第49話 弓三連
「逃げろ!」
「リザーギンだ!」
外から悲鳴と足音がはっきりと聞こえた。
「リザーギンめ。また人さらいに来やがったか」
テツは憤る。
「私達がリザーギンを駆逐します」
「みんな行くわよ!」
一同は頷く。
私達は店を出て、浜の方へ駆けだした。
◆ ◆ ◆
「!」
リザーギン三体が村民を追いかけていた。
「許せない!」
レイナは怒気を強めて叫ぶと弓を三本手に持った。
シュー、シュー、シュゥゥゥーッ
高速の三連射!
「ギャアアアアア」
各リザーギンの頭部を貫いた。
リザーギンが断末魔を上げて地に伏した。
(この子、強くなっているわ!)
「やるじゃないのさ、レイナ」
「あたいは雑魚に魔法を撃つ必要がなくなったのさ」
「お任せください!」
レイナは凛とした声で応じる。
ズバ、ズババ、ズシャーッ
その後もリザーギンが弓矢によって駆逐されていく。
村の砂浜。
ヴゥゥゥゥーーン
リザーギンが小槍を投擲して来た。
「やらせないよ」
ヴィヴィが盾を構える。
グァーーン
盾に小槍が当たる。
レイナは横に飛びながら弓を放つ。
「ギャアアアアア」
投擲していたリザーギンの心臓を矢が正確に貫いた。
浜にはミノムシ船が五隻。
「やだやだ」
「助けて―」
助けを呼ぶ悲鳴が聞こえる。
リザーギンがとらえた親子をミノムシ船へ運び込もうとしていた。
「リザーギンの足は私が止めます!」
「ミサカさまは救助をお願いします!」
レイナが振り向き私に声をかけた。
私は頷く。
「やらせない!」
レイナは弓を引くと六発の矢を放った。
矢はリザーギンの足にすべて命中する。
リザーギンの動きが鈍った。
私は加速してリザーギンに接近し首を刎ねる。
親子を助けて後退する。
ミノムシ船から、リザーギンが数十体出てきた。
「戦闘態勢!」
私は号令をかけた。
ミケケは防御魔法を素早くかける。
レイナはレイピアを抜き構えた。
「黒ノ五式・エア」
「黒ノ五式・ライトニング」
レイナは加速し、剣には雷撃の加護が付与された。
ヴィヴィは盾を構えて、ナターシャとミケケを守る。
私、レイナ、カルラはリザーギンに向かって突進した。
ドギャーン
カルラの打撃がリザーギンの顔面を破壊する。
バチバチバチッ
レイナのレイピアがリザーギンの腕を切断する。
私の草薙の剣が、リザーギンの首をまとめて吹き飛ばす。
ナターシャとミケケは氷の槍と光の槍を撃ち続けた。
◆ ◆ ◆
「ギャ、ギャ」
リザーギンは劣勢となり、やがて逃げ出した。
「逃さない!」
私は追撃しようとするとナターシャが私の肩に手を伸ばした。
「逃がすのさ」
「あたいに考えがある」
私は少し考えて剣を収めた。
「今、やつらを駆逐してもまたやってくる——」
「あたいがやつらの本拠地を突きとめてくるのさ」
ナターシャは私の背を叩き微笑むとグラビティロッドに跨り、ゆっくりと上昇した。
◆ ◆ ◆
「あ、ありがとうございます」
母親が涙ながらにお礼をする。
私は泣いている女の子に微笑み、頭を優しく撫でた。
「もう、大丈夫よ」
「うん」
女の子は小さく頷いた。
騒動がおわって村の人たちが帰ってきた。
「あんたたちがやったのか?」
「信じられない——」
「プリティームーン、素敵!」
浜で歓声があがった。
しばらくするとテツもやってきた。
「お前さんたち、剣の腕も達人じゃったのか…」
テツは感心している。
「姉ちゃんたち、すごいよ」
マルは瞳をキラキラさせている。
◆ ◆ ◆
夕方。
ナターシャが帰ってきた。
「やつらの本拠地が分かったのさ」
ナターシャは親指を立てた。
「わかったわ、直ちに大和へ戻りましょう!」
「リザーギンの本拠地を叩きます!」
私達は急ぎ飛行ドローンへ戻った。
続く
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