第44話 対空砲火
「機関始動!」
「面舵30!」
私は号令する。
「了解しました、艦長」
魔導炉へ動力バイパスが接続される。
「ナターシャは露天艦橋で支援!」
「カルラ、ヴィヴィ、レイナはドローンの回収!」
「ミケケは万が一に備えて艦橋で待機!」
私は矢継ぎ早に指示を出す。
一同が了解の意思を示して動き出した。
「三式弾——いえ」
(今は三式弾使えないわ)
「左舷対空砲、射撃準備」
「目標、迫りくるワイバーン」
「ドローン回収後、射撃を開始してください」
「追い払うだけでいい」
「了解しました、艦長!」
ヤマトヒメは頷く。
ガチャ、グイイイーン——
対空砲座群が動き出す。
◆ ◆ ◆
露天艦橋。
「黒ノ二式・サークルパラライズ!」
ナターシャは範囲麻痺魔法を発動させた。
先頭集団のワイバーンが硬直し速度が低下する。
「これで少しは時間稼ぎできたさ」
ナターシャはニヤリと笑った。
後部甲板。
「ドローンが着陸するよ」
ヴィヴィが声を上げる。
シューーーーン
ドローンが下りてくる。
「任せてください!」
レイナがドローンを素早く畳む。
「あとは運ぶのじゃ」
「わかったよ、カルラ」
ヴィヴィとカルラはドローンを格納庫まで運んだ。
◆ ◆ ◆
艦橋。
「ドローンの回収終わったよ」
ヴィヴィの声がスピーカー越しに聞こえた。
「ありがとう」
私はマイクを通して礼を述べた。
私は号令する。
「左舷対空砲、射撃開始!」
カチッ
ダダダダダ!ドン!ドン!ドン!
対空砲が一斉に火を噴いた。
「ギャアア」
先頭を行くワイバーンが撃たれて海へ沈んでいく。
瞬く間に30匹が海に沈んだ。
ダダダダダ!
対空砲が休むことなく火を噴く。
「ギャアアアアア」
さらに30匹が海に沈んでいく。
「キュン、キュ、キュー」
ワイバーンの怯えた鳴き声。
ワイバーンは一斉に引き返し始めた。
「撃ち方、止め」
私は静かに指示を出した。
◆ ◆ ◆
しばらくするとみんなが艦橋に戻ってきた。
「あれだけのワイバーンを退けるなんて——」
「すごいです。ミサカさま」
レイナは尊敬の眼差しを私に向けている。
「ミサカなら当然のことなのさ」
ナターシャは私の肩を叩いた。
「吾輩の出番がないくらい安全だったにゃ」
ミケケは窓を眺めていた。
「ヤマトヒメ、大きな火山島は避けて北へ進みましょう」
「お願いできるかしら?」
私はヤマトヒメを見て微笑んだ。
「分かりました、艦長」
「この群島についてだけど"七群島"と命名しましょう」
一同は頷いた。
窓の外——
夕陽が海を赤く染めている。
大和も夕陽に照らされていた。
「そろそろ夕食にしましょうか?」
私は提案した。
「やったのじゃ、お腹減っておったのじゃ」
カルラは喜んだ。
静かな波の音が聞こえてくる。
大和は未踏破領域を北へ進んでいく。
その先に何があるのか——
続く
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