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第39話

 カハッ! はぁはぁ……くそっ!

 精霊の森に入って四日が経った。

 くそっ! 時間がないってのに!

 休むことなく襲いかかる魔物たち。立ち向かい、立ち向かい、時には身を隠し。俺は、体力的にも精神的にも……既に限界を超えていた。



 自分が今いる場所も分からない。何度も同じ場所を回っているのかもしれない。昼間でも薄暗いこの森では、目印となる物も見つけにくい。

 ほんとに……精霊の泉なんてのが……あるのか……?

 出会うのは魔物ばかり。新たな情報を手に入れることもできない。

 俺は……戦い続けなければいけないのか?



 鬱蒼とした森の中でも日が沈むのは分かる。何しろ昼間の薄暗さとは一変し、何も見えない、真っ暗な空間となるからだ。

 はぁ……はぁ……はぁ……。

 近くを魔物が通り過ぎて行く気配を感じる。全長は五メートルを超えそうな魔物だ。足音の間隔。地を踏みしめる音の高さによる体重。低い唸り声。それらが過ぎ去る時間。姿が見えずとも、魔物の姿は手に取るように分かるようになった。



 勿論魔法を使えば、体の形まで正確に分かる。

 はぁ……はぁ……。眠気が……。めまいが……。

 この四日間、俺はまともに寝ていない。何しろそこら中に魔物がいるからだ。夜中は特に物音を立てることは出来まい。魔物の活動が活発になるからだ。

 限界……か……。

 身体は震え、まともに座ることすら出来なかった。俺は身を潜めていた樹洞(じゅどう)――木の中に出来る洞窟状の空間――で、気を失った。


1分間の読書、ありがとうございました。

また明日の12時に会えることを願っています。

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