第60話 ヌーディストビーチ
「反対側、大丈夫?」
「大丈夫だよ、ミサカさん」
カンカンカンッ
「こっちは終わったのさ」
「わかった。カルラ、杭を打って」
「任せるのじゃ」
カンカンカンッ
白い砂浜と林の境界付近に宿営用の大きなテントが完成した。
濃緑色の厚手の生地が陽光を受けて鈍く輝く。
(このテントは災害派遣用のものなんだけどね)
「完成したわ!」
私は声を上げた。
「おぉぉ」
一同から歓声が上がる。
幕を上げて中に入る。
中はひんやりとしていた。
「広いのじゃ」
「これならみんなで寝ても大丈夫ですね」
レイナの顔が少し赤くなる。
「たまには野営もいいものさ」
ナターシャは上機嫌だ。
私達は荷物をテントへ移動した。
◆ ◆ ◆
「設営も終わったし、泳ぐのさ」
そういうとナターシャは服を脱ぎ始めた。
「そうね、泳ぎましょう」
私は頷いた。
「海水浴も釣りもするにゃー」
ミケケは尻尾を振る。
服を脱ぎ終えたナターシャが外へ出た。
「ちょっと、ナターシャ、水着はぁ——」
私はナターシャを呼び止める。
「誰が見ているっていうのさ、そんなものはいらないのさ」
「みんなも脱ぐのさ」
「ミサカの言葉を借りるなら、脱いで脱いで脱ぎまくりなさい!! な・の・さ」
ナターシャは私にウインクをする。
「あたしも水着なんていらないよ」
ヴィヴィも素っ裸で外に出た。
「うちもいらないのじゃ」
カルラも続く。
「男がいないなら問題ないにゃ」
ミケケも続く。
「ちょっとあなたたち!」
私は動揺している。
「では、私も——」
レイナはそういうと顔を赤らめながら服を脱いで、そのまま外へ出た。
「ミサカなにしているのさ」
「はやくするのさ」
ナターシャの妖艶な目が私を見つめる。
(私だけ水着というわけはいかないわ)
(全裸で外を歩いたことなんて————ない)
私は顔を赤らめながら服を脱いで全裸になった。
(でも、やるしかない。女は度胸だわ)
ドクン、ドクン
心臓の音がはっきりと聞こえる。
私は意を決して、外に出た!
◆ ◆ ◆
潮風が心地よく全身に当たる。
もはや遮るものは存在しない。
(私、今、全裸で外を歩いているわ!)
バシャッバシャッ
みんな海に入って遊んでいる。
私も海に入りみんなに近づく。
「ミ・サ・カ」
ナターシャは微笑むと叫んだ。
「今なのさ!」
バシャー、バシャ、バシャーン
ヴィヴィとナターシャが海水を私に浴びせてきた。
「きゃ」
不意打ちをくらい海水まみれになった私。
「あなたたち!」
私は海水をかけ返す。しかし、ヴィヴィとナターシャはそれを回避して逃げた。
「待ちなさーい」
私は扶桑海軍で鍛えた水泳術で追いかける。
「きゃーきゃー」
「あはは」
そして——
ナターシャの背中をとらえ抱きついた。
私の腕がナターシャの豊満なものを捕らえる。
ムギュ
「あぁ、はぁん」
ナターシャのなんともいえない声。
「ご、ごめんなさい」
私はとっさに謝った。
ナターシャは振り返り私を見つめた。
「ミサカは積極的なのさ」
「いけないミサカなのさ」
ナターシャは笑った。
「も、もぅ」
私は顔が赤くなった。
「次は、あの岩まで競争だよ」
ヴィヴィがそういうと、岩に向かって泳ぎ始めた。
「負けないわよ、ヴィヴィ」
「扶桑海軍で鍛えた私を甘く見ないことだわ」
私はヴィヴィを追いかけた。
そうして、午前は楽しい海水浴が続くのであった。
◆ ◆ ◆
「そろそろお昼よ」
私は声をかける。
海から上がってきたみんなにバスタオルを渡した。
「ありがとうございます、ミサカさま」
レイナは顔を赤らめる。
「お姉さまと海で遊べてよかったのじゃ」
カルラは上機嫌だ。
「魚も何匹か釣れたにゃ」
ミケケの釣り用のバケツにはアージやサーバが数匹泳いでいた。
「夜の野焼きで食べるにゃ」
ミケケの口から涎が少し垂れていた。
私は茣蓙を敷いた。
そして、サンドイッチの入ったバスケットと果実水を用意した。
「ありがたいのさ」
みんな全裸のままサンドイッチを食べ始めた。
「午後は本来の任務である桃姫島探索に行きます」
「ですので、全裸はここまでです」
私はナターシャをじーと見つめた。
「わかっているのさ、ミサカ」
ナターシャはニヤリと笑った。
食べ終わり、全員が服を着るのを確認する。
「では、出発します」
私達は桃姫島の探索に出発した。
続く




