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なぜ……?

 美月麗羽が召喚されてあっという間に1ヶ月が過ぎた。美月麗羽にとっては試行錯誤の毎日で目まぐるしく過ぎていったという感想ではあるが、召喚した側にとっては美月麗羽の準備が出来上がるまで指折り数えて、気持ちが焦るほど待ち遠しい期間であった。


 美月麗羽は当初オナラに対して強い拒否感を持っていたため、その意識を変えてもらう必要があった。

 救いだったのが人が繰り出す魔法、オナラにこそ拒否感を持っていたが、魔法自体には好意的だったということだろう。


 魔法のない世界で生きてきた美月麗羽にとって、魔法は一種の憧れ的な存在だったらしい。

 魔法のない世界で魔法の概念があると言うのもおかしな話ではあるが魔法で空を飛ぶことを美月麗羽は夢見ていた。


 言い方は悪いが、空を飛ぶ目標を餌にして美月麗羽の魔法の訓練は続けられた。賢者ルビ曰く、魔法の素質は勇者の肩書きに恥じないものであり、彼女のお尻はまだまだ大きくなるのだわ。というお墨付きである。


 それはそれで喜ばしいのだが、目下の問題は魔王軍との争いが絶えず起こっている事、それに加えて魔物からの被害も深刻で、防衛に徹する他ない。

 問題の解決をしたいが、出来るのは問題の先送りだけ。


 問題とは往々にして、時間が解決してくれる事はなく、時間が経てば経つほどに大きく育ち、解決困難になる。

 明日には魔王軍に侵略されて滅亡する。そんな危機的な状況ではないが、10年後……20年後は滅亡していてもおかしくない。


 美月麗羽の準備期間にどれほど費やすべきか、短すぎれば美月麗羽の実力が足らず危険度は増す。

 しかし長すぎれば美月麗羽の旅の途中でこの国が力尽きて滅ぶかもしれない。


 王はいずれ滅びゆくであろう国を救う為に希望を切り拓く剣を欲していた。

 国を守るためには多くの盾が必要だ。美月麗羽に盾を担わせても救えるのは美月麗羽の手が届くところまで、それでは意味がない。

 勇者とは少数精鋭で敵の喉元を切り裂く剣である。求められるのは個人の強さ。


 個人の強さはいかにオナラを使いこなせるかにかかっている。美月麗羽のお尻が十分に育つまで悠長に時間を費やして良いものか、急速な成長には実戦が不可欠。どこで見切りをつけて送り出すべきなのか判断できずにいる。


 今、美月麗羽のお尻はどこまで育っているのか、


「はぁ……美月麗羽のお尻を確認したい。どれほど大きく育ったのか、弾けるような力強さを兼ね備えているのか、それとも包み込むような柔らかさのお尻なのか……」


 王は両手で頭を抱え、真剣に美月麗羽のお尻が見たいと呟く。

 王には決定するだけの判断材料を持っていない。


 美月麗羽にどう伝えれば成長具合を確認する事ができるのか口実を考えては口に出してみる。


「ごほん。美月麗羽よ。より一層親睦を深めるため、余とお尻の見せ合いっこでもしないか?」


 これは直球すぎたと頭を振る。いっその事実演して確かめるのも手かと、空想上の美月麗羽相手に王は手を伸ばし微笑みの中に威厳ある声で問いかけてみる。


「最近の調子はどうかな? どれ、余に美月麗羽のオナラを見せてくれないか?」


 『んー。ちがうなー』と王は天井を見上げる。真剣に物事を考えて色々なパターンを口にしてみるが、なぜか王の耳には美月麗羽からの罵倒の声の幻聴が聞こえてきて頭を悩ませるのだった。



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