異世界に来てしまった
甲冑を着込んだ奴らは恐らく騎士団であろう。
人数は六人、未だこいつらがなぜ森の中にいたのかが分からないが、俺は今こいつらの指指した方向へと歩いている。
クソ、まだあの時の光景が目に焼き付いてやがる!!
未だにあの娘が殺された理由が分からない俺は顔を歪めながら歩いていた。
最初に声をかけてきた甲冑野郎が心配そうに見てたが、シカトした。
そして森を抜けた先は俺の知るような日本の道路では無かった。
ゲームや漫画で見るような草原と道の先にある城。
俺は日本とは…いや違う、別世界に来てしまったのかもしれない。
城の門を通る際に甲冑を着た奴らは門番に女の首を見せて楽しそうに話していた。
クソ、胸糞悪い。
そんな中、頭に声が聞こえた。
『ほう、そんな顔するなんて珍しい奴もいるもんだ。』と。
俺は辺りを見渡した。
すると、広場の中央にどでかい檻があった。
その中にどでかい、言葉にするならばドラゴンが中に入っていた。
そのドラゴンと目があった気がした。 気のせいだよな…
そう思ったが広場に人は甲冑団と門番以外誰もいない。
ドラゴンの檻の近くに行き俺は
「お前が話しかけたのか?」とドラゴンに聞いた。
ドラゴンは何も話さない。
空耳か…と思いその場を立ち去ろうとした時、頭の中に声が響いた。
『いかにもその通りだ。口の聞き方のなっていない小僧。』
俺は慌てて振り向いてドラゴンを見た時、何故かドラゴンが笑ってるように見えた。