第3話
ぐぐぐ、500文字前後小説とタイトルを変えたせいで文字数が更にオーバーしてしまった。申し訳ありません……。
では第3話目です。どうぞ。
「結婚の件は後ほど決めるとしよう。お前に決定権はないからな」
俺の《断る》発言は見事にスルーされた。これはまずい。何が何でもあんな奴との結婚など御免こうむる。……隙を見て逃げるか?
「では次にあ奴の属性を調べよう」
おっさんは、ペスン、と下手くそに指を鳴らす。
するとその音に合わせるように、俺の遥か後方、謁見の間の入り口が静かに開く。
「陛下、お持ちいたしました」
見た目と言動的に、宰相と思わしき老齢の髭爺さんが入ってくる。その爺さんは手に直径二十センチほどの透明な球を持っていた。
「小僧、この魔水晶に触れろ」
この爺さんも口が悪かった。
手錠を外してもらった俺は、兵士に槍を突きつけられながら仕方なく魔水晶とやらに触れる。
「あなたぁ、もし四大属性を全て持っていたらどうしましょうか~。ほほほほほ」
「何を言っているんだ。やつを召喚するのに何百人もの奴隷たちの命を使ったんだぞ。随分な出費となったんだ。そうでなくては困る」
「大丈夫ですわよ、お父様、お母様。魔法歴史の文献には、異世界から召喚した人たちは並ならぬ魔力量と多くの属性を持ってくると書かれてありますわ」
俺は、小説鉄板の展開だな、と思いながら魔水晶に触り続けた。
「陛下。結果が……で、出ました……」
「おお、結果はどうだった。属性は全てか? 魔力量は儂の百倍か?」
「そ、それがですね……」
宰相は口を濁しながら、魔水晶と俺を見ながらようやく口を開く。
「ま、魔力量は……一般的な赤子と、ど、同等……。属性は……風……のみです……」
……どうやら小説の展開通りにはいかなかったようだ。にしても赤ちゃんと同等って。
「奴を牢屋にぶち込めェッ!!」
何故に!?
1分間の読書ありがとうございました。
また明日の18時に会えることを願っています。