間常識がいまいち分かっていないからと学園長が世話係に透さんを名指ししました。鈴くんの席は透さんの隣です。」


 楽が渋い顔のまま言う。そりゃめんどくさそうな転校生が急に2人もクラスに追加されりゃあ渋い顔にもなるわな、と私は心底思う。鈴は大人しく隣の席へと座る。


「千賀君、あとで職員室に来て下さい。」


「へ?分かりました。」


 なぜか律が呼び出され、その日のホームルームは終了。まあ、よくある景色だが、転校生の2人は質問攻めにあっている。ネイロは笑顔で受け答えしているが・・・リンは終始冷たいままだった。先程のリンの言葉もあってか、若干女子に睨まれてるような気がして、私は席をはずす。


「ちょっと、どこ行くの?」


「トイレ・・・」


 リンが不服そうに目的地を聞いてきた。私は特に行くあてなど無かったが、ついてこられても厄介なので、絶対にリンが入れない場所を口にした。

元々考えていたシナリオとだいぶ誤差が・・・

すみません。改めて、小説家さん達の凄さを感じます。

ご意見・ご感想、お待ちしてます。

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