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第4話「サイクロプス戦!」


この世界がなぜサイコロを振る戦闘になったのか…。

それはこの世界の宗教、【ダイス教】の信仰対象である神、勝負の神・ダイスマンの影響である。

 勇者ブレイブと魔王ベリアルの戦いで、死ぬ間際にベリアルが発動させたニトロダイスで荒廃した世界。魔物達は暴れまわり人間達を蹂躙した。だがそこにダイスマンが現れ、


「うーん、戦いは公平であるべき!」


との思想の元、種族としての力の差がありすぎる人間と魔族は互いにダイスロールで戦闘を行い公平なルールの元で勝負することになった。


ダイスマンが降り立った地は繁栄し、『ラッシュグロリアス』という国が作られブレイクランド屈指のギャンブル大国となっている。

 魔物達もダイスロールで活躍できるスキルを開発したりして冒険者と戦えるようにした。


ダイス教は人間達の内なる賭博性を刺激し、最も信者が多い宗教となっている。



そのためこのゲームは通常攻撃の際はダイスロールで正誤判定を行い、攻撃を成功した後、自分の攻撃力に成功したダイスを加算してダメージ計算を行うシステムになっている。

【逃走】も可能だが、逃走のダイスロールは1・6が成功で2・3・4・5が失敗であり、パーティメンバー全員が成功しないと逃げる事が出来ないため結局戦う方が早いとまで言われている。戦闘での攻撃成功率が約50パーセント。逃走の成功確率が約30パーセントとあまりにも尖ったシステムになっている。プレイヤーは目押しである程度欲しい目が出せるが、パーティメンバーはCPUによるランダムなので逃走はかなり難しい。

 戦えばターンがかかり、逃げるにも時間がかかるので、プレイヤーにフラストレーションがたまり精神を蝕む戦闘システムになっていた。

 逃走の成功が低いことに対して開発側は


「冒険者が逃げるのはかっこ悪いので積極的に戦えるようにした」


という発言をしていた。




そんな戦闘をしながらもヨシハルとツバキはそれぞれレベルが1上がり、ステータスも強化されていた。


だが本番はここから出る。


くりピンのエンカウント地獄を超えると、林の奥でカンブリオのペットの犬。タローがサイクロプス2体につかまっていた。


「ゲヘゲヘ。旨そうだな」

「ゲヘゲヘ。それより人間に売って金にしよう」


「おい! タローを返せ!」


「人間! 冒険者!?」

「殺せ殺せ!!」



タローを取り戻すためサイクロプスとの戦いが始まった。


【サイクロプスA、サイクロプスBが現れた!】


くりピンより強敵だが、増殖しない分かなり良心的な敵になっている。


【サイクロプスAは〈ダブルダイス〉を唱えた! サイコロを2個使えるようになった!】


「ダメージを増やす算段か!」

「人間どもめ! 一瞬で倒す!」


【サイクロプスAの攻撃判定ダイス!】


サイコロA:2 サイコロB:3


「うがっ!?」


【攻撃判定失敗! サイクロプスAの攻撃は外れた!!】


呪文〈ダブルダイス〉を唱えればサイコロを2個使えるようになるので攻撃判定が成功すればダメージが増えるが、代わりに攻撃判定ダイスが2個とも成功しないと攻撃は失敗扱いになるので、デメリットもある呪文である。


【ヨシハルのターン!】


「僕のターンか…!」


ヨシハルは攻撃を選択し、攻撃判定ダイスを振ったスキル【目だし】で一番高い6の出目を出した。


サイコロ:6


【攻撃判定成功! サイクロプスAに攻撃! 17のダメージを与えた! サイクロプスは9ダメージを受けた!】


「ぐううっ!」

サイクロプスA HP40-(ダメージ17-防御力8)=31


ダメージ計算の際はダメージから守備力を引いた数値が体力(HP)から削られる。くりピンの防御力は0だったがサイクロプスは防御力8と硬い。


(とはいえ流石サイクロプスか。このゲームのスタンダードな敵で攻守のバランスが優れているから、序盤は中ボスクラスの強さがあるんだよな…)


「次は私だ! 」


【ツバキのターン! 攻撃判定ダイス!】


サイコロ:1


「あっ!?」


【攻撃判定失敗! ツバキの攻撃は外れた!!】


「す、すまんヨシハル!」

「ドンマイですツバキさん。まだ始まったばかりですから…」


「その余裕いつまで持つかな!」


【サイクロプスBのターン! サイクロプスBは呪文〈痛恨〉を唱えた! サイクロプスBは通常攻撃の際にサイコロを振る必要が無くなった!】


「何!?」

「食らえ!!」


【サイクロプスBはヨシハルに15のダメージを与えた! ヨシハルは6ダメージを受けた!】

ヨシハル HP:24-(ダメージ15-守備力9)=18


レベルアップしてステータスが上がっているとはいえ、攻撃力15のサイクロプスのダメージは痛い。


「くっ…」


サイクロプスは呪文〈ダブルダイス〉でギャンブル性はあるが高いダメージを与えるか、呪文〈痛恨〉でダイスロール判定を無くして確実にダメージを与えるかのどちらかを使ってくる。高いHPも相まってレベルもアイテム物資も足りない序盤では強敵になりえる魔物である。


【サイクロプスAのターン!】


「今度こそ!」


サイコロA:1 サイコロB:2


「ふん。またはずれのようだな!」

「それはどうかな?」


【サイクロプスAのスキル〈クリティカル・1〉が適用された! 判定が成功になった!】


サイクロプスにはスキルで〈クリティカル・1〉がある。これは本来攻撃判定ダイスで1・2・3がでれば失敗だが、1が出た場合は成功扱いになるスキルなのだ。つまりサイクロプスの攻撃判定は50パーセントから60パーセントに上がっているのだ。


「くらえ!」


サイコロA:4 サイコロB:2


【サイクロプスAは21のダメージを与えた! ツバキは11のダメージを受けた!】


「グわあああ!」

ツバキ HP:29-(攻撃力15+サイコロ(4+2)-防御力10)=18


「ツバキさん! 」

(まずい! 次のターンで回復ダイスを使わないと!)


ヨシハルは次ターンで回復アイテムである【回復ダイス】を使った。ダイスを振ることで出目×2ポイントのライフを回復する。


回復ダイス出目:4


【ツバキは8ポイントHPが回復した!】


ツバキ HP:18+(出目4×2)=26


「ありがとなヨシハル!」

「はい。ツバキさん、次のターンで魔法攻撃を使ってください」

「任せておけ!」


【ツバキは魔力20を消費して、魔法〈閃光波〉を使用した! サイクロプスAに光属性の魔法攻撃! 】


魔法攻撃は必ず当たるシステムになっているので、判定ダイスの必要がない。〈閃光波〉は敵単体に30ダメージを与える魔法攻撃である。


「ぐうう…!」


【ツバキは30ダメージを与えた。サイクロプスは22ダメージを受けた】

サイクロプスA HP:31-(魔法攻撃30-8)=9



「くっ…! 」


【サイクロプスBはツバキに15のダメージを与えた! ツバキは5ダメージを受けた!】

ツバキ HP:26-(ダメージ15-防御力10)=21


次のターン、ヨシハルがサイクロプスAに攻撃し、9ダメージを受けたAは倒れた。


「サイクロプスA! くっ…! あの方に報告せねば!!」


【サイクロプスBは撤退した! ヨシハル達は戦闘に勝利した! 経験値20ポイントを得た! アイテム〈エメラルド〉を2個得た! 〈サイクロプスの秘薬〉をゲットした!】


【ヨシハルはレべル3に上がった!】


〉ヨシハルのステータス

HP:24→30 攻撃力:11→13 守備力:8→11 魔力:12→14 素早さ:9→12 

幸運:5→7

経験値:後31でレベルアップ


この戦闘はサイクロプスを1体倒せば終了する。もう1体はこの序章のボスに報告するため戦線離脱するのだ。


「ワンワン!」

「タロー!」


カンブリオはタローとの再会を喜んでいた。


「思ったより苦戦したな…」

「そうですね…」


サイクロプスと戦いボロボロの僕達は今後の戦いを考え、気を締めなおした。


「タロー! カギを返してくれよ!」

「ワフン!」


カンブリオはタローからカギを返してもらおうとするが、中々離さない。


「ワフン! ワンワンワン!!」

「何か私達に伝えたいことがあるのか?」

「何でしょう?」


たしか戦闘が終わるとカギをゲットできる展開のはずだが、タローは簡単に離そうとしない。というか今更気付いたが、タローの見た目が若干変わっていた。背中に小さな翼が生え、額には小さな角が生えている。


「とりあえず。ラバンさんの元に行ってみましょうか?」

「えー、オレ父ちゃんに怒られるから嫌だよー!」

「だけどこのままカギを返してもらわないと君も困るでしょう?」


ラバンと一緒に待っているウェイブの事が怖くてカンブリオは渋るが先に進めないので帰ることにした。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 


―港町・ビガン、ラバンの拠点



「おい! その犬まで連れて来たんだ!?」

「タローがカギを離そうとしないんだよ!」

「離そうとしない?」


ラバンにヨシハルは事の経緯を説明した。


「そういやこいつ、普通の犬と違うな」

 ラバンはまじまじとタローを見た。


「こいつもしかしてハイドッグか?」

「今や絶滅危惧種って言われている魔獣の類ですかい? 確かにそう言えばこの犬からは少しばかり魔力を感じるような…」

「ヨシハル、お前何か宝石のドロップアイテムはないか?」

「そう言えばエメラルドを2個ほど…」

「後で換金してやるからちょっとオレに貸してくれ」


ラバンはそう言ってエメラルドを受け取り、しばらくすると何かのアイテムを持ってきた。


「こいつは宝石を加工することで作れるマジックアイテム、【魔変声器】だ。こいつを首からかけてやって…」

「ワンワ…ああ、オイ! オレ様の話を聞いてんのかよクソガキ!」

「タローがしゃべった!?」

「魔変声器は動物の言葉を翻訳して俺たちとも会話できるようにする。ハイドッグは知能が高いからこういった機器で会話していたと聞いていた」

「ありがとよオッサン! オレ様はどうしても伝えたいことがあったからこのカギを奪うしかなかった」

「伝えたいこと?」


突如現れたハイドッグと、覚えのない会話イベントに一瞬疑問を感じたが彼の話を聞くことにした。


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