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異世界を助けに行ったら草薙の剣と戦艦大和があったので私TUEEEします ~ミサカさまがいく~  作者: wok
ミサカの日々

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第34話 領主の仕事II

王国歴300年5月5日——領主館前。


朝。


「レイナ、剣を振ってみて」


「はいっ、ミサカさま」


シュッ、シュッ


レイナは剣を振る。


私とナターシャは時間が空いていればレイナを訓練することにしている。


二人の師匠がレイナを見守る。


私は手を叩く。


「止まって、レイナ」


「はいっ」


私はレイナに近寄り、レイナの姿勢を正すために体に触れた。


「ここは、こうして……」


「ミ、ミサカさま」


レイナは顔を赤らめる。


「足さばきはこう——」


私はレイナの股に手を入れ、足の位置を調整する。


そのとき——


「ひゃぅぅ」


レイナの何とも言えない声が響く。


「?」


「ミサカさま——」


レイナが甘い声で囁いた。


「!」


側で見ていたナターシャがニヤニヤしている。


そして、落ち着いた声で言った。


「ミサカはいけない女なのさ……」


「どういうことよ、ナターシャ!」


「そういうことなのさ」


「ナターシャ!」


私はナターシャを追いかける。


ナターシャは私から逃げる。


そして、ナターシャはニヤリと笑った。


「悪かったのさ、ミサカは教育熱心なのさ」


「もぅ……」


私は気を取り直してレイナに指示する。


「その姿勢で剣を振ってみて」


「はいっ、ミサカさま」


シュバッ シュバッ


「あっ」


レイナは何かを感じ取っているみたいだ。


「今日は、素振りを100回やったら終了です」


「わかりました!」


新しい朝の日課。


二人の師匠が弟子を教える光景。


(なんかいいわね)


◆ ◆ ◆


午前10時。


先日、私はローレシア群の内政官にムサシヒメを任命した。


(これで三群の内政官は揃ったわ)

(私も領主として頑張らないとね)


今日はムサシヒメとローレシア群の三つの村へ視察に向かう。


コトコトコト、ガタン、コトコト


馬車は最初の視察地カーヴェル村を目指す。


カーヴェル村。


村には多数の原木が置かれていた。


「これはミサカさま」


村長は頭を下げる。


「面を上げてください」


村長は頭を上げた。


「なにか困ったことはありますか?」


私は率直に質問した。


「私共は林業と狩猟を生業としております」

「アルデームの森は私共の宝ですが、近年魔物が増えておりまして」


「仕事にならないと?」


「はい」


村長は俯く。


私は少し考える。


「わかりました。魔物の駆除についてはこちらで対応いたします」


「ありがとうございます、ミサカさま」


村長は深々と頭を下げた。


次のベルナ村へ向かう。


◆ ◆ ◆


馬車の中。


ムサシヒメが口を開いた。


「ミサカさん、魔物の駆除だけど……」


「それなら、プリティームーンがやるわ」


私は即答する。


ムサシヒメは落ち着いた口調で話す。


「確かにプリティームーンならできると思うけど」


「頻度の問題だと思うんだ」


「僕は冒険者ギルドに定期的に依頼を出すのがいいかなと思っているんだけど」


「ミサカさん、どうかな?」


内政官が領主にお伺いを立てた。


(確かに、頻度の問題だわ)

(冒険者ギルドでは依頼を受けるものだと思っていたけど)

(依頼を出す側になるなんて不思議なものね)


「ムサシヒメの案でいきましょう!」


「ありがとう、ミサカさん」


ムサシヒメは嬉しそうに微笑んだ。


「帰ったら手配しておくよ」


そして、馬車はベルナ村へ到着した。


◆ ◆ ◆


ベルナ村。


この村は小規模な市場と宿場があり、王都とローレシア群を繋ぐ街道に位置している。


「ようこそ、ミサカさま」


女村長が笑顔で迎えた。


「賑やかな街ですね」


私は微笑む。


「はい、王都ほどではありませんが、市場は活気にあふれていますわ」


私は一呼吸おく。


「なにか困ったことはありますか?」


「人の出入りが多いでしょう? 時々悪さをする者が……」


「治安の問題ですね」


「はい」


私は少し考えて答えた。


「わかりました。治安については私がなんとかします」


「ありがとうございます」


女村長は頭を下げた。


私は手を振り、最後のアルテ村へ向かった。


◆ ◆ ◆


馬車の中。


「治安維持についてなんだけど」

「ミサカ組にやらせようかしら」


私はムサシヒメに言った。


「流石はミサカさん。僕もそれでいいと思うよ」


(流石、私。内政官と意見が一致したわ)


私はムサシヒメを見てニコリと微笑んだ。


◆ ◆ ◆


アルテ村


聖河アレムに隣接する農村。


小麦畑が一面に広がっていた。


「よく来た、領主様」


老村長が近づいてくる。


「わしの名はガンド」


ガンドは手を差し伸べてきた。


私は手をとり握手をする。


「こんにちは、私はミサカです」


「知っておる」


私は広大な小麦畑を眺める。


そして、優しく問いかけた。


「なにか困っていることはあれば教えてください」


ガンドは沈黙する。


風の音が心地よく小麦畑を揺らす。


ガンドは口を開いた。


「そうじゃのぉ、小麦の収穫量が少しずつ減っておる」


「あとは、数年に一度くらいじゃが……」


「アレムが氾濫すると畑がダメになることくらいじゃなぁ」


私は小麦畑を見ながら少し考える。


私はガンドに聞いた。


「ガンドさん、畑の土を少し採取してもいいかしら」


「構わぬが……」


「ありがとう、ガンドさん」


私は畑に近寄り、数か所で土を採取した。


そして——


「ガンドさん、今日はありがとうございました」


「私なりにアルテ村について考えてみます」


私はガンドに手を振り馬車に乗り込む。


「領主様、よろしく頼む」


◆ ◆ ◆


帰路。


「収穫量と洪水かぁ」


私はムサシヒメを見つめた。


「収穫量については僕も調べてみないと分からないよ」


ムサシヒメは率直に答えた。


「治水工事は扶桑式でやるとしても時間が必要です」


「すぐには無理ですね」


ムサシヒメは窓を見つめている。


私はため息をつく。


「だよねぇ」


「帰ったら、いろいろと考えましょう」


コトコトコト。


馬車は領主館へ向かっていた。



続く

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