表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界を助けに行ったら草薙の剣と戦艦大和があったので私TUEEEします ~ミサカさまがいく~  作者: wok
プリティームーン結成

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/15

第14話 女子会

王国歴300年4月1日——


武蔵御殿。


今日は女子会だ。


私は鏡の前で深呼吸する。


(女子会……)


思い出すのは——


扶桑での休日。


ジャージ姿で乙女ゲームをしていた日々。


推しキャラのイベントを周回する。


それが私の休日だった。


(女子会なんて……手平山女子高以来だわ)


不安が募る。


「ミサカさん、大丈夫?」


ムサシヒメが心配そうに見つめる。


「ええ、大丈夫よ」


私は平静を装った。


(大丈夫じゃないけど……)


ムサシヒメが選んでくれたドレスに着替える。


「似合ってるよ、ミサカさん」

(軍服の方が落ち着くのだけど……)


「ありがとう、ムサシヒメ」


そして——


プリティームーンのメンバーと共に、馬車で王城へ向かった。


◆ ◆ ◆


王城。


「陛下、プリティームーンが到着いたしました」


侍従の声が響く。


「お通しください」


クレア女王の私室。


扉が開く。


「ようこそ、プリティームーンの皆さん」


クレアとリリアが微笑む。


「ご招待していただきありがとうございます、陛下」


私は一礼した。


「今日は、陛下も聖下もなしです」


クレアが優しく言う。


「名前で呼んでください」


「まあ、ミサカさん、素敵なドレスですわ」


「あ、ありがとうございます」


私は顔が熱くなる。


「陛——、クレアさん」


(褒められるの、慣れてないわ……)


一同が席に座る。


テーブルには——


『雫シフォン・柑橘』

『泡雪ムース・はちみつ』

『水鏡タルト・ぶどう』


色とりどりのケーキ。


紅茶やレモネードが並んでいる。


◆ ◆ ◆


和やかな雰囲気の中、会食が始まる。


日々の話、冒険の話に花が咲き——


「さてと——」


ナターシャが二人を交互に見る。


「クレアちゃんとリリアちゃん」


ニヤリと笑った。


「宰相閣下と毎晩どうなのさ?」


シーン。


二人が——完全に固まった。

(いきなり何聞いちゃってるのよ!)


顔が、真っ赤だ。


「な、ナターシャ!」

「な、ナターシャさん!」


二人が同時に叫ぶ。


顔を見合わせ——


さらに赤くなった。


リリアが小声で囁く。


「ボンちゃんとは、夜いつもお話をして……」


顔が真っ赤だ。


「それから、その……」


「三人で一緒に……」


「!」


クレアが慌てる。


「リリア! それ以上は言わないで!」


リリアの口を手で塞いだ。


「あら?」


ナターシャがニヤニヤする。


「はい、ご馳走さまなのさ」


「もう、ナターシャ」


クレアが頬を膨らませる。


「ナターシャさんはいじわるです」


リリアも恨めしそうに見つめた。


「お二人さんは、幸せなのさ」


「さて——」


ナターシャは獲物を捕らえるような目でヴィヴィを見つめる。


◆ ◆ ◆


「ヴィヴィはどうなのさ?」


ナターシャがヴィヴィを見た。


「え、あたし?」


ヴィヴィが目を丸くする。


「誰か気になる人はいます?」


リリアが尋ねる。


「うーん……」


ヴィヴィが少し考える。


「ドランとは、たまに食事に付き合ってあげてるけど」


「ドラン!?」


クレアが目を見開く。


「元・灰銀の牙の狂戦士の方ですか?」


「そ、そうだけど……」


「ヴィヴィも隅に置けないのさ」


ナターシャがニヤリと笑う。


「付き合ってあげてる、ねえ」


「ち、違うよ!」


ヴィヴィが慌てる。


「ドランが『メシ、イクカ』って誘ってくるから!」


「で、行くんだね?」


「う、うん……断るの悪いし……」


ヴィヴィの顔が少し赤い。


「それって恋なのじゃ?」


カルラが首を傾げる。


「恋じゃないよ!」


ヴィヴィが叫んだ。


「友達!ただの友達!」


「ふふ、可愛いですわ」


クレアが微笑む。


ヴィヴィは真っ赤になって俯いた。


◆ ◆ ◆


「カルラはどうなの?」


ヴィヴィが話題を逸らそうとする。


「うち?」


カルラの角が動く


「うちはお姉さまが大好きなのじゃ!」


胸を張る。


「お姉さまは素敵で、強くて、優しくて!」


「うちの自慢のお姉さまなのじゃ!」


「カルラ……」


私は微笑む。


「可愛いのさ、カルラ」


ナターシャが頭を撫でる。


「まあ、仲が良いのね」


クレアが微笑んだ。


「うちはお姉さまと一生一緒なのじゃ!」


カルラが私に抱きつく。


「ありがとう、カルラ」


私は彼女の頭を撫でた。


温かい雰囲気。


みんなが微笑んでいる。


◆ ◆ ◆


「ミケケはどうなのじゃ?」


カルラが尋ねる。


「吾輩?」


ミケケの耳がぴくりと動く。


「今は発情期じゃないから男はいらないにゃ」


「!?」


一同、固まった。


(発情期、なんてストレートなのよ!)


「そういう……」


ヴィヴィが言葉に詰まる。


「猫耳族は発情期以外、恋愛しないにゃ」


ミケケが当然のように言う。


「それ以外は仕事と食事にゃ。あと昼寝にゃ」


「昼寝も入るんだ……」


ナターシャが苦笑する。


「大事にゃ」


ミケケが真面目な顔で頷く。


「合理的さね、ミケケ」


「当然にゃ」


ミケケが胸を張った。


◆ ◆ ◆


「で」


ナターシャが私に振り向いた。


妖艶な瞳が私をとらえる。


「ミサカ——」


「!」


私の動きが止まる。


(まずいわ……!)


全員の視線が——


私に集中した。


素早く、話の矛先をナターシャに切り替える。


「ナ、ナターシャはどうなのですか?」


私は必死に尋ねた。


(なんとか話題を変えないと……!)


◆ ◆ ◆


「あたい?」


ナターシャが微笑む。


「昔はいたさ。60年前に死別したのさ。人間だったからね」


さらっと言う。


「……」


一瞬、空気が重くなる。


(ナターシャ……)


「あたいの昔話ならあとでいくらでも話してやるのさ」


ナターシャが優しく言った。


(時間稼ぎもできない——)


「で」


ナターシャが——再び私を見た。


ニヤリと笑う。


「ミ・サ・カはどうなのさ?」


「!!」


(逃げられない……!!)


私の動きが完全に止まる。


全員の視線が——


再び私に集中した。


今度こそ——


逃げ場はない。


◆ ◆ ◆


「み、ミサカさんは?」


ヴィヴィが身を乗り出す。


「好きな人、いるの?」


リリアが優しく尋ねる。


「え……」


私は視線を逸らす。


「い、いえ、私は……」


「いないの?」


クレアが首を傾げる。


「……」


沈黙。


全員の視線が痛い。


(逃げられない……)


「……います」


小さな声で答えた。


「!」


一同が色めき立つ。


「おお!」


カルラが目を輝かせる。


「どんな人なのさ?」


ナターシャが追求する。


「その……」


私は俯く。


「扶桑の……剣士で……」


「剣士!」


クレアが興味深そうに見つめる。


「お名前は……?」


リリアが尋ねる。


私は——


顔を真っ赤にして。


小さな声で答えた。


「……ソウジです」


シーン。

沈黙が場を支配する。


そして——


ピロリン♪


電子音が響いた。


「!?」


一同が固まる。


「な、なに……?」


私は混乱する。


◆ ◆ ◆


「お姉さま!」


カルラがスマホを掲げた。


「ソウジが返事したのじゃ!」


「!!!」


私の顔から血の気が引く。


(私がソウジと言うとアプリが立ち上がるようにしていたのよ!)


「カルラ、待って——」


私は手を伸ばす。


だが——遅かった。


画面には——


イケメンの剣士が映っている。


『ミサカ……名前を呼んでくれたのか?』

『嬉しい……』

『俺は……ミサカのことを——』

『愛してる……』


◆ ◆ ◆


「!!!」


一同、完全に固まる。


数秒の沈黙。


そして——


「ソウジさん、お返事くださったのですね」


クレアが微笑む。


「ソウジさんってミサカさんのことを愛しているんですね、素敵です」


リリアが優しい目で私を見つめる。


「ち、違います!!」


私は叫んだ。


「これは偶然で……!」


「偶然にしては出来すぎなのさ」


ナターシャがニヤニヤする。


「これは何なのさ?」


ナターシャがスマホを見つめる。


静寂。


「……扶桑の、ゲームです」


私はうなだれた。


「ゲーム?」


みんなが首を傾げる。


「乙女ゲームと言って……」


小さな声。


「好きな男性を選んで……恋愛する……娯楽です」


「!」


一同、理解する。


「つまり——」


ナターシャが頭を抱える。


「ミサカの好きな人は、ゲームの中の男さね」


「!」


図星だった。


「ミサカ」


ナターシャが私の肩に手を乗せる。


「もう……!」


(艦長の威厳とか、もうどうでもいいわ……!)


顔を両手で覆う。


(死にたい……)

(今すぐここから消えたい……)

(武蔵の装甲板の下に隠れたい……)


カルラは私に寄り添う。


「こういうお姉さまは、守りたくなるのじゃ」


ミケケは呆れた顔。


「ミサカ、おそろしい子にゃ……」


ヴィヴィが静かに言った。


「ミサカさんにもきっと事情があるはずだよ」


リリアとクレアは——


私を優しく抱擁してくれた。


温かい。


◆ ◆ ◆


ナターシャが息を整えた。


そして——


少し真面目な顔になる。


「あたいらはミサカの過去を知らない」


「ん?」


私は顔を上げる。


「きっと扶桑でなにかあったのさ」


ナターシャが優しく言った。


「誰にだって、事情はある」


「ナターシャ……」


リリアが頷く。


「そうですね」


「きっと、ミサカさんにも理由があるのでしょう」


クレアが静かに言った。


「もし、よろしければ——」


私を真っ直ぐに見つめる。


「扶桑のこと、ミサカさんのことを聞かせてもらえませんか?」


「……」


私は少し考える。


(話す……?)


全員が——


優しい目で私を見ている。


責めるような目ではない。


ただ——知りたい、という目。


私は——


小さく頷いた。


「……わかりました」


「お話しします」


ミサカの過去が語られる——



続く

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ