第38話 海洋調査、再び
再び、王国から海洋調査の依頼を受けた。
王国歴300年6月1日。
午前2時——
大和第一艦橋。
「大和、抜錨」
私はヤマトヒメに指示を出した。
ガラガラガラガラ、ガシャッ
錨が巻き上がる。
「大和、微速前進」
「——速力、0.5ノット」
私は号令する。
ヤマトヒメから復唱が帰ってくる。
ゴゴゴゴゴッ
地底湖から水路へ侵入。
海へ出た。
ザァーーー、ザザザザァ―――
カッ、カッ、カン、カン、カン……
雨が甲板を叩きつける音が響く。
「ミサカさま、海洋調査の目的ってなんでしょうか?」
レイナは真剣な眼差しで私を見つめる。
「世界を知ること……」
「そして——」
「脅威の有無の調査かしら」
私は窓を見つめた。
「王国は海からの脅威を警戒しているのさ」
ナターシャが静かに言う。
「去年の魔島沖での戦い——」
「大和がいなかったらバナテールは滅びていた」
ナターシャは微笑み、私を見る。
「そして——」
「ミサカが武蔵とともに時空転移してきたのもその時なのさ」
「ミサカさんが来なかったら、この大和も沈んでいたよ」
ヴィヴィが言った。
「吾輩は、王国軍とともに上陸した蛇人兵と戦っていたにゃ」
「撃退したものの多くの犠牲者がでたにゃ」
ミケケは耳を伏せた。
「そんなことがあったなんて!」
レイナは驚く。
「私はウッドウインドでなにも知らず暮らしていました」
レイナは神妙な顔をした。
私はレイナに微笑む。
「気にしなくてもいいのよ」
「レイナが平和に暮らしていた」
「それだけで私は嬉しいわ」
レイナはみんなを見渡し、そしてお辞儀をした。
「みなさんがいてくれたから、私は生きています」
「本当にありがとうございます」
静寂。
「レイナ、あたいらは仲間なんだからそんな堅苦しいことはなしさ」
ナターシャがレイナの肩を叩く。
その一言で場が和んだ。
みんな笑顔だ。いいわね。
◆ ◆ ◆
「ヤマトヒメ、針路005」
「速度、原速」
私は指示を出す。
「了解です。艦長」
ヤマトヒメは頷く。
「あとは私がやっておきますので、皆さんは少し休んでください」
ヤマトヒメは微笑んだ。
「わかったわ、あとはよろしく頼みます」
そして、一同は寝室のある第三艦橋へ降りて行った。
雨は強くなり、霧が出てきた。
続く
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