マオ
「 はぁあ?!
オレ、1人で片付けるのかよ?!
手伝えよ、セロも!! 」
セロフィート
「 助手さん…吟遊大詩人を働かせたら── 」
マオ
「 “ 祟られる ” ってか?
聞き飽きたよ!!
片付けは仕事に入らないんだよ! 」
セロフィート
「 はいはい。
助手さんは恐いです♪ 」
マオ
「 恐……くねぇよっ!!(////)
散らかしたのはセロだから!
片付け手伝うのはオレだから!! 」
セロフィート
「 ──そういう訳です 」
セロフィートは花弁が未だ出ている紙袋の口を閉じると、上下にシャカシャカと振った。
紙袋の口を開けると、セロフィートは観客達に中を見せた。
セロフィート
「 紙袋の中身は消えました。
──此で吟遊大詩人の手品ショーは終わりです 」
セロフィートは、甚もあっさりと手品ショーを切り上げた。
観客達は、両親から人気の無い山奥に捨てられて絶望する子供の様な顔をしている。
マオ
「( ……何で皆……。
セロって…怪しい宗教の教祖になれそうじゃんか…。
何か…おっかね…。
──っていうか、誰も解散しないんだな…。
此じゃあ片付けられないよ……。
…………はぁ〜〜〜。
何時迄居る気だよ…。
…………爺さん,婆さん達なんて…セロを拝んでるし……。
セロも満更でも無さ気に愛想振り撒いてるしな〜〜。
……いや、あれは愛想笑いじゃない…か。
面白がってる…。
絶っ対に面白がってるっ!! )」
マオは取り敢ず、セロフィートの事は放っとく事にして、片付けをする事にした。
丸台と白いシーツは自宅から持もって来きた。
丸まるテー台だいブルの上うえには紙かみ袋ぶくろが載のっている。
何なに気げ無なく紙かみ袋ぶくろを開あけて中なかを除のぞいてみた。
紙かみ袋ぶくろの中なかにはゴミが入はいっていた。
ハンドクリームの容よう器きを包つつんでいた包つつみ紙がみ,ハンドクリームの台だい紙し,蜜み柑かんの皮かわが入はいっていた。
マオ
「 …………………………????
どうなってんの?!
セロが開あけた時ときは中なかには何なにも入はいってなかったよな!?
ゴミ……消きえた訳わけじゃなかったんだな…。
何ど処こに行いってたんだよ??
…………全ぜん然ぜん分わかんないよ… 」
マオは紙かみ袋ぶくろの口くちを閉とじると両りょう手てで、クシャッと折おり畳たたんだ。
折おり畳たたんだ紙かみ袋ぶくろの横よこにはハンドクリームの容よう器きが置おかれている。
中なか身みはきっと緑色グリーンのハンドクリームなのだろうが、此このハンドクリームが、蜜み柑かんになったり、生なまクリームになったり、飴あめ玉だまになったりしたのだ。
其それはついさっき迄まで──、30分ぷんの間あいだに起おこった出で来き事ごとだ。
マオには1時じ間かんも2時じ間かんも時じ間かんが過すぎているかの様ような感かん覚かくがあるのだが、実じっ際さいにはセロフィートが手て品じなショーを始はじめて未まだ30分ぷんしか経たっていないのだ。
マオはハンドクリームの容よう器きを開あけると念ねんの為ために中なかを確たしかめてみた。
緊きん張ちょうしているのか生なま唾つばをゴクリ…ゴクリ…と数すう回かいも呑のみ込こんでから紙かみ袋ぶくろの中なかを見みると、緑みどりグリ色いろーンのクリームが入はいっていた。
子こ供ども達たちや老ろう人じん達たちがすくい取とって付つけた指ゆびの跡あとが、ちゃんと残のこっている。
マオ
「 …………ハンドクリームだよな?
……うん…。
どう見みてもハンドクリームだ…。
まごうことなくハンドクリームだ…。
………………指ゆびパッチンしたら中なか身みは変かわるのか??
…………いや…オレ、指ゆびパッチンなんて出で来きないじゃんか…。
う〜〜〜……気きになるっ!! 」
取とり敢あえず、マオはハンドクリームの容よう器きを閉とじた。
マオ
「 …………そう言いえば生なまクリームや飴あめ玉だまって何ど処こにあるんだ?
余あまってるなら何ど処こかにある筈はずだよな??
…………ん〜〜〜…見み当あたらないな…。
セロの奴やつ、何ど処こに置おいてるんだ??
どっかに隠かくしてんのか?? 」
マオはセロフィートが手て品じなで使つかっていた生なまクリームや飴あめ玉だまを探さがしてみたが、其それらしい物ものは一いっ向こうに見み当あたらない。
マオ
「 んーーーー……やっぱ無ないか……。
う〜〜〜…隠かくせる様ような場ば所しょは見み当あたらないしな〜……。
後あとで聞きいてみるかな… 」
マオは落おちている花はな弁びらを拾ひろいながら、未まだ噴ふん水すい公こう園えんに残のこっている観かん客きゃく達たちと楽たのしそうに話はなしをしているセロフィートに目めを向むけた。
自じ分ぶんのファン達たちを奪うばわれた大だい人にん気きのイケメン俳はい優ゆうが、大おお泣なきしながら走はしり去さって行いきそうな光こう景けいが其そ処こにはあった。
セロフィートは老ろい若にゃく関かん係けいなく、多おおくの女じょ性せい達たちに囲かこまれていた。
相あい変かわらずセロフィートは柔にゅう和わな微ほほ笑えみを浮うかべながら、女じょ性せい達たちと会かい話わを楽たのしんでいる様ように──マオの位い置ちからは見みえていた。
マオ
「 セロの奴やつ〜〜〜!!
オレ、1人りに片かた付づけさせて何なにしてんだっ!
文もん句く言いってやる!! 」
一いっ旦たん、花はな弁びらを広ひろい集あつめる手てを止とめたマオは、大おお股またでセロフィートの近ちかく迄まで歩あるいた。